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第三層(仮)…じゃないのでレベルアップ作戦始動

 ときおり現れるゴブリンをバッタバッタと切り倒しながら第二層(仮)をうろうろとしていると、ついに階段を発見した。


「前方に階段を発見!隊長、どうなさいますか!」

(前進せよ!)

「了解!」


 蒼太隊長の許可を得た俺は早速階段を下った。

 階段を抜けると、そこには巨大な扉がそびえ立っていた。(三回目じゃない)


「ボスか?」

(三層にボスが出るの?)

(いや、実は俺たちは三層に転生していて、ここは五層なんじゃないのか?)

「ふーむ。ま、とりあえず開けてみるか。」

(え、ちょっと、待っ…)

「はい、ばーん!」


 バーンと開いた扉の向こうには……


「ゴガァァァァァァァ!」


 巨大なゴブリンいた。


「あ、これやばいやつ。」

(こっちに……来ないね。)

「見てるだけだな。」

(この扉よりこっち側にいれば襲ってこれないんじゃないのか?)

「…………ファイヤーボールっ!」


 こっちに敵が来れないのなら、と魔法を打ち込むも謎の何かに阻まれ、魔法は届かない。


「やっぱりそんな都合の良いことはないか…」

(触らぬ神に祟りなしだな。)

(低レベル縛りを現実でしたら大変なことになるからね。)

「ならとりあえず撤退だな。」

(その前に鑑定しておいたら?)

「おぉ、そうだな。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ゴブリンキング

Lv.17

討伐難度E+ランク

弱点:左胸内部の魔石

使用魔法:なし


 ゴブリンの群れのリーダー的な存在。ゴブリンの中で唯一複数の妻を迎える。気性は非常に荒く、ゴブリン以外のオスが巣に近づくと体内で生成した骨棍棒で殴りかかる。この個体は「カルドラムの地下迷宮」十五層のボスで、地上に生息する個体の数倍の能力を持つ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「おぉ、強そう。」

(ゴブリンとは比べものにならないっぽいね。)

「ぽいな。」

(ぽいぽい。)

(ぽいぽいぽい。)

「ぽいぽいぽいp……はっ。…俺たちはいったい何を…」

(ぽいp……ぽいの魔力に取り憑かれたっぽい…きっと…ぽいぽい…)

「……んんっ。ところで、「カルドラムの地下迷宮」ってなんだ?」

(鑑定してみたら?)

「え、文字を鑑定してもちゃんと説明出るのか?」

(出るんじゃないか?)

「そうか?なら…鑑定!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カルドラムの地下迷宮


 アルネシア大陸のウルノス帝国北東部にあるダンジョン。

 最深部は三十層で、二十一層から急激に攻略難度が上がる。

 七層下り階段前に分厚い壁があり、その壁が魔法は反射するわ衝撃は吸収するわで突破不可能なため、攻略が放置されている。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「しまった……。謎を解明しようとしたら逆に謎が増えた…。」

(まぁ、どっかの国のダンジョンってことでいいんじゃないか?)

(そだね。)

「とりあえず、目下の目標はレベルアップだな。」

(石橋は叩いて壊してからその残骸の上を渡れ、と言うしな。)

(え、なにそれ野蛮。)


 こちらを恨みがましく(多分)睨むゴブリンキングを華麗にスルーし、俺たちは第二層(仮)…もとい、第十四層へと引き返した。


「さて、諸君。集まってくれてありがとう。さっそく作戦会議を始めよう。」

(どうしたの?いきなり。どうあがいても集まらないのは不可能なんだけど。)

「会議感を出したかった。」

(こんなところでぐだぐだしているくらいならどんどんゴブリンを狩ったほうが効率的じゃないか?)

(それは違うよ!)

「うわっ、びっくりした。」

(びっくりした、と言えるということはそこまでびっくりしていないということだな。)

(話をかき乱さないで?)

(ごめんなさい。)

「真のレベルアップ作戦には念入りな準備が必要なのだよ。雄岐五等兵。」

(五等兵⁈)

(そうだよ。五等兵。このレベリングの魔術師と呼ばれた僕の力を見せてあげるよ。)

「ただの馬鹿な暇人とも言う。」

(お前(都合の)良いやつだな、と言われるタイプの人間だな。)

(え、そういうことだったの⁈横着よこつき君!)

「まさか経験者とは……」

(哀れだな。)

(やめてっ!同情が一番ダメージ大きいから!)

「同情するなら?」

(顔をくれ。)

(やかましいわ!何っ⁈顔をくれって!新しい顔もらっちゃうの?)

(野球選手も裸足で逃げだす投球技術を持つパン職人の助手、バタコさん。)

「毎回全く同じ形、大きさ、焼き加減の巨大なアンパンを確実に作りあげる天才パン職人、ジャムおじさん。この二人がいないと新しい顔はもらえねぇぞ?」

(話がっ…話が進まない……)

「あぁそうそう。それでだな、俺は魔物を効率的に倒すために探知のスキルを上げようと思う。」

(なるほど。探知と鑑定は異世界転生の基本だからな。)

(それもあるけど、探知で前のゴブリンの群れを探して殲滅しようってことでしょ?)

「さすがレベリングの魔術師。ご明察。」

(やめて?自分で言っておいてなんだけどやめて?)

(まぁとにかく、その作戦をパパッと終わらせて、もう一回進化したくらいに奴を倒しに行こう。)

「うむ。では、大幅レベルアップを目的とするゴブリンの群れの殲滅を主軸とした奇襲作戦を開始する!」

(長いな。積土成山作戦にしよう。)

(…どこにつっこめば……)

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