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パンプキンとカカオ  作者: Han Lu
第八章 後悔ばかりの繰り返しだったからね
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後悔ばかりの繰り返しだったからね その7

 次の日の昼ごろ、サキが戻ってきた。彼女が連れてきた人物を見て、僕は安堵の溜息をついて駆け寄った。

「バーニィ!」

 バーニィは馬を降りると、僕の頭に手を置いて髪の毛をくしゃくしゃにした。馬をもう一頭連れている。

「無事でよかった」

「バーニィも」

「ファージの効果は――体は元に戻っているんだな」

「うん。今のところは」

 僕は午前中にシルからTB化についての講義を受けていた。相変わらずちんぷんかんぷんだったけど、ファージという物質が遺伝子を改変させるらしいことは分かった。

「みんなは?」

「無事だ。あれからビルの屋敷を脱出してデッドウッドに戻った。もちろん、ドクも連れて」

 バーニィが僕の肩に手を置いた。

「本当はエルム・クリークまで連れて帰りたかったんだが。デッドウッドの墓地に埋葬した」

「ありがとう、バーニィ」

 僕を見るバーニィの顔が険しい。

「どうしたの。僕なら大丈夫だよ」

「いや、実は――」

 バーニィはサキと顔を見合わせた。ふたりとも渋い顔をしている。

「お嬢ちゃんがファントムに攻撃を仕掛けるつもりだ。MAに乗ってひとりで出て行った」

「そんな。無茶だよ」

 サキが口を開いた。

「私たちはヨミを説得に行く。君は私の家にいなさい」

「僕も行きます」

「だめよ。君を連れまわすのはまだリスクが大きい。バーニィと話し合った結果よ。それに体もまだ――」

「行きます。だめだといわれても、僕はひとりでも行くよ、バーニィ」

 サキは溜息をついてバーニィを見た。

 バーニィは苦笑を浮かべて僕にいった。

「わかった。一緒に行こう、レン」

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