クララとキャンディソード
雪はまるで天が沈黙で町を包もうとしているかのように降り注いでいた。丘の上では、ドロッセルマイヤー邸が温かな光に包まれ、ピアノの音色と甘い香りが窓から子どもの頃のため息のようにこぼれていた。すべてが完璧だった…クララの心を除いては。
15歳のクララ・ドロッセルマイヤーは、自室の窓から雪を見つめていた。顔をガラスにぴったりとつけ、深紅のビロードの長いドレスをまとい、金の刺繍が施されていた。暗い髪には赤いリボンが飾られていた。クリスマスは彼女の一番好きな夜だったが、その年は心に重くのしかかるものがあった。空虚な感覚…まだ存在を知らぬ何かを待っているような。
「まだ起きているのかい、小さな夢見がちさん」
馴染みのある声が言った。彼女の名付け親であり、風変わりで謎めいたドロッセルマイヤー氏が、銀色の包装紙に包まれた箱を手に現れた。彼はいつも高い帽子、黒いマント、そして夜であっても暗い眼鏡をかけていた。
「これはなに?」クララは両手でその箱を受け取った。
「とても、とても古い贈り物だ。だが、それが目覚めるのは…君がそれにふさわしい時だけだよ」
クララが箱を開けると、息をのんだ。中には青いビロードに包まれ、美しく彫刻されたくるみ割り人形が横たわっていた。濃い青の上着には金のボタンが飾られ、小さな赤いマントが風に揺れるようになびいていた。青いガラスの目…あまりにも現実的だった。
「美しい…」クララはささやいた。
「そして、物語がある。ただし、それは君自身が見つけるのだよ」
ドロッセルマイヤーは彼女の額にキスをして去った。「おやすみ、クララ。忘れられた王国の夢を」
その夜、クララはくるみ割り人形を棚に置いたが、安らかに眠ることはなかった。その目が彼女を不安にさせたのだ。まるで、必要以上に見透かしているように。
真夜中、ランプがちらついた。きしむ音。ささやき。クララが目を開けると――
くるみ割り人形が、元の場所にいなかった。
「クララ」
低く、穏やかな男の声がした。彼女は体を起こし、そして見た。そこには人形ではなく、人間がいた。あの同じ青い上着と赤いマントを着た、背が高く、たくましい青年だった。栗色の髪が肩にかかり、そして――青いその目は、彼だった。
「あなたは…?」
「アレクサンドル」彼は軽くお辞儀をした。「私はくるみ割り人形。そして、君をずっと待っていた」
クララは後ずさった。
「これは夢よ。夢でしかない」
「夢であればよかった」彼は陰のある声で言った。「お菓子の国は滅びた。ネズミの王が混沌の杖を手にし、その影がこの世界にまで及び始めた」
「それが…私に何の関係が?」
「君はお菓子の国の王女の継承者。君だけが聖なる剣を手にし、光を取り戻すことができる。君なしでは…すべてが終わる」
「でも…私、戦えないわ」
「知っている。だから、君を鍛えねばならない。だがその前に…剣を見つけなければ」
夜を裂くような咆哮が響いた。クララは窓辺に駆け寄った。巨大な、ネズミに似た赤い目の異形の怪物たちが家の壁を這い上がっていた。
「クラァァァラァ…」
空から声が響いた。「くるみ割り人形を渡せ…さもなくば、この世界を焼き尽くす」
それはネズミの王だった。歪んだ冠、黒い鎧、生きた影を吐き出す杖を持つ巨人。彼の通ったあとに、雪は溶けていた。
クララは震えた。
「どうすれば…?」
アレクサンドルが手を差し伸べた。
「私と来るのだ。今夜…君の運命が始まる」
彼女は彼を見つめた。手が震えていた。心臓が恐怖に打ち震えていた。だが、一歩を踏み出した。そして――彼と共に闇へと跳び込んだ。
クララはどうやってそこへ来たのかわからなかった。気づいたときには、世界が壊れた鏡のように折り重なっていた。空は黒砂糖のような色に変わり、風は焦げたキャラメルと危険の匂いがした。
