表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武装陰陽師の花嫁楽園(ブライトエデン)  作者: 福音寺朧
第1章 破魔の祭儀姫
3/4

第3話 夕暮れのファーストコンタクト



入学式終了後、俺は割り振られた教室に続く道を歩んでいた。俺の隣には、黒髪の左右を赤いリボンで結んでいる少女が、これから行く俺たちに割り振られた教室への期待にワクワクしている様子だった。


「しかし入学初日から対人戦をやることになるとは思わなかったぜ。」

「そのおかげで、孔雀院さんとお友達になれたじゃない。」


俺は戦闘で疲労した体のままクラスに向かっていた。結界が解かれ怪我や制服の切れた部分などは綺麗に無くなっていたが孔雀院との戦闘で刺された左肩の痛覚はまだ残ったままだった。


「・・・真、まだ痛み残ってるの?やっぱり一度保健室行った方がいいんじゃないの」


鈴華が心配そうに声をかけてくる。鈴華の刀を使っていなかったら俺は勝つことができなかったかもしれない。俺は鈴華に笑顔を向けて言う。


「大丈夫だ!それよりありがとう鈴華、菊一文字がなかったら勝ててなかった。」


俺が精一杯の感謝の言葉を伝えると、鈴華は急に顔を赤くし、顔を伏せてしまう。


「・・・う、うん、それならよかった」


鈴華は依然として顔を伏せている。すると俺たちは足を止める。俺たちに割り振られた教室のまえについたからだ、俺は扉を開けようと手を伸ばすが、あと数瞬でドアノブに手がかかるとこで手が止まる。


「どうしたの真?早く行こうよ。」

「あ、おい、待て!」


鈴華は俺の制止を聞かずに、クラスの扉を開ける。その音に反応したのか、クラスメイト全員が俺たちの方を向く・・・するといきなりクラスメイトの大半がが俺たちのところ駆け寄って来た。こうなることが読めたから俺は一瞬ドアを開くのを拒んだのだ。模範試合でいきなり主席を打ち負かせば、それは同じ新入生からしたら驚きや尊敬の念を抱かれてもおかしくない・・・すごい人だかりの中俺は四方八方から質問責めを食らい、しばらく俺は身動きが取れなくなるのだった。




私は窓側の席で虚ろな瞳で空を眺めていた。別に何も考えていなかったわけではない。私は確かに敗北した。だけどクラスのみんなは優しく話しかけてくれる・・・これも真のおかげなのだろうか。しかもさっきら真の事ばかり頭に浮かんでくる。真が私にかけてくれた言葉は今も鮮明に脳内に記憶されている。真は私の中にある何かを壊した。それは私を今まで縛り付けていたもの・・・家の目・・・周りの目・・・真が壊していったのはそれらなのかもしれない。戦闘のあとの握手、彼の手の温もりはまだ手に残っていた。私はその手を見つめる。今の自分の気持ちがわからない。真の言葉を思い出す度に、胸がざわつく、緊張感とも恐怖とも違うこの感覚・・・一体なんなのだろう。

私がそんなことを考えていると。


「玲奈様、どうかされましたか?」


隣から心配そうな声がかけられる。その方がに視線を向けると、黒髪を後ろでまとめ、瞳は黒く鋭い目つき、同じ学生とは思えないしっかりと覇気のある声・・・その人物は私に使える分家の天野榛名あまのはるな、私と幼い頃からの付き合いで、時折私から相談することもあり、私達は対等な存在だと思っている。だが、周りの目がある時はあくまで本家と分家、そのあり方自体は変わらない。みんなの前では、私達は間にすこし距離を置かなければならない。私は視線を外に戻してから言う


「いえ、なんでもありません。」

「そうでございますか。失礼しました。」


榛名が謝罪してくる。私は正直、家のしきたりに従わなければならないのが嫌だ。普通の人間として榛名とあっていればこんな距離を置く必要がないのだ。私はそんなことを思いながらまた、窓から空を見上げるのであった。




夕暮れ時、俺は帰路についていた。学校は午前中で終わったのだが、俺は保健室で休んでいたせいで夕方までかかってしまった。


「まさか俺が寝ちまうなんてな、保健室のベッドの気持ちよさはやっぱりいいな」


俺はあの後左肩の痛みが消えず保健室に寄った。だが保健室には誰もいなかったので、俺は寝れば痛みも引くんじゃないかと思いベッドに入った。すると気づけばもう日は落ちようとしており。俺は起き上がり腕を触ると痛みが消えていたのでこうして帰路について帰ろうとしていた。


