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Gloroa Sacrificii 番外編 「友情」

 友。

 という言葉を聞き、持つ感情はおおよそ一つであろう。

 

 志を共にする仲間。

 具体的な言葉としてわからなくとも、こう言われればまあその通りだろう。


 友のため、果ては親友のため。

 そんな言葉は情熱に満ち溢れ、暑苦しい。


 そんな暑苦しい男は今、絶望の奥底にあった。

 自慢の拳をいとも容易く受け止められ。

 友を守ると誓った足は引きちぎられ。


 ゆらゆらと自由に揺れる自分の体の動きを感じながら、どこで失敗したのかと後悔する。

 抵抗しようにも力が湧かない。

 

 刻一刻と近づく死に。

 痛みと裏腹にどこか苦しさが引いて楽になっていく体に。

 

 不思議と恐怖はなく、ただただ心配が残る。


 友が立てるまで時間は稼げただろうか。

 眼の前の化け物の気は反らせただろうか。


 いつまでも暑苦しく友を想い、いつまでも心優しい男の生涯に間違いはなかったのか。

 きっと本人は後悔はないなんてぬかすだろう。


 男の死が友に、他人にどのような影響を及ぼすか考えもしない、途方もない馬鹿が。

 結果として男の死により、友は大義を成し遂げた。


 それは幸せだったのだろうか。

 誰にもわかりはしない。


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