二人はひび割れたガラスの道を歩いていた。紫の雲の間に吊り下げられたその道の両脇には、氷でできた像が虚ろな目で彼らを見ていた。それは、忘れ去られた記憶のようだった。
アレクサンドルは無言だった。ただ、クララの手をしっかりと握っていた。
「ここは…どこ?」クララがささやいた。
「世界と世界の狭間。クリスマスか、戦争の時にしか越えられぬ境界だ」アレクサンドルが答えた。
やがて、彼方に巨大なバラ色の金の扉が見えた。くすんだ色の宝石や飴で飾られていた。ミントの柱がその扉を守っていた。アレクサンドルが触れると、扉は嘆きのような音を立てて開いた。
その向こうにあったのは、クララが夢見たお菓子の国ではなかった。
そこは壊れた国だった。
ジンジャーブレッドの家々は崩れ、チョコレートの噴水は凍りつき、綿菓子の木々はしおれていた。
子どもの姿はなく、音楽もなかった。
そこにあったのは、甘くも悲しい廃墟と灰色の空だけだった。
「ここは…かつて楽園だった」
アレクサンドルがつぶやいた。「遥か昔、王女ドゥルシネアがこの国を賢く治めていた。聖なる剣は彼女を選び、混沌の獣たちを封じた。…だが、ネズミの王が現れた」
「彼女はどうなったの?」
アレクサンドルは立ち止まり、その表情を険しくした。
「死んだ。剣を守るために。彼女は一人で倒れた…私が、彼女の護衛だったのに。私は敗れ、呪われて…木の人形にされた。守れなかった」
クララは彼を見つめた。初めて、彼を戦士ではなく、すべてを失ったひとりの人として見た。そして気づいた。
彼が守りたいのは王国だけではなく、自らの贖罪だったのだと。
「それで…剣は今どこにあるの?」
「王国の中心、クリスタルの神殿に。しかし、あの剣は欲望では引き抜けない。目覚めさせられるのは――純粋な心を持ち、力を望まぬ者だけ」
「つまり…私」
クララは唇をかみしめた。
「でも、私じゃ…無理かもしれない」
アレクサンドルは彼女を見つめた。
「ならば我々は滅びる。全てが」
風が遠吠えのように鳴いた。その言葉を裏付けるように。
すると、腐った飴細工のような黒い菓子の獣たちが影から現れた。甘い爪を持つ、歪んだシュガーモンスターたちだった。
「伏せろ!」
アレクサンドルが錆びた剣を抜いた。
だがクララは逃げなかった。地面から折れたキャンディケインを拾い、ぎこちなくも迷わず構えた。獣が襲いかかる――
クララは目を閉じ、全力で振り下ろした。
鈍い音。
キャンディが砕け、獣は絶叫しながら粉々に。
アレクサンドルは驚きの眼差しで見た。
「技術はないが…勇気はある」
「あなた、教えてくれるって言ったわよね」
「もちろんだ」彼は初めて微笑んだ。
二人は廃墟の街を歩いた。氷の彫像があちこちにあった。捕らわれた妖精たち、壊れたスイーツの上で眠る子どもたち、石化した砂糖の兵士たち。
戦争は、見えない火のように国を焼き尽くしていた。
丘の上、クリスタルの神殿が廃墟の中で輝いていた。
だが、そこに彼らを待つ者がいた。
黒糖の衣をまとい、砕けたクリスタルの冠をかぶった痩せた男。
その顔は仮面のように長く、白く、鋭い歯がねじれた笑みにのぞいていた。
「これが継承者か」
ネズミの王の使者――〈ネズミの使者〉が言った。
「期待外れだな」
クララは後ずさった。
「聞くな」アレクサンドルが囁いた。「奴は王の舌だ」
「お前の死は定められている、くるみ割り人形。
そしてお前、小娘――王の新しい玩具になるのだ。前の姫のようにな」
だがクララは、まっすぐ彼を見つめた。
「たとえ失敗するとしても――あなたに私を忘れさせたりはしない」
そう言って、彼らは神殿へと入った。
その一歩一歩が、聖なる剣と――不可能な戦争へと近づいていくことを知りながら。
