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しるし2(詩集)

白いポピー

作者: さゆみ


Twitterの診断メーカーより

さゆみへのお題は

『永遠の眠りへの誘い』です。

#君と星屑、心の音

http://t.co/ngP88Dy5sK

ソムアヌに白いポピーを貰いましょう。

きっと安らかな眠りに誘われるでしょう。


すてきだわ。


静かに目を閉じて……

そうしてデメテルはゆっくりと……堕ちていったのかしら。





僕はどんなに辛くても一度だって死にたいとは思わなかった。それは、子供の頃からばあちゃんに自殺したら今よりもっと苦しい目にあうんだよと言われ続けてきたからなんだと思う。僕にとってばあちゃんは絶対だった。どんなに奴等に虐げられても、今に見ていろ! きっと大物になってやる。見返してやる。そう自分に言い聞かせて耐えてきたわけさ。


だけど一向に大物にはならなかった。もう、なれないと気付き始めていたころ、ばあちゃんは死んだ。僕は呪縛から解き放たれた気がした。そして分かった。僕の潜在意識の中には、いつも死にたいが蔓延っていたんだ。それを否定するたびに無意識に僕は罪を犯していったように思う。

そう、数々の過ちを無意識に……


そんな僕にとうとう永遠の眠りへの誘いが届いた。死刑が執行されるのだ。


ほくそ笑んでる。この日をどれだけ待ち望んでいたか。心から嬉しいと思った。

自ら手を染めず、死なせて戴けるのだ。これ以上の喜びはない。

ああ、僕の中では死は終わりではないんだよ。

これからすべてが始まるのだ。

そしてばあちゃんの言っていたように大音量の苦しみが絶えず襲ってくるのだと思うと楽しみでもある。それに耐えうるように、現世とは、訓練を受ける場に過ぎないのだ。本番は死の向こう側にある。





ソムアヌがデメテルに与えた白いポピーは豊穣を願うため。ひとときの休息の贈り物。


永遠の眠りへの誘いは訓練を終えたモノにしかやってこない。











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― 新着の感想 ―
[一言] おお、かっこいー! なんか読んでいてうっとりしました。 死刑が執行されたあとは悪霊となって世界を滅ぼすつもりかな (>ω<*) デスメタルな音楽が聞こえてきそうです。
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