「しかしなんで保健室に誰もいなかったんだろう。」


そんなことを思いながら帰路を歩いていると、視界の左側に神社の赤い鳥居が見えて来た。


「あれは・・・」


その鳥居は入学式の前に巫女服の女性を見た場所だった。俺は鳥居をくぐり神社の敷地に足を踏み入れる。奥には境内が見え、境内の横には朝女性を見た長椅子があった。境内の外装は、黒に近い茶色をしていて古風な感じを醸し出しているが、どこにも腐敗が見られず、白の大理石でできた道は、桜でピンク色になっていた。日が落ちているのも相まってとても幻想的な雰囲気を感じた。


「しっかりした作りだし、手入れもされている。」


俺がそんなことを言いながら境内に近づいていると、ふと風が頬を撫でていく。


「・・・」


俺は言葉を失っていた。周りより一回りでかい桜の木、その下に朝見た巫女装束姿の女性が座っていた。

空の色にも近い水色、その髪より少し濃い色をした瞳、巫女装束の上からでもわかるスタイルの良さ。

女性は小さな白い猫又ねこまたと戯れていた。猫又・・・仙術、妖術を得意とし上位の猫又だと人間の姿になることも可能だと聞く、普通の猫と違うところは、尻尾が二本あることぐらいだ。

すると、こちらに気づいた女性が声をかけてくる。


「どうしたのですか、貴方、こんなところで」


その透き通った声に益々ほれていた俺は、一瞬返事が遅れる。


「い、いや、何も・・・その猫又は貴方の式神なんですか?」


すると彼女は首を小さく横に振る


「いえ、私のではありません、恐らく野良の猫又でしょうか。」


すると彼女のそばにいた猫又は俺を見るとすぐに俺のところに来て肩まで駆け上って来た。そして身を擦らせ、懐いた仕草を見せる。俺にはそれがくすぐったく感じ自然と頬が緩む。


「お、おい、こら、あははは、可愛いやつだな」


俺は肩にいる猫又の頭を撫でると猫又は嬉しそうにする。野良の猫又なんて希少中の希少、激レア中の激レアだ。普通、猫又は長い年月をかけて懐かせたり心を通わせたりするのだが、なぜ初対面の俺にいきなり懐いて来たのだろう、しかも何かを懐かしむような仕草を見せる、まるで昔どこかにあったことを懐かしむように、猫又なら実力のある陰陽師は自らの式神にすることに躍起になるだろう。陰陽師は式にしたい妖怪や守護霊と、交友を経て、契約術式によって、契約が成立する。その際、その契約を結ぶ側の信頼関係を構築していることが前提条件である。そんなことを考えてると・・・


「貴方に懐いてるみたいですし・・・式神にされてはいかがですか。」


突然の提案に俺は驚く、確かに式神にできれば心強い、現に妖怪を式神にしている陰陽師も少なからずいる。猫又は仙術、妖術の特に援護系の術式に長けていると聞いたことがある。俺のスタイルにも合っているし理にもかなっている。何よりかわいい。


「ご自分の式神にしようとは思わないんですか?」


俺が不思議そうに尋ねると女性は少し困った様子になる。


「私は・・・もういますので・・・」


彼女は微笑むが、その顔はどこか寂しく、辛そうに見えた。


「貴方、新入生の模範試合で戦っておられた、天鏡院さんですよね。」

「は、はい、そうですが、貴方は・・・」


俺がそういうと彼女は、驚いた表情をする。どうやらまだ自分が自己紹介していないことに気づかなかったらしい。すると彼女はすぐに微笑み・・・


「これは失礼しました・・・私としたことが自己紹介するのを忘れていました。私は氷蓮寺美久ひょうれんじみくと申します。学年は二年生です。よろしくお願いします。」

「こ、こちらこそよろしくお願いします。」


彼女、氷蓮寺美久が深く頭を下げてきたので、俺もあわてて頭を下げる。すると彼女は頭を上げると俺の肩にいる猫又を見ながら


「それで、どうされるのですか、その子・・・」

「そうですね・・・」


俺は猫又を見ながら名前を考える。今更断るのももったいないしせっかくの機会だ、これも何かのえにしだと思っておこう、だが生憎なことに俺のネーミングセンスは良くない、小さい頃に飼っていた白いイヌにに「白男はくお」と付け親父に笑われた経験があるからだ・・・俺が必死になって考えていると・・・


