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Gloroa Sacrificii 番外編 「眼」

 あらゆる人間を見ていた。

 1万を超えたくらいで数えるのをやめたが。


 生まれてから死ぬまでを悪に生きたもの。

 生まれてから死ぬまでを善に生きたもの。

 生まれてから死ぬまでを平凡に生きたもの。


 千差万別とはこのとおりだ。

 人生を覗くたびに違う景色を見せてくる。


 楽しかったなぁ。

 愉しかったなぁ。


 悪に生き、復讐に死に。

 善に生き、骨の髄まで利用され。

 平凡に生き、何もなさずにただ死ぬ。


 まったく人間は命の散り際まで楽しませてくれる。


 僕の力を使おうとするものもいた。

 これが一番おもしろい。

 欲に生き、欲に溺れ、他力本願で理想を成そうとする。

 そいつらが欲を満たした瞬間に対価をもらうと、それはもう素晴らしい顔をする。

 幸せの絶頂から絶望の奥底に沈み、泣きじゃくり、命乞い、諦める。


 まるで数瞬に一生を見たような感覚に陶酔し、興奮してしまう。

 最近は特に面白かった。


 愛に生き、愛のため死んだ女。

 友に生き、友のために死んだ男。

 掟に生き、すべて成せずに死んだ女。

 仇に生き、不死の化物へ身を窶した女。

 欲に生き、守るために死んだ男。

 世に生き、世のために死んだ男。

 使命に生き、その直前で死んだ化物。


 全て等しく死ぬ。

 全て等しく生き。

 全て違う生き様を見せる。


 感動?

 同情?


 何だそれ。

 僕の口角は上がったまま下がった試しがない。

 


 はてさて、僕が悪魔と呼ばれたのはいつからだっただろうか。


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