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男の子に生まれてきたかった

作者: 夜朝

男の子に生まれてきたかったな

そうしたら君と

きっともっと

たくさん話ができたのに

今でも一緒にいられたのに


君の思いつめた顔

一瞬だけ覗いて

すぐに消えてった

弱みは見せたくないんだって

笑顔の下の強がり分かるのに

聞かせてはくれない


彼はバンッて

君の背中叩いて

首に腕を回すと

ずるずる引きずっていっちゃった

また話をするんだろうな

男同士の内緒の話


君の中の曇り空

晴らす風を彼が吹かせる

私は地上から

それを見上げて

お日様のような笑顔を

ただ待っていただけ


その風は

どこかに売ってますか

ないものねだりの手のひら

空にひらり

届かない

君たちの国に


男の子に生まれてきたかったな

そうしたら君と

きっともっと

たくさん話ができたのに

今でも一緒にいられたのに


ずっとからっぽの手のひら

空にひらり


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