白奈しろななんてどうでしょう・・・」

「・・・いいですね・・・よし・・・お前の名前は白奈だ・・・よろしくな」


氷蓮寺さんが提案で白奈しろなとなずけた猫又は嬉しそうに俺の顔に自分の体をこすってくる。どうやら喜んでもらえたらしい。


「天鏡院さんは、どうしてこんなところに・・・」

「真でいいですよ・・・」

「でしたら私も美久で構いません・・・」


俺達はその後、しばらくの間、取り留めのない話をつづけた。この学校の施設についてや授業の大まかな説明、ここら辺の料理のうまい店など、いろいろ話していた。美久さんは楽しそうに話しているので俺も自然と楽しくなり、そして気づいたらもう日はもうその一片を残し全部沈んでいた。


「美久さん、自分そろそろ帰りますね・・・家か寮まで送りましょうか?」

「いえ、大丈夫です。お気持ちはありがたくもらっておきますね。」


俺は神社を白奈と去ろうとしたとき、美久さんの方を一瞥する。白奈とはまだ契約はしていない、もう少し仲を深めてからしたいと美久さんに言ったら、微笑んでいた。


「それじゃあ美久さん、また会いましょう。」


すると美久さんは小さく手を振り見送る、その微笑みはどこか寂しげにも見えた。そうして俺は、白奈を右肩に乗せ神社を後にする。美久さんは優しく、抱擁力と言うかなんというか、ともかく姉の様な安心感を俺は感じていた。だけど度々見せる。微笑みの奥にある寂しいような、悲しいような瞳、俺はそれだけが引っ掛かり、そのことを考えながら新しく住む家への帰路につく。




私は真と共に暮らす新しい家で届いた荷物の整理をしていた。家は二階建てで、一階が8畳くらいのリビング、キッチン、風呂場、二階が5畳ぐらいの洋室が4つぐらいあった。なかなか立派な一戸建ての家だ・・・しきたりで分家の人間は本家の人間の身の回りの世話をするように言われ、そのように育てられいてきた。炊事、掃除、洗濯に勉学の補助、剣術の相手まで、様々な身の回りの世話が出来るように育てられてきた。真はそれでも「自分のことは自分でできるから大丈夫だ」とか言いそうだけど。これが天鏡院の分家の天光院家のしきたり、一応天鏡院家使える家はほかにあるのだが、真は「そんなのはいらない」と一喜様に進言したらしい・・・だがしきたり故に、一人はいないとだめだと一喜様も反論され、その当時幼馴染だった私を真は選んだ。まだ私と真が幼い頃の話だ。


「真、まだ帰ってこないのかな・・・」


私はそういいながら荷物の入った段ボールを開け、整理していると扉が開く音と同時に真の声が聞こえてくる。


「ただいま、ごめんな鈴華、荷物の整理やらしちまって・・・」


私が私の意思でしたことに真が謝罪をしてくる。私は家のしきたりとか関係なしに真といたい、真といると安心するし、真は私を救ってくれた人だから・・・だがそれは私の一方的な片思い、叶うことのない願い。分家は本家に使えることがしきたりとなっており、添い遂げることはおろか、恋愛感情を抱くことすら本家の人間からしたら迷惑極まりないことだろう。もしそんなことを他の誰かに知られれば、真は周りから蔑まれ、罵られる。私たち由緒ある本家と分家の間にある主従関係は、大昔から呪いの様に付きまとってきている。私はそんな決して叶うことのないことを思いながら荷物を整理する。




親父が用意してくれた家、その一階のリビングで荷物の整理をする鈴華の顔は少し悲しげな顔をしていた。俺が鈴華のこうした変化を見逃さないのは、昔からずっと一緒にいたからである。だが本家と分家のしきたりとはいえ鈴華の自由を奪ってしまっていることに俺は罪悪感を覚えている。家のしきたりなんかで自由を奪われてしまう、そんな呪いのようなものが昔から続いている。俺はしゃがみ込み、鈴華に顔を近づけ問いかける。