クリスタルの神殿は、よくある“聖なる場所”ではなかった。そこは、まるでお菓子の国の心に刻まれた凍った傷跡のようだった。
砕けた飴の塔、風に歌う壊れたステンドグラス、そして過去の残響のような深い沈黙――
クララはその敷居をまたぎ、ガラスの床にブーツの音を響かせた。
中央にはミントの柱に囲まれた祭壇。
だがその上には――何もなかった。
「剣は…?」クララは辺りを見渡した。
アレクサンドルが祭壇へ歩み寄り、その上に手を置いた。
「ドルセスの剣は、欲望には応えない。道具ではない。これは“審判”なのだ。私が決めるのでも、この神殿が決めるのでもない。彼女自身が決める」
その瞬間、床が震えた。
神殿の壁が歪み、クララの目の前で世界が変わった。
――そこは、もはや神殿ではなかった。
一面の氷の荒野。彼女はひとりだった。
周囲には声が響いていた。
「お前は足りない」
「お前にはできない」
「弱い少女が、誰かを救えるはずがない」
クララは膝をついた。
冷気が彼女を包み、ドレスは裂け、肌は凍えていた。
目の前に、もうひとりのクララが現れた――
空っぽの目と冷笑を浮かべた、自分自身の影。
「お前は間違いだ。重荷だ。誰もお前を信じていない。自分でさえも」
「やめて!」クララは叫んだが、その声は吹雪に飲まれた。
その時――
遠くに小さな光が見えた。
ろうそくの炎のような、かすかな希望の灯り。
「クララ…」
それは人間の声ではなかったが、決して他人の声でもなかった。
「なぜ…戦うのか?」
クララは深く息を吸った。
家族のことを思い出した。アレクサンドルのこと、凍った妖精たち、失われた笑い声、ネズミの王に奪われたすべてを。
「私は…怖い。けれど、その恐怖に私の選択は委ねない」
光が大きくなった。
「私しか、今はできないから戦う。そして…たとえ倒れても、戦おうとした自分でありたい」
その言葉とともに、光が彼女を包んだ。
氷が砕け、神殿が戻ってきた。
クララは祭壇の前に立っていた。
そこに――浮かぶ剣があった。
それは、まるで純粋な砂糖で作られたかのような透明な刃。
刃には古代文字が刻まれており、鍔は雪の結晶、柄は白と赤のリボンのような飴細工だった。
重くなかった。
それは軽く…だが生きていた。
アレクサンドルは距離を置いて見守っていた。その目は輝いていた。
「彼女が君を選んだ…」
彼は敬意をこめてささやいた。
クララは剣を掲げた。
誇りのためではなく――それは、誓いを受け取る者の姿だった。
その瞬間、クララの衣装が変わった。
ビロードは淡く輝く鎧へと変化し、織られた白い絹と甘いクリスタルでできた戦衣。赤いリボンは星型の王冠へと姿を変えた。
もう舞踏会の少女ではなかった。
彼女は――冬の戦士となった。
「これからどうするの?」
クララが剣を下ろしながら尋ねた。
アレクサンドルが近づき、敬意と温かさを込めて言った。
「これから訓練だ。王は、待たないからな」
それからの日々――もしこの世界に「時間」という概念があるならば――クララは訓練を重ねた。
兵士としてではなく、守護者として。
アレクサンドルは辛抱強く彼女を導いた。構えの癖を直し、影が動く意図を読むこと、氷が割れる音で奇襲を察知する方法――
そして何より、剣を「力」ではなく「意思」で振るうことを教えた。
「刃は命を奪わない。
その背後にある“意志”こそが、それを決める」
クララは何度も失敗した。
転び、迷い、剣を落とした。
だが、転ぶたびに立ち上がる速度は速くなった。
そしてアレクサンドルもまた――言葉にはしないが、少しずつ信じ始めていた。
ある夜。
王国の残骸を照らすオーロラの下、クララは焚き火に近づいた。アレクサンドルが錆びた剣を研いでいた。
「…ねえ、あなたは“これ”になる前、何者だったの?」
彼はすぐには答えなかった。
