3/120
プロローグ
『あなたならば、運営など捻じ曲げられます!!』
「でも、どうしたら!!」
ある神聖な空間で、少年と少女は目の前の女性に跪いていた。
『私が貴方にかけられている運営ストッパーを解きます!!』
女性はそう言って、少女の首にかぎのついたネックレスをかけた。
少年は動かない。
女性はそれをみて、二人にゆっくりと頭を下げる。
『あなたたちなら世界を変えられるでしょう……この鍵は、ゼッタイに外さないでくださいね』
「はいっ!」
少女の力いっぱいの返答を聞いて、女性は満足そうにうなずいた。
そして手を天高く上げると、彼女は消え、後ろに置かれている水晶の中へと入っていった。
「冒険者ギルド……何か変えられるのなら、私は行こうではないか」
頼れる少年と離れ離れになった少女にとって、女性の言葉は唯一の希望になった。
――――少女は行く。
――――最弱と言う肩書をものともせず。
――――死んでもいい、私が何かを助けられるのなら、私と言う名が、残るのならば――――
それに応えるかのように、いくつもの幸運と共に、少女は――――――――。
この世界に、名を刻む。