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パンプキンとカカオ  作者: Han Lu
第六章 奴らのやり方が正しいとは思えねぇ
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奴らのやり方が正しいとは思えねぇ その10

 ヨミがMAの腕をアデーレの頭上めがけて振り下ろした。バキッとアデーレの足元の床に亀裂が走る。

 なんと片手でMAの腕を受け止めている。でも、さすがにかなりの衝撃だったようだ。苦痛に顔が歪んでいる。もう一本のMAの腕は床にめり込んで動かない。

 舞台の上の動きが一瞬止まった。

 やはり『先祖返り』がふたりでは、戦力に差がありすぎるのか。

「あんたなら分かってくれると思ったのに」

 アヒムが腰のベルトから大降りのナイフを取り出して構えた。

「くそっ」

 バーニィとキャットが銃に弾を装填している。

 アデーレの赤い舌が唇を舐めた。

 装填し終えたバーニィとキャットが銃を構えた瞬間、轟音と共にアヒムの体がうしろに吹き飛んだ。舞台の壁に体をぶつけると、そのままずるずると座り込む。左胸に銃弾が叩き込まれている。

 客席の最後尾、椅子の背に銃身を乗せたライフルを抱えて、フランチェスカが尻餅をついていた。銃口から煙がたなびいている。見たこともない大型の銃だ。男でもひとりでは持てないだろう。

「対ファントム用ライフル。なんとか間に合ったな」

 バーニィが息をつく。

 フランチェスカは巨大なライフルを構えなおし、ボルトハンドルを引いて排莢すると、次弾を装填して狙いをアデーレに向けた。

 息絶えている弟を呆然と見ていたアデーレを、MAの腕が掴んだ。不意を突かれて、アデーレは身動きが取れない。

 MAの風防が開き、ヨミが飛び出す。一気にMAの腕の上を走り抜け、アデーレの額に手を伸ばした。

「仲間の仇だ。幕を降ろしてやる」

 アデーレが激しく体を震わせる。ビシッという音と共にMAの腕からボルトが弾け飛んだ。

 しばらくもがいていたアデーレは、やがてぐったりとうなだれて動かなくなった。

「終わったな」

 バーニィが僕の肩をぽん、と叩いた。

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