「私は、王女ドゥルシネアの最初の守護騎士だった。命を賭して彼女を守ると誓った。だが…私の誇りが、ネズミの王を近づけた。そしてその報いが…この木の体だ」
「じゃあ、今は?」
「今は…第二の機会だ」
クララは彼を見つめた。
くるみ割り人形――アレクサンドルは、壊れた人形以上の存在だった。
罪を知り、それでもなお戦うことを選んだ者。
「私は…その機会、無駄にしない」
「知ってるさ」彼は、わずかに微笑んだ。
しかし――
その頃、遥か遠くで…
ネズミの王は次の一手を打っていた。
雷もなかった。前兆もなかった。
ただ、突然の静寂――そして叫び声。
クララは飛び起きた。
雪はもう降っていなかった。
空は真紅に染まっていた。
丘の上から、甘い王国の村々が黒煙を上げて燃えるのが見えた。
アレクサンドルはすでに剣を手にしていた。
「見つかったようだ」
クララもすぐに駆け寄った。
地面から、地獄のネズミのような怪物たちが湧き出していた。長く骨のような尾、燃える瞳――
だが、その中には人間の姿もあった。
「村人たちよ! 生きてる!」
「王が彼らを人質に…」
アレクサンドルの声がかすれる。「選ばせようとしているんだ」
混沌の中心で、巨大な影が大地からせり上がった。
それは、王冠をかぶった悪夢のような姿――ネズミの王が、炎と影に包まれ現れた。
「冠なき姫よ! 裏切りのくるみ割り人形よ!
剣を渡せ!
さもなくば――この王国に残る命、すべてを焼き尽くす!」
クララは歯を食いしばった。
恐怖は本物だった。叫び声も、炎も――
背中の剣は震えていた。だが、まだ言葉はなかった。
「どうするの?」
クララはアレクサンドルを振り返った。
彼は黙っていた。
「アレクサンドル?」
「このままでは勝てない。人質を守るには…時間を稼ぐしかない」
「じゃあ…降伏するの?」
「…そうだ」
「もし、ただ殺されるだけだったら?」
彼は答えなかった。
そのとき、クララは悟った。
彼は――もう、覚悟を決めていたのだ。
二人は捕らえられた。
壊れた砂糖の広場で、鎖につながれ、闇の兵士たちに押されながら歩かされた。
アレクサンドルは、堂々と。
クララは――背中に剣をくくりつけたまま、沈黙の中に。
王は、焼け焦げたクッキーと甘い骨で作られた玉座に座って待っていた。
「失望したぞ」
彼の声は、濡れた紙のようにざらざらしていた。
「新しい姫は…炎を持たぬ。古き人形は…いまだ壊れたまま」
彼は兵士たちに命じた。
「――燃やせ」
クララの血が凍った。
「なに…?」
「やめてええええええ!!」
だがもう遅かった。
アレクサンドルは甘い木で作られた柱に縛られた。
炎が灯された。
それは、黒い火――
まるで液体の煙のように、闇を燃やす火。
怪物たちは叫び、王は笑っていた。
クララは――
ひざまずいた。
「こんな…はずじゃない…」
その時――
ドルセスの剣が、光った。
反射ではない。弱い灯りでもない。
それは――星のような光だった。
炎が止まった。
怪物たちは動きをやめた。
王の笑い声も消えた。
クララは立ち上がった。
風が彼女の髪を揺らし、その身を包んだ。
彼女の衣は再び変わった。
白い絹は、甘い結晶の鱗のような鎧に。
マントは羽根のように広がり、
額には光の冠が浮かび上がった。
「やめろ…!」
王が叫んだ。
「それは許されぬ! お前には…!」
クララは剣を構えた。
「私はクララ・ドロッセルマイヤー――
もう恐れなどない!」
ひと振りで、アレクサンドルの鎖は砕けた。
影は退き、剣の力が彼女の腕から放たれた。
そして、空に――
新たな裂け目が生まれた。
その中から現れたのは――
目の無限と、声なき声を持つ存在。
空の裂け目は、開いた傷口のように広がっていた。
その中から濃い煙が流れ出し――
その煙の中から「それ」は現れた。
――混沌の魔。
