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第二層(仮)

 そこからまたもや数十分。俺たちは何も見つけられずにいた。そうなるとどうもしょうもないことを話してしまう。


「俺さぁ、思うんだけどな?」

(どうしたの?海翔。)

「なんでお前ら、剣とか盾とかじゃねぇの?」

(知らないよっ!)

(そうだな。どうせなら剣に転生したかったな。)

「剣に転生ねぇ。」

(こう、持ち手のところの金具をカチカチ動かして「おいっ、相棒!」て感じで…)

(ちょっと!ダメだよ!名前はたしかに似てるけど、海翔は使い魔じゃないんだから!)

「そうゆう問題じゃねぇだろ…」


 その会話からまたまた数十分。もはや俺たちの間に会話はない。そろそろ休憩しようかと思ったその時、ついに俺たちは階段を発見した。


「おおおお!階段だ!やったぞ!」

(下り階段が見つかるとは……これも運命だな。)

(下ってみようよ。で、やばそうなら帰ろう。)

「よし。いざ!第二層(仮)へ!」

((レッツゴー!))


 階段を抜けると、そこは岩に囲まれた洞窟の中だった。(二回目)


「((だよねー!!))」

(なんか草原的なところとか期待してなかった、って言ったら嘘になるけどそうなんじゃないかという気はしてたよ…)

「だよなぁ。物理法則舐めんなって感じだよなぁ。」

(手の平から炎を飛び出させた人間が何を言う。)

「俺、人間じゃねぇし。」

(そうだったな。)

(ねえ。あっちの方にゴブがわんさかいるよ。)

「え、まじ?どこどこ?」

(海翔の右斜め前の方。)

(おぉ、本当だ。ゴブリンがいっぱいだな。)

「……なぁ、なんでお前ら見えてるんだ?目は?」

(………………なんでだろ?)

(あれじゃないか?こう、魔力でどうたら的な…)

「あぁ、なるほど。」

(異世界補正だね。)


 ゴブリンたちは何やらギーギー喚いており、何をしたいのかわからない。そこで、とりあえず先制攻撃を放つことにした。


「攻撃は最大の防御だよな!」

(先手必勝とも言うな。)

(それなら第一手が肝心だね。ドカーンとすごい威力の全体魔法を叩き込むんだっ!)

「単体の魔法的に考えてファイヤーなんちゃらだよなぁ。うーん………。ファイヤーストームっ、ファイヤーウォール!ファイヤーレーザーっ!…………………イオナズンっ!!!!」

(しかし何も起きなかった。)

(何やってるのさ…)

「いや、この他に何か全体っぽいのあるか?」

(全体魔法は高度な魔法だから詠唱が必要なんじゃないか?)

(中二病っぽい感じのやつだね。)

「なるほど…一理あるな。じゃあさっそく……」


『闇の炎に抱かれt(アウトー!)……』


「どうしたんだ?蒼太。」

(完っ全にアウトだよ?)

「中二病っぽい感じって言っただろ?」

(だからって恋をしたい人みたいな感じでやらなくてよくないっ⁈)

「いや、最後のところを"失せろ"にすればセーフじゃね?」

(アウトだよ?意味全く一緒だよ?ちょっと偉そうになっただけだよ?)

(別のは無いのか?)

「そうだな…なら!」


『我は神を斬獲せし者、我は始原の祖と終を知る者、

其は摂理の円環へと帰還せ(はーい。ターイム、ターイムぅ!)……』


「どうしたんだ?蒼太。」

(丸パクリだよねっ⁈)

「いや、だからここから俺のオリジナル詠唱がだな……」

(前半パクっておいてオリジナルって何さ!)

(本当にお前はロクでなしだな。)

「いやいや。魔術講師になれるくらいには優秀だと思うぜ?」

(ねぇ、わざと?わざとなの?わざとだよね?)

(そろそろ本気でやったらどうだ?)

「仕方ないな…見せてやるよ。俺の本気をっ!」

(本気を、って言っても詠唱が何かわからないんじゃどうしようもなくない?)

「実はさっきからなんとなく思ってたんだけどさ。ただ単にスキルのレベルが足りないんじゃね?」

(えぇ……じゃあゴブリンの群れは放置だね。)

「いや、十秒ほど前に気づかれたから無理だな。」

(へ?)


「「「「「「グギギャァァァァッ!」」」」」」

(数の暴力というやつだな。)

「ふっ、大勢で襲いかかれば倒せるとでも思ったのか?」

(えぇ!相手にするつもり?)

「そのつもりだけど?」

(危ないよ!囲まれたらいくら僕たちが強くても勝てないよ!)

「え?ゴブリンの群れが危ない?じゃあ質問です。アリが象を数十万匹で攻撃したらダメージを与えられますか?」

(ほほう。ゴブリンがアリで自分が象だとおっしゃりますか。)

「圧倒的な力の差。見せたくない?」

(さっきからブルゾンもどきだね。)

(うまく使えなかったからちょっと端折ったんだな。)

「はい、そこ。黙りなさい。」


 ゴブリンたちはこちらを睨みつけ、動かない。さっきの三匹みたいに飛び込んで来てくれれば楽でいいんだが…。と、その時。痺れを切らしたのかゴブリンたちは一斉に飛びかかって来た。その数はゆうに五十を超えるだろう。


「それじゃあ、戦闘開始!」


 それからおよそ十分…いや、もっとかもしれない。ゴブリンの群れはもれなく壊滅し、その場に立っているのはもはや俺だけになった。


「な?いけただろ?」

(意外と、ね。)

(大量のゴブリンを倒したんだ。レベルも上がっているんじゃないか?)

「そうだな、よし。ステータス!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カイト(17)

種族:下等悪魔レッサーデーモン (進化可)

Lv.10/10・1・1

HP:621/1402(1067+92+243)

MP:583/851(784+67+0)


物理攻撃力:671(543+31+97)

物理防御力:659(481+39+131)

魔法攻撃力:613(508+105+0)

魔法防御力:748(568+82+102)

素早さ  :570(479+64+27)


スキル

体術Lv.5⇒6


火魔法Lv.3⇒4

SP(840)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(結構食らったな。ダメージ。)

(あれぇ?ダメージ食らわないんじゃなかったんですかね?)

「誰も俺が象なんて言ってないだろ。」

(レベルが限界まで上がったな。)

(見て見て!進化可って書いてあるよ!)

「おぉ。そこをタップするのか?」


 俺が進化可と書かれているところを押すと、ステータス画面が切り替わった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


進化先選択


1.上級下等悪魔ハイ・レッサーデーモン


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「一択かよ……」

(選択する余地もないな。)

(待って待って。え?なに?上級ハイ下等レッサーなの?意味わかんないんだけど。)

下等悪魔レッサーデーモンより強いんだろ。」

(進化してみたらどうだ?)

「そうだな。」


 俺は進化先の上級下等悪魔ハイ・レッサーデーモンを選択した。その瞬間、視界が暗転した。

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