初依頼 シビレ草採集のため、イケジリン村へⅢ
あらすじ的なものを入れるのはまだ先かもしれない。
*前半 ティリア視点
*後半 光輝視点
「ファイアボール」
はあはあ…幾ら魔法を打っても切りがないわ…
私は今、魔獣達と奮闘中である。
一応、5匹のオークは気持ち悪かったので帰らぬ魔獣になってもらった。
「ウォーターボール」
「グルルルルル」
私の放った魔法は、軽々と打ち消されてしまった。
私の放った魔法を打ち消したのは、今、グルルルルルの唸り声をあげているウルフだった。
ウルフは私を食べようと猛スピードで走って跳んでくる。
「せいっ」
私は木の棒でウルフの顔面を叩いた。ウルフは白目を向いて倒れて火事によって焼け死んだ。
炎の勢いは益々増していき、ついには湖の近く以外は火の海と化した。
至る所で領主軍と魔獣の戦闘があり、両者ともに一歩も譲らない。領主軍のいるところには、火の粉はなく、全て消し止められている。
そこに住民の人が40名ほど避難していた。
中には老人や、幼児もいて、小さい子はないていて、親はそれをあやしている。
一刻も早くこの事態を終結に迎えたいが、一行にそれが進まない。
もしかしたら、領主軍は撤退してしまうんじゃないか?
私はふと、そう思ってしまう。
領主軍が撤退したら本当にこの村は壊滅だ。きっと地図からこの村の存在ごと消されてしまうだろう。
そんなことのないよう、頑張っている。だけど、一行に魔獣は減らない。それどころか、ますます魔獣は増えていく。
一体、何があったんだろう?
魔獣の襲来など数十年に一度ぐらいだ。
小規模な襲来は年に数回はあるが、これは5万ほどの軍勢として存在していると思う。
前に、光輝がつぶやいていたことだけど3ヶ月後に大襲来が起こる…としか言っていなかった。もしかしたら、光輝の言っていた、予言とはこれかもしれない。
どうして私は一人で来たんだろう…
光輝といれば少し、状況はマシだったかもしれないというのに…
「助けてくれ〜」
そのような声が村の入り口の方から聞こえた。けど、人の姿は見られない。
私は魔獣が人の最後に口にした言葉を叫んだりするということを聞いたことがある。
もしかしたらそれかもしれない。
声は徐々にこちらに近づいてくる。
そして、間も無く私のいるところへ到達してしまった。
そして、私の見たものとはーー
ーーオークの亜種だった。
オークの亜種は私を見てニヤリと笑みを浮かべる。
「助けてくれ〜」
「そんな手は聞くか!!フレイアボール」
私はオークの亜種に私のできる最大限の魔法を放つ。が、片手で薙ぎ払われてしまった。
オークの亜種は後ろにいるゴブリンを私の方に差し向ける。
ゴブリンはそのゲスな笑みを浮かべ、魔力も切れて何もできない私に近づいてくる。
そんな時、私の目の前に突風のような風が吹いた。風はゴブリンを枯葉のように吹き飛ばす。オークの亜種は辛うじて助かっているみたいだ。
私は、その突風が吹いてきた扉の方を見る。そこにいたのはーー
「大丈夫か?ティリア」
ーー光輝だった。
光輝はオークの亜種をタコ殴りして圧倒的な力を見せつけ、立場が逆転した。
オークの亜種はまた、「助けてくれ〜」と言うためにか口を開けた。
『人間、ドウシテワタシノ邪魔ヲスル?』
これを聞いて、オークなんかが話すことができること初めて知った。いや、亜種だからこそできることなのかもしれない。
「邪魔?人間に領域に侵入してきたのはお前ら魔獣だろうが?侵入を防ぐのも普通のことだろ?」
俺はオークの亜種に当たり前のようにそういった。
ティリアは俺が一つ怯えずにオークの亜種と対等に挑んでいることに驚きながらも周りに警戒している。