決まった形はなかった。
その体は影と目と蠢く腕の集合体。動くたびに、新たな手足が生まれ、そして消えた。
その歩む地は歪み、空間がねじれた。
空気には、無数の声が重なったような耳鳴りが響いていた。
「契約は果たされた…」
声は、口からではなく、世界のあらゆる場所から同時に響いた。
「彼女が剣を手にした。
…ゆえに、循環は閉じられる」
ネズミの王は膝をつき、杖を捧げた。
「王国を…捧げよう。力をくれ…あの娘を滅ぼす力を」
混沌の魔の無数の目が笑った。
「貴様は何度も…失敗した」
そして――
一瞬の動作で、王の杖を吸収し、その力を自らの中に取り込んだ。
ネズミの王は叫び、苦悶に歪んだ。
その体は膨れ上がり、冠は棘となり、
もはやネズミでも王でもない――
絶望と憎しみに満ちた、巨大な怪物と化した。
クララは一歩、後ろに下がった。
だがアレクサンドルが彼女の隣に立った。すでに自由の身、剣を手に。
「君は一人じゃない」
クララはうなずいた。
地は揺れ、空が叫んだ。
そして――
戦いが、始まった。
クララは先に動いた。
その剣は光をまとい、一閃ごとに星のような軌跡を空に描いた。
アレクサンドルもまた、影の軍勢を切り裂いて舞った。
彼らの剣は希望のように鋭く、諦めを拒むように振るわれた。
だが――
混沌の魔は、終わりなき存在だった。
斬っても斬っても、影は増えた。
倒しても倒しても、新たな形が生まれた。
「ダメだ!」クララが叫んだ。
「このままじゃ終わらない!」
「杖だ!」
アレクサンドルが叫び、混沌の魔の胸を指差した。
「奴の中心に、まだ“あの杖”がある。それを破壊すれば…!」
クララは目を閉じた。
深く――呼吸した。
弟の笑顔。
雪の妖精たちの悲鳴。
最初に剣を握った日の手の震え。
アレクサンドルとの約束。
神殿で感じた、あの声――前の姫の意志。
「私は、ただの少女じゃない。
ただの継承者でもない」
目を開けたクララの瞳は、凍った星のように輝いていた。
「私は――この世界の最後の守護者」
彼女は飛んだ。
剣を高く掲げ、空を切り裂くように――
叫びとともに、それを“混沌の心臓”へと突き刺した。
光が弾けた。
魔は叫び、影は砕け、
ネズミの王は、黒い結晶の破片となって消えた。
すべてが――静かになった。
…
クララが目を覚ましたとき――
そこは甘い花の咲く草原だった。
空は、再び青かった。
隣には――アレクサンドル。
もはやくるみ割り人形ではない。
呪いが解けた青年の王。
その頭には柔らかな銀の冠、
その目は澄んだ氷のような青。
「クララ…?」彼は彼女の手を取った。
クララは彼を見つめた。
「勝ったの…?」
彼は微笑んだ。
「君が…勝ったんだ」
雪の妖精たちは再び空を舞い、
人々は壊れた家々を再建し、
チョコレートの泉は甘く流れ出した。
そして――
クララは、神殿の祭壇に剣を納めた後、
氷の冠を戴き、
新しき〈お菓子の国の王女〉となった。
アレクサンドル――新しき王とともに。
彼らは夢の向こう側にあるこの王国を守り続けた。
そして毎年、クリスマスの夜、
ひとひらの雪が語るのだった。
――「かつて、ひとりの少女が“混沌”を打ち破った」――
終わり。
物語を読んでいただきありがとうございます。いくつか修正や改善が必要でした。お詫び申し上げます。もし気に入っていただけたら、ぜひコメントや評価、お気に入りへの追加をお願いします。作者プロフィールから他の物語もぜひ読んでみてください。読んでいただきありがとうございました
素晴らしいご支援をいただき、本当にありがとうございます。1位を獲得できたことを心から感謝いたします。著者プロフィールに掲載されている他の作品もぜひ読んでみてください。コメントやシェアもお気軽にどうぞ。メキシコより、ご挨拶申し上げます。




