杖のハンディを気力でカバーしポーション作りで圧勝しました
どうしよう、杖が違う!
「おい、どうしたのだ、あのちびっこ?」
「やっぱりあんな大きな鍋で作るのは無理だと今頃気付いたんじゃ無いか?」
「どうしようもないよな」
私が固まってしまったので観客が騒ぎ出してくれた。
失礼な!
私は初級ポーションではこの国で一番沢山作っているのだ。初級ポーションだけなら誰にも負け
ない!
アレハンドラやエビータも馬鹿にしたように見てくるし、王妃様やエルガルド様は心配そうにこちらを見てくれていた。
こうなったら仕方が無い。
弘法は筆を選ばずだ!
私はこの手の杖でやってみることにした。
一つ目の素材を入れて杖を中に入れる。
「元気になりますように! 病気が治りますように!」
女神様に祈りながら杖でかき混ぜる。
でも、中々魔力が行き渡らない。
二回で駄目なら四回、四回で駄目なら六回回す。
十回目でなんとか魔力が行き渡った。
これを全ての素材分続けるのか……少し気が遠くなったが、まだまだ、やるしかない!
杖は一度では出来ず、千里の道も一里から、全てに通じるけれど、積み重ねが大切なのだ。
私は必死に杖でかき混ぜた。
1時間してやっと初級ポーションが出来上がった。
赤く光る。
私はほっとした。
「おおおお、あの子もう初級ポーションを作り上げたぞ!」
「それもあんなに沢山だ。あの子の勝ちが決まったんじゃないか?」
「何を言っているんだ。あの子はまだ、初級ポーションしか作っていないぞ。あれでは千本も無いだろう。アレハンドラ様が一本上級ポーションを作ったら終わりだぞ」
「そうなのか」
「でも、あの量は凄いぞ」
「本当だよな」
パチパチ拍手が起こる。
私は少しほっとした。
私は出来たポーションを瓶に移す。
全部で200本分だった。
これから先は長い。
でも、頑張らないと。
次は中級ポーションだ。
他の2人を見たら、エビータもアレハンドラもまだ最初のが出来ていなかった。
まず完成させた私が取りあえずリードだ。
鍋を洗って水を入れる。
そして、水を軽く沸騰させた
「元気になあれ!」
呪文のように唱えながら素材を溶かしだす。
あれ?
今度は先程よりも早く魔力が行き渡る。
鍋の中でかき回すのが八回ですんだ。
最後のタネンソウでは六回ですんだ。
「元気になあれ、元気になあれ!」
そう言いながら魔力を流すとピカッと光って黄色になった。
中級ポーションが完成したのだ。
「おい、この子凄いぞ!」
「本当だ。この短時間で中級ポーションを完成させたぞ!」
「あれもさっきと同じ大きさだから200本分くらいあるんじゃないか?」
周りの観客達が驚いて騒ぎ出した。
「嘘よ。パウリーナが中級ポーションなんて作れる訳は無いわ!」
「絶対に偽物よ!」
聖女達が騒ぎ出したが、審判の聖女が確認してくれる。
審判は王妃様付きの侍女長のイネスがしてくれていた。
「パウリーナ、中級ポーション200本。これで合計上級ポーション2.2杯分です」
厳正な表情でイネスが中級ポーションだと言い切ってくれた。
「うそ、あの子いつの間に中級を作れるようになったのよ」
「信じられない」
アレハンドラとエビータが目を見開いて声を上げるが、
「「「ウオーーーー!」」」
「あのちびっ子凄いぞ」
「もう上級ポーション2杯以上作ったぞ」
「他の聖女はまだ一本も作れていないのに」
「もう圧勝じゃ無いのか」
しかし、あっと言う間に観客の声援にかき消された。
「アレハンドラ。さっさと作りなさい!」
ヒステリックな声が聞こえた。
おそらくアレハンドラの母か何かだろう。
でも、ここで私は力の差を見せつけなければならない。
私は大鍋を洗ってセットする。
「おい、あの子またあの大鍋で作り出したぞ」
「あの素材は上級ポーションじゃ無いのか?」
「しかし、あんな巨大な鍋で上級ポーションを作るなんて聞いたことが無いぞ」
私の姿を見て観客が騒ぎ出したけれど、私は気にしないことにした。
まず、鍋に水を張る。
そして、無造作に杖を鍋の水の中に入れた。
「えいっ、や!」
いつもの如く、かけ声をかけると水の中の不純物を一気に杖に吸い付ける。
そして、ぽいっと地面に不純物を解放した。
「な、何という事を」
「杖で一気に純水を作りましたぞ」
「あのようなやり方で本当に純水が出来るのか?」
学園の先生達が驚きざわめくのが聞こえた。
ここは無視だ。
そして、水を沸かす。
軽く沸騰してきた。
「ユニコーンの角さん、お願いします!」
私はそう祈りながらユニコーンの角を入れて、杖で混ぜる。
さすがに上級だ。すぐには魔力が行き渡らない。
でも、なんとか10回で行き渡った。
よし、これでなんとかなる。
私は集中して、次々に素材を入れる。
ここでもやればやるほどドンドン魔力が行き渡りやすくなる。
全て入れて溶かした。
ここからが勝負だ。
私はドンドン魔力を流し出した。
ピカッ
と鍋の中のポーションが光った。
そこには緑色に輝くポーションが出来ていたのだ。
「「「ウォーーーー」」」
「凄いぞ」
「おい、あれは上級ポーションだ」
「あの子凄いじゃ無いか」
「二百本位あるぞ」
「圧勝だな」
大声援と拍手が場内に鳴り響いたのだ。
アレハンドラとエビータは口を開けて呆然と私が作ったポーションの量を見ていた。
私の圧勝だった。
ふんっ、ポーション作りなら誰にも負けないんだから!
私は思わず心の中で叫んでいた。
ここまで読んで頂いてありがとうございます
5歳の時からひたすら基礎の初級ポーションを作り続けてきたパウリーナ、
基本をおろそかにせずただひたすらやりきったパウリーナの圧勝でした。
ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾








