表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

恋の始まり?




そして学校が始まって数日。



「ん」


「はい?」



とある日の放課後、帰ろうと準備をしていた私の目の前に現れた男に、いきなりアドレスを渡された。


アドレスとはこれいかに。今ならLI○EのIDとかでいいのでは。…っていうか!



「私に?」


「そう」



私に春が訪れてしまった。誰だろうかこの人。同じクラスじゃないのはわかるけど。



「あの…」


「友達になってよ」



にっこりと微笑む素敵なイケメン。しかし話を遮られたことには真顔になる私。



「なんで私に?」



接点なんてないと思うんですが。



「気になったから」



ニコニコと笑い続ける彼。どこかで見覚えが…。



「沙百合 帰るよ!」


「え!?」



後ろから声がしたと思ったら、急に亜美に腕を引かれ何故か走ることに。



「ちょっと、亜美?!」



混乱する私を尻目に、腕を掴んだまま走る亜美。



「あの人やばい人だよ!隣のクラスの、危ないって噂の蒼井!」



やばい、危ない。…うん、何かとても危なそう。へぇ…そんな人がいたんだ。確かに茶髪で不良って感じだけど。…というか、この方向って…。



「亜美、何で靴箱行かないの!」



亜美は靴箱とは反対方向に向かっていた。遠回りするつもりかな?



「今は逃げようと思って!とりあえず教室から離れてるの!」



嗚呼、なるほど。


と、教室から一番遠い校舎端の階段を降りていくと、



「やっほ」



にっこり笑顔の不良の2人が待ち構えていた。あれ、この2人…前にキャンプで会った人達…1人は確か、ケイタ。



「うわっ、卑怯じゃない!蒼井!」



亜美が怒ったように叫ぶ。


ん?アオイ?



「え、亜美。アオイって…さっき私に話しかけてきた人だよね?」


「え?」


「あの人と違う人でしょ?」



だってアオイって人は、長すぎる髪を束ねてて…でも茶髪で…見たことある笑顔で…。あれ?



「ケイタ?」



亜美が『アオイ』と呼んだ人を良く見てみる。あ、うん、あの時のケイタだ。



「髪束ねただけで気づかないとか馬鹿かよ。つか、同じ学校なのに…」



どこが苦笑いで馬鹿にしたように笑うケイタ。どうしていいかわからないといった様子の男友達。困惑する亜美。そして、真顔の私。


これが、素敵な恋の物語の始まり………にはなりませんでした。



「おい」




Fin.



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