馬車の中で私がエドガルド様の婚約者候補になったと言われて真っ赤になってしまいました
私の楽しい食事の時間が……
ロッテン先生の乱入によってぶっ飛んでしまった。
本当に最悪だった。
そして、丁度ロッテン先生の注意が終わった時に、エドガルド様がやってきた。
ええええ!
もっと前に来てくれたら良かったのに!
まあ、でも、エドガルド様も絶対にロッテン先生の相手をしたくなかったはずだ。
あんまり好きそうじゃないし、絶対に私が虐められているのをどこかで隠れて見ていたに違いないと私は確信した。
酷いエドカルド様!
「あら、エドガルド、目に隈作ってどうしたの?」
「母上がちゃんとやらないから、私が苦労するんです。聖女達に全員初級ポーションを50本作らせていたのですよ」
「えっ、今までかかったの? 50本なんてあっという間に作れるでしょ!」
王妃様は驚いて言われたけど、確かにその通りだ。
私も頷いた。
「それは母上やリーナの場合でしょう。私もあなた方を見ていたから簡単に出来ると思っていたんですよ。けれど、あのミラネス侯爵令嬢ですら5時間かかりましたから」
「まあ、あの子、大聖堂で一番だと自慢していたにもかかわらず、高々50本の初級ポーションを作るのに5時間もかかったの? 今までどれだけサボっていたのよ」
「そうですよ。エビータが7時間。デボラ達が9時間かかってくれまして、途中で気絶する聖女まで出だして大変でした」
エドガルド様は心底疲れた顔をされた。
私はエドガルド様に対して酷い事を考えていたと反省した。
「エドガルド様、どうぞ」
私は悪いと思って自分用に持っていた初級ポーションを差し出した。
「ああ、リーナ、ありがとう」
エドガルド様は私に笑いかけるとそのポーションを口に含まれた。
「えっ! ちょっと、リーナ、これは……」
一気飲みしたエドガルド様が咳き込んで何故か涙を流していらっしゃるんだけど、何で?
「どうしたんですか?」
「パウリーナちゃん。エドガルドにひどいことされたと思ってポーションに何か細工したの?」
王妃様は私をなんだと思っているんだろう。そんなの畏れ多くて出来る訳無いではないか!
「何もしてませんよ。普通のポーションです」
私は首をぶんぶん振った。
「これっ、前にリーナが学園に行くのを辞退しろってベルタから強制されて、泣きながら作ったポーションだろう。だから飲むとても悲しくなって涙が止まらなくなっているんだ……」
涙目でエドガルド様が訴えてくれるんだけど、そう言えばそんなこともあった。でも、泣きながら作ると飲んだ人が悲しくなるなんて初めて聞いたんだけど……
「えっ、パウリーナ。凄いじゃない! 飲んだら悲しくなるポーションを作れるなんて、絶対に高く売れるわ」
喜々としてサラが出てくるんだけど……
「サラ!」
「も、申し訳ありません」
イネスに注意されて慌てて我に返ったサラは平身低頭していた。
「そんなことがあったの? 私のパウリーナちゃんを悲しませるなんて、ベルタは本当にどうしようもないわね」
「それよりも王太子殿下。そろそろ学園に行かなくて良いのですか」
「そうだった。すぐに準備するよ」
私達は慌てて立ち上った。
「判ったわ。貴方たちが学園に行っている間に、ベルタはここに呼びつけてロッテンと一緒にお灸を据えておくわ」
部屋を出る私達に王妃様は宣言された。私はベルタには酷い事しかされた記憶しか無かったけれど、ロッテン先生にお灸を据えられるところだけは少し同情してあげた。
私達はそのまま慌てて制服に着替えて学園に行く準備をしたのだんだけど……
エドガルド様と一緒に行くということは王家の馬車に乗るってことだった。
エドガルド様に手を引かれて連れて行かれた先にあった豪勢な馬車に私は目が点になった。
私の目の前には王家のマークがでかでかと付いた凝った作りの馬車があった。絶対に4人以上乗れるとてつもなく大きな馬車が止まっていた。
馬も四頭もいるんだけど。
「どうした、リーナ? さあ乗って」
エドガルド様に促されるんだけど
「いえ、私は乗合馬車で」
「そんなのがある訳ないだろう。3人で乗るんだから、馬車を2台も出す訳にはいかないだろう。さあ、さっさと乗って」
エドガルド様は後ろから強引に私を押し上げて乗せてくれた。
中は本当に広々としていて、これは6人乗ろうとしても乗れただろう。
座った私の横に当然のようにエドガルド様が座ってくれた。それも密着して座ってくれるんだけど。
ちょっと近いですから……
心の中で私は悲鳴を上げた。
「あの、サラは?」
先程まで私に付いていたサラがいない。
「サラには馭者の横に乗ってもらったよ」
黒い笑みを浮かべてエドガルド様がおっしゃるんだけど……
「あの、独身の男女が密室に二人になるのはまずいんじゃ無いんですか?」
「何を言っているんだ、リーナ。既に資料室では二人だけになっていたし、リーナとなら俺は全然平気だよ」
エドガルド様は平然と言ってくれるんだけど、そういう問題では無いと思うんだけど……
「それよりもリーナ、サラにリーナの部屋へ案内してもらったけれど、あの部屋は使用人の部屋より酷いな」
エドガルド様がいきなり言い出してくれたんだけど、
「えっ、でも、あれでも一応個室ですし、孤児院の時は大部屋だったんで一人部屋もらえてとても嬉しかったんですけど」
私が反論すると
「そうか、リーナは謙虚なんだな」
エドガルド様が感心してくれるんだけど、そこは感心する所なんだろうか?
「しかし、あれだけ他の聖女達に虐められていたらやりにくかろう。母上と相談してこれからは王宮で生活することにしてもらったから」
「えっ?」
私は固まってしまった。
「いえ、あの、エドガルド様。そのようなご配慮はいらないというか」
「何を遠慮しているのだ。リーナは次の筆頭聖女じゃないか?」
「はい?」
私はエドガルド様が何を言っているか理解できなかったんだど……
筆頭聖女って小説ではヒロインがなるはずのもので、それもたしかサマーパーティーで発表される予定だったはずだ。
まだ一学期も始まったところでこんなに早く決まるはずは無いんだけど……
「あのう、筆頭聖女様の候補はアレハンドラ様だと思ったんですけど」
私が恐る恐る聞いて見た。
「ああ、あの聖女はそんなことを吹聴しているようだが、能力的に圧倒的にリーナの方が上だろう。今回のスタンピードの魔物の多くを浄化したことで父も母も納得したと思うよ」
当然のようにエドガルド様がそう言われるんだけど。
ちょっと待って!
この国では次の筆頭聖女ってことは、未来の王妃様という事で、エドガルド様の婚約者になるってことじゃないの?
ええええ!
私はエドガルド様を見上げたらこちらを熱い視線で見下ろしてくれるんだけど。
嘘ーーーー!
私の思考は停止してしまった。
「ということでよろしくね、リーナ!」
エドガルド様が私を見てくれたんだけど、真っ赤になった私は麗しいエドガルド様の顔を見上げることなんて出来なかった。
な、何がよろしくなのよ!
私に未来の王妃様なんて務まる訳ないでしょ!
と言うか、エドガルド様の婚約者になるなんて絶対に無理だって!
いやいやいやいや、絶対に無理よ!
私は心の底で絶叫したのだった。
ここまで読んで頂いてありがとうございました
エドガルドの言葉に唖然とするリーナ!
でも、そんなことを悪役令嬢が納得するのか?
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