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Gloroa Sacrificii 番外編 「愛」

 愛している。

 

 そんな言葉は今やうわべだけと思うだろうか。

 その言葉を聞いたとき、何を思い、誰を想うだろうか


 たった一言である。文字数で言えば「ありがとう」と変わらない。

 なぜこの一言にそれほどの思いが込められているのか。

 人それぞれと言ってしまえばその通りだ。

 うわべの、羽のように軽い言葉であり、何よりも強い重い言葉でもある。

 少女にとって愛とは、命よりも遥かに重く、ともすれば他人の命さえ軽くなる。


 華やかで、尊く、煌めきに満ち溢れ、淡い愛。

 執念であり、ドス黒く、狂気に満ち溢れ、重い愛。


 愛とは表裏一体の言葉である。

 少女にとって愛とは、前者であったのだろう。


 かつては。


 死別とは時に酷く感情を揺さぶるものだ。

 他人であれ人は同情し悲しむだろう。

 それがもし自分なら?

 最も大切にしていた、大切な人が死んだら?

 至極当たり前だ。価値観とは残酷にも簡単に変わる。

 いくら強い意志を持って価値観を変えず生きようなど言ってもそれはありえない。


 少女はその価値観が永久不変であると信じ切っていた。

 皮肉なものだ。


 もっとも多くを信じ、もっとも信ずる心に支えられた少女が支えを失う。

 当然壊れた。


 少女の未来は約束されていたのだ。

 たとえ少女の信じる未来が途絶えても。

 傀儡となって立ち続けた。


 いつしか少女は気がついた。

 死とは救いであると。


 愛の行く先がなくなったのであれば、後を追えばいいのだと。

 眼の前にある鈍い鉄に反射した月がやけに綺麗に見えた。


 次第に近づく反射光。

 不思議と不安はない。

 この愛を諦めることなく追うことができるのなら。

 

 月の光を反射する美しい一筋の剣が穢される。

 少女の想いは続く。


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