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進化とすごい武器

 気がつくと、俺は真っ白な部屋にいた。転生した時の部屋だ。目の前にはやはりパソコンが置いてあり、画面には"進化特典選択"と書かれている。


「進化特典?マリ○RPGのレベルアップボーナスみたいなもんか?」


 特典には


1.SP100pt.

2.すごい武器一つ


 の二つがある。俺はSPはレベルアップでいっぱいもらえるので、すごい武器をもらうことにした。

 すると…


パララパンパパーン!すごいルーレットぉ!


 なにやら聞いたことのあるBGMと共にすごく巨大なルーレットと巨大な鉄球が現れた。


「ドラ○もん要素こんなとこに⁈…これを投げ入れろ、と?……うわっ、軽っ!」


 鉄球だと思っていた球は案外軽く、軽々と投げ入れることができた。球はあきらかにおかしい速度で転がっていき、またもや聞いたことのある音楽が流れ出した。


タララ♪ なにがでるかな♪ なにがでるかな♪

タラランタンタンタラララン♪


「どこに入ったんだ?くそっ、無駄にでかくてどこまで転がっていったのかわかんねぇ…」


 もっと小さくて良かったんじゃないか?と思いつつ、ぶつくさと文句を垂れながら歩いて探しているとなにやら光っているマスを見つけた。そこにはさっきの球らしきものが光りながら入っており、そのマスに入るためにハシゴがかけられている。光っていたのはマスではなく球のようだ。


「入れってことか?」


 マスに入り、光る球に触れるとステータス画面が目の前に現れた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

アイテムget!


魔法の鉄の剣

・錆びない

・刃こぼれしない

・折れない

・つまり手入れいらず

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ドラ○エとかゲームの剣みたいなもんか?良かった。俺モ○ハン苦手なんだよな…」


 新しく手に入った剣の特徴を確認すると、またもや突如視界が暗転した。





「はっ…。ここは何処?俺は海翔。」

(なに馬鹿なこと言ってんのさ…)

(自己紹介みたいだな。)

「お前ら…。」

(それより痛くなかったの?)

「ん?何がだ?」

(進化だよ。進化。)

(そうだな。生き物に起こってはいけない現象が起きていたな。)

「え。何それ。詳しく。」

(こう…"ぐにゃぁ"って四肢が歪んだ後に"ゴリュゥッ"って音が聞こえてきそうなくらい背骨が…)

「OK。理解。もう喋んな。」

(しかしその様子だと気を失っていたようだな。)

「いや。進化特典を選んでた。」

(進化特典?ステータスが二倍にでもなったの?)

「すごい武器ってのを貰った。」

(ほう、エクスカリバーだとかグングニルだとかそういう系か?)

「いや、傷まない剣。」

(越王勾践剣?)

「なんだ?それ。」

越王勾践剣えつおうこうせんけんっていうのは、中国春秋時代後期の越の王「勾践」が8本保有していた名剣で、二千年以上経過したにも関わらず腐食する様子も無く、鋭さを保っているんだ。)

(なぜそんなことを知っているんだ?)

(中二の時にちょっとね……。それより、進化ってすごいね…)

「ん?すごいって何がだ?」

(何がだ?、って……全てが?)

「は?……うおっ!なにこれすげぇ……」


 蒼太に言われて自分の身体を見てみると、衝撃の事実を目の当たりにした。極細だった身体が良い感じに太くなっているではないか。これなら剣を振り回すことも容易だろう。


「今気付いたんだけどな。お前らが剣とか斧とかだったら俺、装備できねぇわ。主にSTR値不足で。」

(怪我の功名ってやつだね。)

(STR値ってなんだかSUN値みたいだよな。)

「SUN値がピンチなのか?」

(ちょっと?)

(たしかにSTR値はピンチだったな。)

(……そんなことより、あんなところにゴブリンがいるよ?)

「うちの閃光丸の出番だな。」

(え、閃光丸ってなんぞな?)

「すごい剣の名前だ。」

(ちゅんちゅん丸並みにセンスがないな。)

「雷光丸にしようと思ってたんだけどな。蒼太の中二話を聞いて閃光丸に変えたんだ。」

(ナイス!さっきの自分ナイス!)

(試しに使ってみたらどうだ?)

「そうだな。……ふーむ。縦に真っ二つか横に真っ二つのどっちが良いと思う?」

(グロっ⁈)

(もっとまともな選択肢はないのか?)

「ないな。」

(なら仕方ないな。)

(仕方ないんだ……)

「俺的には横だな。」

(俺は縦の方が良いと思う。)

(えぇ……首を真っ二つ、とか?)

「わけわかんないこと言うな。」

(なんでわかんないのっ⁈)

(サンドウィッチ男か?)

(何⁈サンドウィッチ男って!猫娘的な?)

「何それこわい。」

(顔がサンドウィッチでいつもばい菌と戦ってるんだな。)

(とりあえず君は三人謝る人がいるよ?)

(でも、アンパンマンも言ってしまえばアンパン男だからな。)

(まぁ、たしかに猫娘って言いかた変えればキャットガールだからね。なんだか安全そう。)

「いや、そこは猫耳美少女だろ?」

(美少女じゃないから妖怪なんだよ?)

「え?娘なのに男なのか?」

(あぁ、おしい!少女は合ってるけど美しくないって意味だよ。)

「そ、そんな……。妖怪の仕業なんだな?」

(自身妖怪のくせに自分の醜さ妖怪のせいにするなんて世話ないね……)

(ウォッチ。今何時?)

(え、そんなローテンションで言わないで。)

「はっ!俺、もっと簡単に確実にこの剣が本当に傷まないのか確かめる方法を思いついた!」

(え?ほんと?じゃあ先生、お願いします。)

「あぁ。いくぜっ!!」


 俺は閃光丸を鞘から引き抜き、大きく息を吸い込むと、大きく剣を振りかぶり、叫んだ。


「グレェェェェトォ!ザッパァァァァァァッ!!!」

「ギ?…ギゲッ!ギギャァァァァッ!!!……」


 俺の叫びに反応してこちらを向いたはいいものの、射出された剣はゴブリンに向かって豪速で飛んでいき、身体を貫通して壁に激突した。


(しまった!そっちだったか!)

(……?)

(あれ、知らないの?)

(すまん。精進が足りなかったようだ。)

「あぁ、お前スマホ持ってねぇもんな。」

(そっか。まぁこんな時もあるよ。)

(くそ…一人だけネタがわからない状況はキツイ…)

「まぁそれはともかく、剣はどうかしらぁ、っと…」


 閃光丸は壁にぐさっとささっており、抜けそうにないように思えたが、引っ張ってみると案外すらっと抜くことができた。


(おぉ、すごい。これがご都合sy…)

「違うぞ?異世界補正と言いなさい。」

(またの名を魔法的ななにかだな。)

(すごい武器だからなんかすごいってことだね。)

「こんなにすごい武器だったとは…こっちにしてよかったな。」

(他には何があったの?)

「SP100pt.。」

(いらなぁい。)

(いらんな。)

「だろ?」

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