「鈴華どうした?なにかあったのか・・・」


俺の問いかけに鈴華は一瞬驚いた顔をしたのち、笑顔で返事をする。


「何でもないよ。あれ・・・真、その猫ってもしかして猫又?」


鈴華は俺の肩でだらんと寝ている白奈を見て訪ねてくる。流石の鈴華でも俺が猫又を連れているのは疑問に思うだろう。


「あぁ・・・ちょっといろいろあってな。」

「そうなんだ、あとでその話聞かせて」

「あぁ、荷物の整理が一段落付いたらな」


俺は、直ぐに笑顔になった鈴華を見ると俺は心配な気持ちを隠しつつ、俺は二階に上がる。洋室の四部屋、何でこんなに部屋があるんだろうと疑問にもいつつも自分の部屋に入る。部屋のドアを開けると、段ボールが山済みで天井に届きそうなほど置いてある。家から持ってこれるだけの陰陽師、妖怪、魔魂に関する文献、服などの生活用品。その他諸々を詰めていたらこんな数になってしまった。俺は白奈をベットの枕元にそっと寝かせ、腰にかけていた刀を壁に立てかけ荷物の整理を始める。段ボールを開け、中の物を部屋に配置しながら思うことは、美久さんのあの寂しげな目だった。あの目は何に対しての目だったのか、それになぜ美久さんはあんなところで白奈と戯れていたのだろうか。改めて考えてみたらいろいろと謎だった。そんなことを思いながら次の段ボールを開けると・・・


「これは・・・」


段ボールを開いて出てきたのは、真っ黒に塗られた着物らしきものだが、近未来的装飾が施された装束・・・これは両親の使っていたものを合わせて俺用に作られた清装・・・これを見てるとあの日のことを思い出す。焼ける家屋・・・両親の鮮血・・・もうろうとする意識・・・そして・・・


「う・・・」


そこから先を思い出そうとした瞬間、俺を軽い頭痛が襲う・・・あの時のことを鮮明に思い出そうとすると毎回頭痛が走る。ただ忘れているのか、それとも俺が無意識のうちに記憶を思い起こすのを拒んでいるのか。そんなことを考え、清装を段ボールから出すと・・・


「ん?」


清装をを隣にどけると清装の下に見知らぬアタッシュケースが入っていた。銀色に輝くそのアタッシュケースはいかにも大事なものが入っていると言わんばかりの外見に少し違和感を覚えた。段ボールからアタッシュケースを出す。俺は緊張した手つきでアタッシュケースを開けると中には霊符の札の束が入れてあった。霊符・・・陰陽時の攻撃手段の一つで主に遠距離攻撃、中距離、身体強化などの、その用途は様々・・・霊符には属性があり、五行思想に基づいた火、土、金、水、木、にそれぞれ分けられる。その他に呪符も存在するが、呪符は使うことが危険とされ使う人は陰陽師の中でも限られた人たちになる。俺がアタッシュケースの中を見ているとアタッシュケースの底に一枚のおかしな霊符を見つける。霊符は白い札に属性ごとの色で術式が書かれているものだが・・・その霊符は紺色の札に白い文字で術式が書いてあったのだ、しかも見た限り俺はその術式を解読できなかった。


「なんだ、この霊符」


小さい頃の教育で大抵の術式は頭に入っているはずなのだがどの術式に当てはめても類似しない術式・・・今度親父に聞いて見るかと思い気になりつつも荷物の整理を再開する。そうして俺は荷物の整理を黙々とするのだった。




翌日、登校した俺は、昨日見つけた霊符を見ながらこれがどういうものなのか考えていた。もちろん自分で作った物ではない、かといって通常の術式を調べても該当する物は出てこない。白奈は授業が終わるまで外に遊ばせている。俺を見つけると直ぐに来るのであまり心配することはないだろう。すると札を見ている俺に声をかけられる。


「真、呼ばれてるわよ。」


声をかけてきたのは鈴華だった。そういわれ教室の出口の方を見ると先日模範試合で手合わせした玲奈ともう一人凛とした表情の少女が隣と二人で俺の方を見てきていた。俺は立ち上がり、鈴華と一緒に玲奈の所に歩み寄る。そばまで行くと玲奈が少し落ち着かない様子で・・・


