大聖堂に帰ったら薬屋の店員が暗躍してくれて、自分の地下の部屋では無くて貴賓室を宛がわれて絶句してしまいました
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エドガルト様達が出て行くと私の荷物をサラがまとめてくれた。
まあ、元々私の荷物はほとんどなかったのだ。
大した量はないって……
あれ、いつの間にか大量のドレスとかがあるんだけれど、これは何?
そう言えば「パウリーナちゃん、とても可愛いわ」と王妃様に言われて、舞い上がっているうちに採寸されていた記憶があるんだけれど……何かめちゃくちゃ可愛い衣装が増えているような気がするんだけれど……それもどう見ても小さい女の子が喜びそうな飾りの一杯付いた衣装が多いような気がするのは気のせいだろうか?
王妃様は私を一体いくつだと思っているんだろう?
「小さい子供だと思っているんじゃないか?」
「きゃっ!」
後からぬっとエドが現れて私は思わず悲鳴を上げた。
「エドさん、いきなり後から現れないでください。それにここは一応淑女の部屋なんですけど」
私がむっとして文句を言うと、
「何を言っているんだよ。ちゃんとノックはしたし、中にはサラに入れてもらった。自分の世界に入って気付かなかったリーナが悪いんだろう」
「えっ、そうなの?」
私がサラの方を見るとサラは頷いてくれた。
あれ? エドが居るときもサラは静かだ。エドは平民のはずなのに何でだろう?
そう言えばエドはエドガルド様の遠縁とか言っていたからひょっとしてエドさんも貴族なんだろうか? でも、貴族が薬屋の店員なんてしないよね。
「準備は出来たのか? どのみち四日くらいしかあちらに居ないんだ。そんなにたくさんの荷物は要らないだろう」
エドが平然と言ってくれたんだけど……
「えっ、そんなことはないと思うけれど」
「リーナはミラネス侯爵令嬢に負けるつもりなのか?」
「えっ、だって私上級ポーション作ったことはほとんどないし……」
「そんなのは気にするな。おそらくリーナがこの前作った量でミラネス侯爵令嬢に追いついたはずだ」
「何言っているんですか、エドさん? 私が作った上級ポーションって練習した一回と大鍋1回分だけですよ。何年も上級ポーションを作っておられるアレハンドラ様とは全然違いますよ」
私が否定したら、
「リーナ、一つだけ言っておくけれど、上級ポーションをあんな巨大な大鍋で作れるのはリーナだけだから。母ですら普通の鍋で作っているし、他の聖女達は小鍋で一日一本作るだけで精一杯だからな」
エドさんが肩をすくめてため息をついてくれた。
「えっ、そうなんですか?」
私は他人が上級ポーションを作るのを見たことがないから知らなかった。そう言えば誰も私みたいな大鍋を使ってポーションを作っているのを見たことがない。
私が異常なんだろうか?
でも、あんな大鍋で作らないと繁忙期は本当に間に合わないのだ。
「じゃあ、行こうか?」
エドさんが当然のように私の手を引いてくれるんだけど、この世界って女性をエスコートするのに手を引くのが当たり前なの?
「えっ」
部屋を出て私はぎょっとした。王妃様の女騎士が3人も居たんだけど
「ああ、あの女達はリーナの護衛だ。男の俺ではいけないところを護衛してくれる」
当然のようにエドさんが言ってくれるんだけど。
「護衛のセナイダです。何なりと申しつけください」
挨拶してくれたのはこの前スタンピードでヒロインを護衛していたセナイダさんだ。
「よろしくお願いします」
私は3人に挨拶した。
サラが抱えていた大荷物は騎士の一人が持ってくれた。
エドさんが連れて行ってくれた先は王宮の馬車だった。
さすがに王子の乗る馬車とは違うけれど、それでも立派だ。
「あの、すぐ隣の大聖堂に行くのに馬車で行くのですか?」
「まあ、荷物もあるからな」
馬車には私とエドさんが乗り込んで、騎士さん達は馬で行くみたいだ。サラは馭者の隣に座っていた。
「はああああ、良かった、一緒に来てくれたのがエドさんで」
私はほっとため息をついた。
「王宮は緊張したのか?」
「うん、本当にもう大変で。エドさんの横だとほっとする」
私はエドさん相手に愚痴を言った。
「よく頑張ったな」
エドさんが頭を撫でてくれるんだけど、
「私は小さい子供じゃない!」
むっとして文句を言うと、
「見た目はそうだけどな」
エドさんが笑ってくれた。
まあ、エドさんから撫でられるのはいやじゃないけど……
馬車はあっという間に大聖堂に着いた。
大聖堂ではなんと大司祭とベルタ達が出迎えてくれたんだけど。
「これはこれは、よくお越し頂きました……なんだ、パウリーナと薬屋だけなの」
頭を下げていたベルタの態度が途端にでかくなった。
「馬鹿者!」
後ろからそのベルタを一喝した大司祭が出て来て、
「これはこれはようこそお出で頂きました」
何か大司祭はエドさんにペコペコしているんだけどどうしたんだろう?
「シスター・ベルタ。私は王妃様にここでのことを報告するように言われている。今の態度はロッテン先生もぜひとも聞きたがるだろうな」
エドさんが黒い笑みを浮かべた。
「な、それは、いやいや、これはようこそお出で頂きました」
私を見る目は笑っていないんだけど、それでもベルタなりに必死に愛想笑いをしてくれた。
「それで大司祭殿。パウリーナ様の部屋はまさかあのまま地下の使用人部屋という事は無いですよね」
「「「えっ」」」
エドさんの言葉に大司祭とベルタが固まってしまった。
「私はパウリーナ様の部屋の件も含めてきちんと大聖堂の皆さんが対応したかどうか、王妃様からはくれぐれも確認するように頼まれているのです」
「し、しばしお待ちください」
エドさんの黒い笑みに大司祭達は慌てて、協議を始めた。
「少し、部屋の準備が遅れておりまして、何しろ急なことでしたから」
私達は言い訳されて応接に通されて待たされたのだ。
「エドさん、私は今までの自分の部屋で良かったのに!」
「そうは言っても護衛達の部屋も必要だと思うよ。まさか彼女たちを物置小屋に泊める訳にも行かないだろう?」
そうエドさんに言われたら返す言葉が無かった。
「凄い! こんな部屋大聖堂にあったんだ」
少し待った後に案内された部屋は最上階の景色の良い貴賓室のような部屋だった。
調度品も今まで見たことのないような部屋だったんだけど。
「この部屋は大聖堂の迎賓室です。王妃様も泊まられる時はここに泊まられます」
大司祭の言葉に私は固まってしまったんですけど……
「判りました。これで王妃様にはきちんと報告できます」
黒い笑みを浮かべてエドさんが了承してくれたんだけど。
「でも、エドさんこんな立派な部屋は私は慣れないし落ち着かないんだけど」
大司祭が去った後にやっと気が落ち着いた私が文句を言うと、
「なあに、今回は4日だけだ。リーナもこういう部屋に慣れていた方が良いよ」
笑ってエドさんが言ってくれるんだけど、平民育ちの私は絶対に慣れないと思うのに!








