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武装陰陽師の花嫁楽園(ブライトエデン)  作者: 福音寺朧
第1章 破魔の祭儀姫
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第1話 桜吹雪のスカイブルー

プロローグ 災厄の過去


「熱い・・・熱い・・・誰か・・・助けて・・・」


そんな小さな願いでさえ、炎と家屋の崩れ行く音にかき消される。辺りを見ると・・・焼けていく人形、血を流し倒れる父と母・・・燃え行く家屋・・・そう、俺は目の前で両親を殺され、こうして俺も虫の息である。

薄れゆく意識・・・両親を守れなかった不甲斐なさ・・・こんなことをした奴らに対する憎悪・・・そして何より・・・無力な自分への怒り・・・そう思いを抱くも俺の意識が切れるのも時間の問題だった。

もうこのまま死ぬと諦めていたその時・・・・・

突如、燃えていた部屋の一角が崩れ、そこから白い光が差してきた・・・・・俺が白い光を薄く開いた眼で見ていると、人影が俺に手を差し出してきた・・・・・俺はその手の上に自分の手を置き、最後の気力を振り絞り、今声にできる最大の声で言った・・・


「助けて・・・・・・・」


すると人影の手は優しく俺の手を取り・・・


「わかった・・・・・」


その言葉を聞き安心した俺の意識は途切れた・・・・・・




10年後・・・・・




ピピピ・・ピピピ・・ピピピ・・ピピピ・・

俺は騒がしい目覚まし時計のアラームで目が覚める。


「うぅ・・・もう朝か・・・」


俺は眠い目をこすりながら制服の袖に手を通す。

30年前・・・ある大事件がきっかけで、この現実世界と妖怪などの魔物の住む虚無世界の境が曖昧になり、魔魂まこんと呼ばれる異形の魔物たちが現実世界に現れるようになった・・・・・

この事態を重く見た政府は、魔を払う陰陽師を育成する学園を立て、魔魂への対抗策とした。日本全国から素質のある少年少女たちを集め、育成するための政府直属の学園機関、月閃学園げっせんがくえんが建てられた・・・・・そして俺も去年、素質を見込まれ今年の春、月閃学園への入学が決まった・・・・・

俺は縁側からリビングに向かう最中に庭で、縦に置かれた丸太に向かい刀を構える老人の姿を見る。

腰まで伸びた白髪・・・老人とは思わせない肉体と鋭い目・・・次の瞬間、老人は一太刀、丸太に向かい刀を大きく振り下ろす。数瞬のうちに丸太が縦にまっ二つに割れる。


「お見事・・・」


俺はその老人に拍手を送る


「おお・・・しん、起きておったか」


老人は近くの木にかけてあったタオルで汗を拭きながら言ってくる・・・


「今日から学園の近くの家に住むと聞いたぞ・・・」

「はい・・・立派な次期頭首となる為に精進してまいります。」


この人は、俺が10年前の大火災のあと俺を引き取り育ててくれた義父・天鏡院一喜てんきょういんかずき・・・陰陽師の家の中でも天鏡院家は10本の指に入る名家で、俺の母方の父だ・・・そして義父は元陰陽師・・・現在は退役して祭儀などに携わっている・・・そして俺、天鏡院真てんきょういんしんはこの天鏡院家の次期頭首だ・・・


「真・・・話がある・・・」

「・・・・・はい・・・」


俺は義父の後についていき、義父の部屋に入る・・・和室の部屋、義父は奥の図布団に腰を掛け、俺は手前の座布団に腰を掛ける・・・おそらく今日からの学園について話すのだろう・・・


