本当にあったかもしれないこわいはなし
夏といえばクーラー!心霊!その2つ以外ないだろ!友達の海斗と夏といえばという話題で盛り上がっていた。
「クーラーいるか?」
「要るだろ!」
「じゃ土曜日肝試しに行く?」
土曜なら必ず空いているので行く事にした
「行くか」
実はこの町にある湖に戦争の時に放置された死体が今でも霊として出るという噂がある。
当日の夜
湖の近くで集合して湖へと向かう、そのとき…
いきなり寒気が襲ってきた。
「なんだ?」
海斗も寒気を感じたらしい
「なんか寒気がした」
そして奥へ行くほどうなり声のような物が大きい音になってきた気がする
「気のせいだよな」
そう言い聞かせた。
「でも二人共聞こえ「うるせ」
わかろうとしなかった現実を押し付けられ、
あれほど乗り気だった、肝試しも急に嫌になってきた。
「おい海斗、夏といえばやっぱ女とかだよな、帰ろうぜ」
後ろからなにかの気配がして、帰る気になれない。
「けど、来てしまったからには行くしかないよね?」
しかし海斗がそう言った。奥に行けば、やばいことを分かっているはずなのになぜ、行こうとするのだろう。
なぜだろうか僕達を照らす街灯で影があるが、すごく長くなった気がした。
右を見ると森のようになっていて、とても恐怖を感じる。
そして歩いてるうちに、うなり声のようなものが無くなっていくように感じた。
「なんか寒気もなくなったんじゃない?」
「いや、違うよ。」
「どういうこと?」
「ここは、湖なんかじゃない、死体で埋もれた、ただの谷だよ」
何言っているのか分からない、海斗の足がまるで重くなったように遅くなっていく。
気づいたら海斗の足が止まって動かなくなっていた。
僕は止まろうとしたが、僕の足は止まろうとしない。
歩き続けていると、自分が誰だかも分からなくなってきた。
「僕は誰なんだ?」
僕はそう呟く、まず僕に名前なんてあったか?…
誰も僕の名前を口にしてくれない、そうだ怖いんだ、自分の名前がないこと、誰も僕の名前を呼んでくれないこと、海斗ってなんだ?僕の作った空想。
そう、あなたの物は何も無いの。だからこっちに来なさい。
そう言われた瞬間全てを思い出した、僕はここで死んだんだ。
「そうよ、ちょうど100年前」
「君は誰なの?」
「海斗は私」
「ここはあなたの考えた世界どこにもあなたのものは無いの。」
この湖は僕が首を切って自殺した場所だった。
最後まで読んでくださりありがとうございました!恋愛小説だけではなくホラー小説も書きます姫優ひなです!ところでこの作品の舞台は湖となっておりますが、この湖の設定としては江戸時代から古くの歴史を持ち、農業用の水などに使われていましたが、その裏面は街の自殺スポットとして今まで受け継がれていた、という設定です。そして戦争亡くなった人達の死骸が湖に沈んでいる事から”谷”と呼ばれるようになりました。主人公がそこで 首を切ったのは今から百年前、つまり大正時代に死んだということになります。そして海斗と言う人物は主人公の母親です。主人公は母親の記憶など全てを無くし、母と似た性格の海斗を作りだします。いきなり海斗の足が動かなくなったというのは、主人公より先に母親が亡くなったことを表しています。最後に主人公が母親に会えたのはハッピーエンドと言えるかどうか…
とても長くなりましたが、最後まで読んでくれた方はありがとうございました。
そしてぜひぜひ僕と彼女の立場が違う恋愛劇も読んでってください!(宣伝)