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Gloroa Sacrificii 番外編 「If」

 運命を操る能力は、実際どれほどの影響を及ぼすのか。


 使命を背負い旅を続ける少年は、度々その能力を用いて望む未来を手にしていた。


 代償はもちろん大きく、制限ももちろん多い。

 

 来世は存在しなくなる。

 絶対普遍のものは変えられない。

 過ぎたことは変えられない。


 考えてみれば至極真っ当なルールだ。

 少年もそれは知っていた。


 

 両親は死んだ。


 少年が能力を知覚する数瞬前のことである。


 少年は絶望した。


 この能力がなんでもない自分に与えられたことに。

 眼の前で死んだ両親を救えないことに。

 

 少年は恨んだ。


 両親の死によって芽生えたこの能力を。

 全能の能力で無いことを。


 少年は決意した。


 救えなかったものを救いたいと。

 

 その心が復讐に染まったことに少年は気がついていない。

 少年の想いは、無念の死を遂げた両親に報いようと動いていた。

 そう、心を取り繕っていた。


 少年の能力は多くを救った。

 一人も死なせずに復讐を果たした。


 簡単なことだ。

 神に並ぶ能力を得ているのだ。


 しかし自分の運命は操れない。

 自分の運命は見れない。

 このことを少年は知らなかった。


 なんと悲しいことか。

 少年は国に殺された。


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