「少し時間あるかしら・・・」


現在の時刻は8時、ホームルームがあるのは8時40分なので、話す時間は十分にあった。


「あぁ、別に構わないが・・・鈴華を同伴してもいいか?」

「別に構わないわ」


すると鈴華は玲奈と面識がないので自己紹介をする。


「初めまして、私は天鏡院の分家、天光院鈴華とお申します。以後お見知りおきくださいませ。」

「えぇ、よろしくね・・・こちらも紹介するわ」


すると黒の髪を後ろでまとめた凛々しい少女が自己紹介してくる。


「初めまして天鏡院様、私は孔雀院に使える天野榛名とお申します。以後お見知りおきくださいませ。」


一通りあいさつを終えたところで玲奈が歩き始める。


「少し場所を変えましょう」


そういって歩き出す二人についていくこと数分、この学園の屋上階の扉を開け屋上に出ると玲奈は足を止める。この学園は三階建てになっており、一階から三年生の教室や職員室、二階が二年生、三階が一年生と言った作りになっている。屋上は昼時になれば昼食の生徒で賑わうだろうが今屋上にいるのは俺達だけだった。


「ここでいいわね」


するといきなり玲奈は、さっきと同じく少し落ちるかない様子で聞いてくる。


「真、あんたは小隊とかは組まないの?」


玲奈の言う小隊とは、いわば魔魂との戦闘におけるパーティーみたいなものだ。一人での戦闘効率は悪いと考え学園側が軍から取り入れたのである。基本魔魂との戦闘は五人以上の小隊による殲滅戦、魔障地域の浄化祭儀を守る防衛戦など多くの戦闘に駆り出される。一人で任務に参加することもできるが、一人でこなす任務には限界がある。一年生の生徒にも小隊を組む権利はあるが、大抵の生徒は上級生に頼み、小隊に入れてもらうのが普通らしい。俺は玲奈から問われた質問に対して・・・


「組むつもりだ、次期頭首として集団戦術の経験も積まないとと思っていたからな」

「なら好都合ね」


俺の返答に玲奈はそう返すと俺の方に人差し指を向け口の端を少し上げると・・・


「真、私をあなたの小隊に入れなさい!!」

「え!!」


急な玲奈の申し出に俺は驚愕した。普通、俺と同じ次期頭首なら俺を勧誘に来るはずだそれなのに自分から小隊への参加を申し出てくるとは思わなかったため俺は驚いている。もし甘い考え

なら断るつもりだったが突然の申し出に俺が驚いていると・・・


「それで、いいわよね」


その言葉に俺は言葉を返す。


「二つ質問したい」

「いいわよ」

「一つ目は、なぜ時期頭首のお前が俺の小隊への参加を申し出て来るのか。理由を聞きたい」


俺は真剣なまなざしで玲奈を見ると、玲奈も真剣な表情に変わり俺の質問に答える。


「私を倒した貴方になら・・・下についてもいいと思っただけよ。勘違いしないでよ。別にあんたの手下になるわけじゃないわよ。」


そういうと玲奈顔を赤らめるとそっぽう向いてしまう。それに俺は苦笑いしてしまう。


「二つ目は天野さん、使える主はこう言っているが貴方もそれでいいのか?」

「はい、玲奈様の決めたことでしたら私はそれに従うまでです」


あまりの即答に内心驚いたが顔には出さず、俺は答えを出す。


「少し時間をくれ。」


俺のその言葉に二人は頷き、了承してくれた。

入学式から二日目、まだ桜吹雪の舞う中・・・学園の屋上で昨日相対した相手からの急な申し出・・・そのことに俺は困惑しつつも考える。俺は本当に前に進んでいるのだろうか、そんな事が心の中にふと浮かぶがそんな考えは心配ないと言わんばかりの優しい風が俺の頬をなでる。そんな今日も空は晴れやかな改正で会った。

皆さんこんにちは福音寺朧です。最近は梅雨とも感じさせぬ暑い日が続いていますね。そんな日には冷たい飲み物、食べ物で涼まりたいですねーさて今回の3話は氷蓮寺美久ひょうれんじみくが登場しましたね。抱擁力のあるお姉さんキャラ、素晴らしいですね。ですが何か裏があるようです。そこがどう関係していくのか楽しみですね。それでは皆さん、また次回会いましょう。後来週の投稿はお休みさせてもらいます。ご了承ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