「・・・真よ・・・」

「・・・はい・・・」


義父は表情を変えずに淡々と話し始める・・・


「我々陰陽師は魔を滅し、いつか現実と虚無の境界を敷き、この世に再び平穏をもたらすことなのはわかっておるな・・・」

俺は気持ちを引き締め、畳に拳をつき表を下げ応える

「はい・・・わかっております。我ら再びこの現実に平和をもたらすためにこれからも精進したく思います。」


義父は頷き


「うむ・・・そしてこの天鏡院家の次期頭首であるお前に、一つの課題を言い渡す」


俺は顔を上げ、問う


「課題とは、一体なんでございますか。」


義父は目をつぶり、数瞬したのちに目を開きその返答をした。


「お前が今日から通う月閃学園で卒業までに、婚約者を複数作ってきてもらう・・・それが出来なければ、お前を次期頭首にすることはできない」


「・・・・・・・え?」


俺は言われたことが一瞬理解できず、素っ頓狂な声を上げてしまう


「・・・・・それはどうゆうことでしょうか?」


そう返すと義父はやれやれといったように首を横に振る。


「お前にはその方面の教育もしっかりしておいた方がよかったかのう」


俺は頭の中で思考を巡らせる。学園を卒業するときには俺はもう18歳・・・結婚も可能な年だ・・・だが、複数の花嫁、確か日本は一夫一妻制のはずだ・・・


「お聞きしたいのですが、複数の花嫁とはどうゆう意味でしょうか。」


未だ追いついていかない頭を無理矢理追いつかせ、質問する。


「まだわからぬか?噛み砕いて説明するとのぉ、真、お前は学園を卒業するまでに婚約者をたくさん作り、ハーレムを作るのだ・・・英雄、色を好むと言うしな、頑張ってこい」


そういうと義父は俺に向かい親指を立てグッジョブサインをする。ついでにウインクも添えて・・・

俺が義父に意見をしようと口を開こうとした瞬間・・・


ピンポーン


突如インターホンの音が家に響く・・・俺は和室にかけてある時計に目をやる・・・午前7時30分、あいつと一緒に入学式に行く約束をしていた。


「ヤバイ!早く準備しないと」


俺は急いで立ち上がろうとした瞬間


「痛ってー―」


約20分、正座で座り続けていた俺の足は痺れていた。


「ほれ、早くいかんと遅刻するぞ」


義父は微笑みながらこちらに手を振る・・・俺は襖を開け、義父の方を向き・・・


「それでは行ってきます。」

「行ってきなさい・・・」


俺は玄関に急ぐ、その廊下で使用人の人からバックを受け取る


「真様・・・寮へのお荷物は本日中に届くと思われます。」

「ありがとう・・・」


俺は靴を履き・・・後ろを一瞥してから戸を開ける。


「遅いわよ・・・真・・・」

戸を開けるとそこには、左右の髪を赤いリボンで均等にくくり、黒く澄んだ瞳は、その少女を純粋そのものだと思うほどに澄んでいて、学園の女子用制服に身を包んだ少女が頬を膨らませて俺の前に立っていた。


「ごめん鈴華すずか、少し親父と話してて・・・」

「一喜様と?・・・一体どんな話をしたの?」

天光院鈴華てんこういんすずか』俺がこの家に来てから、俺と親しくしてくれている幼馴染で、天鏡院家の分家、天光院家の跡取り娘である・・・


「いつも聞かせれたいることだよ」


課題の事は今伏せておいた方がいいだろう。言って追求されても面倒だ・・・

俺は茶を濁すように言うとすぐに歩き始めた・・・


「・・・あ、待ってよ、ねぇ真」


鈴華もあとからついてくる形で小走りで来る。




学園への通学路の最中、鈴華に声をかけられる。


「ねぇ真・・・」

「どうした鈴華・・・」

「今日入学式だけど、一喜様から何かもらわなかったの?・・・私は、母から母が現役時代使っていた刀を譲り受けたわ」


そういう鈴華の肩には学園指定のカバンともう一つ、刀が肩にかかっていた・・・


「そういえば、親父が学園に交渉してオーダーメイドの刀を頼んだって」


そう・・・一週間前に親父がそんなことを言ってたのを思い出した。入学式の方に気を回していて忘れていた。


「オーダーメイド!すごいね、さすが本家ね」


鈴華が笑顔で俺に言ってくる。


「本家とかどうでもいい・・・そんなくだらないことで人を差別するほかの本家の奴らが俺は気にくわない」


俺が少し強い口調で鈴華の方を見ずに言う


「ごめん、真・・・私・・・」

「あ、ごめん、そんなつもりで言ったわけじゃないんだ」


鈴華が俯いていることに気づいた俺はすぐに慰めの言葉をかける・・・俺は天鏡院にきて何度か本家分家が一斉に集まるパーティーで俺は見た、本家の人間が偉そうに分家の人間に指図したり、分家の人間をこき使っている現状を・・・それは大人も子供も変わらない。そのせいで鈴華も小さい頃から他の本家の奴らにいじめられてきた・・・それを俺が見ている範囲では止めていたが、おそらく見ていないところでも鈴華はいじめられていたのだろう、いつもは明るく振舞っているが時折、俺の前で笑顔を曇らせる時がありそれを見るたびに心が締め付けられるように痛くなる・・・俺は親父から自分の手の届くものは守れ・・・と教えられてきた。


「真・・・どうしたの?」


「あ・・・いや、何でもない、それより急ごう、遅刻する」

そういって俺たちは急ぎ足で学園へと急ぐのであった。


校門にたどり着き学校に通じる桜並木を歩いていく・・・

この月閃学園は、五行を司る霊脈の上に建っている。魔魂がいつ出るかわからないこの世界においては唯一と言っていい安全区域と言える。同時に学校の敷地には霊力が満ちているので陰陽師にとって一番戦いやすい場所なんだとか、それと魔魂は通常の刀などの武器で倒せない。霊的術式を施した武装・・・霊装、もしくは呪的術式の武装・・・呪装でしか倒せないことがわかっている。その霊装、呪装を作り出せるのもこういった複数の霊脈がある場所だけだ・・・

校舎に向かう桜並木を歩いている最中、右手に鳥居を見つける。この学園は広大な広さゆえに敷地内にいくつかやしろがある・・・

鳥居の先に社が見える・・・その隣の長椅子に一人の女性が座っているのが見えた・・・学生服ではなく巫女服の女性・・・桜吹雪の中、揺れる髪は空の色と言っても過言ではないほど美しい水色、蒼い瞳は引き込まれそうなほど透き通っていた。俺がその女性を見ていた時、不意に背後から声をかけられる。


「真・・・どうしたの、神社の社の方なんか見て?」


鈴華が不思議そうに俺の顔を覗いてくる


「あぁ・・・あそこに巫女服の女性が・・・あれ?」


俺が再度、長椅子の方を見るとその女性の姿はもうなかった。


「何してるの、早く行こう・・・遅刻しちゃうよ」

鈴華が心配そうに俺の顔を見る

「お、おう、急ぐか」

俺と鈴華は小走りで校舎に向かう




あとがき

皆様、初めまして、福音寺朧ふくおんじおぼろです。武装陰陽師の花嫁楽園<ブライトエデン>序章はどうだったでしょうか、こんな拙い文章で楽しめていただければ幸いです。作品を作るにあたり、SFロボット系、異世界ファンタジー系、学園バトルで悩んだ結果これになりました。もう趣味全開の小説です。ハーレムが許されるとかうらやましすぎる。主人公がこれからどうしていくのかが楽しみですね。

それでは皆様、また次回のあとがきで会いましょう

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