『ココガ人間ノスミカダトイウノカ?ココハ、ワレラノ領域ダ。ワレラハ、邪竜様ノ命デオマエラを排除スルタメニヤッテキタノダ』
「お前、さっき邪竜って言ったよな?」
俺はオークの亜種に睨みつけながらそう聞き返した。
オークの亜種はどうやら、邪竜の配下だそうだ。だが、オークの亜種と言っても戦闘能力的に考えて序列は低いだろう。
『ソレガドウシタトイウノダ?』
「いやな、俺は少し特別なんだよ。じゃあ、もし生きて帰れたら伝えておけ…この紋章を額に刻んでいる男が相手をすると!!」
俺の額にはなぜか、転生した時から紋章がある。
その紋章は神と龍が書いており、それに刀で罰マークを記せれ、まるで神殺しの称号というかそのようなものなのだ。
オークは俺の額にある紋章をじーっと見て見終わったらすぐに俺の次の行動を伺っている。
『ソロソロワタシノブカガセイアツヲ終エタアトダロウ…アソビハオワリダ』
オークは窓の方を向きそう言って俺に鋭利な爪で斬りつけてきた。
「ファイアーウォール!」
俺はそれをよけ、俺の頭上にでかい炎の玉を作った。
それを、勢い良くオークにぶつけようとしたその時、
「っー!!誰だ!!」
俺に向かって槍が飛んで来た。
「昨日はよくもやってくれたな?」
俺はそいつの顔を見て思い出した。あのプラチナランクに止められたナンパズ五人組だった。
ナンパズは鎌や刀、杖や鎖、槍を持っていて明らか戦闘態勢だ。
「今、俺は忙しいんだ。仕返すのは後にしてくれ」
俺がそう言うと、ナンパズのハゲの奴は縛られているティリアを俺に見せつけた。
「そうだな。お前がそいつと戦っている間は俺らはこいつでたのしませてもらおうか?」
俺はそれを聞いて歯ぎしりをする。
後ろにはオークの亜種。
前方にはティリアを人質にとったナンパズ五人組。
この状況はティリアを無傷で救うという点を除いたとしたら楽勝だが、今回というかそれはまず出来ない。
「くそっ…おい、性欲に塗れた豚!!」
性欲に塗れた豚とはオークの亜種のことだ。
俺はこいつをオークの女王と判断した。オーク、ゴブリンは性欲のことしか頭に無い魔獣みたいなものだ。
俺はそのオークを呼んだが、もう姿がなかったと思ったらナンパズ五人組と戯れていた。
『人間、ソノコムスメヨリワタシノホウガイイダロウ?』
はっきり言ってこの台詞はキモッって思ったが、俺はこれをチャンスとしてティリアを救出した。
その後、この建物から脱出した。
その時、目に映ったのはギルドの応援軍と騎士団。そして、領主軍と戦っているおよそ5万の魔獣の軍勢だ。
「こっちの方が押されているか…」
俺は次々に俺のいる方に吹き飛んでくる人を他人事のように見てそうつぶやく。
俺がしばらく見ていると、砂塵の中にある影を確認した。
目を凝らして見てみると、闇龍という邪竜の次に闇属性の属性龍で強い龍だった。
闇龍はカオスブレスを吐き出して次々に人々を殺して行く。
「ティリア」
「光輝」
「この石を展開しながら、街に戻れ」
俺はそれだけ言って闇龍のもとに歩み寄った。
「そこの君、危ないから下がっときなさい」
俺はそう言われたが、無視する。
確かに3ヶ月後の情報を提供してくれたリュンには感謝するけど、こういうものが当たり前だ。
俺はそれを理解しながら魔獣を無言で殴り飛ばして行く。
そして、闇龍の目の前に立った。
「【闘気】発動」
俺は一言そう言って闇龍を殴ろうと拳を握りしめた。
書いている途中、投稿されていたみたいです。
次回、闇龍対光輝
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