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4王宮礼儀作法指南がやってきて私が学園に行けるようにしてくれました

 エドさんは私が学園に行けるようになんとか手を尽くしてくれると言ってくれたけれど、おそらくリップサービスだ。私が可哀相になって慰めてくれただけだ。

 まあ、私は今日も頑張って初級ポーションを作るしかないと頑張ってポーションを作っていたんだけど、薬草が少し足りなくなってきた。一番下っ端聖女の私は雑用も全部こなさないといけないのよ。


 私は廊下に出て薬草を取りに行った。

 ああ、でも、王立学園に行きたかったな!


 入学式のヒロインと王子様の出会いが感動物なのだ。アニメも良かった!


 桜吹雪が舞う学園の入り口に立つヒロイン。花がこれでもかと飾られた臨時に作られた入学祝いの門の下を喜んで歩いていると門がいきなり倒れてしまう。

 倒れてくる門を魔法で止めて、倒れようとしたヒロインを抱きかかえる王太子殿下。運命の二人の出会いだ。

「ああ、その現場を見たかったわ!」


 私が一人で感動に打ち震えていると、

「あなた何しているの?」

「えっ?」 

 私はその声で現実世界に引き戻された。

 私の目の前には紺の服を着たいかめしい銀縁眼鏡をした眼光鋭い女性が立っていた。

 

 これはやばい!

 絶対にこの人には逆らってはいけない!

 私の心の奥底から警報が鳴っていた。


「も、申し訳ありません」

 私は取り敢えず謝っていた。

「何を謝っているの? あなたのお名前は?」

「パ、パウリーナと言います」

 私は緊張したからか思いっきり噛んでいた。


「へええ、あなたがパウリーナさんね」

 女の人は何故か獲物を見つけたオオカミのような視線を私に向けてきた。いや、私は下っ端聖女であなたのような怖い方が、興味を持つような者ではありません!

 私の心の悲鳴は当然その女の人には届かなかった。


「でも、あなた姿勢が全然なっていないわ。背筋をもっと伸ばす!」

「はい!」

 私は慌てて背筋を伸ばした。

「手もしゃんと伸ばして!」

「はい!」

「指先まで伸ばす!」

「はい!」

 何故か私はそれから姿勢を正す練習をさせられることになったのよ。


 でも、ここは廊下、人通りも多いんだけど……

 皆に見られながら私はその見知らぬ人に徹底的に指導されたんだけど……何で?


「パウリーナ! あなた、こんなところで何をしているの? さっさとポーションを持って来なさいよ!」

 そんな私の所にアレハンドラ様が眉をつり上げてやってきた。これはポーションを私が持ってこないから自分で取りに来たパターンだ。


「あなたは誰なの?」

 そのアレハンドラ様になんとその女の人は名前を聞いていた。


「はああああ? あなた、私の名前を知らないの? 筆頭聖女候補の私、アレハンドラ・ ミラネスを」

「ああ、あなたがアレハンドラさんなのね。礼儀も知らない傲慢な娘だとはあなたのお父様からよくきいていますよ」

 アレハンドラ様にこんなこと言うなんてこの女の人凄い! 

 でも大丈夫なんだろうか?

 私が少し心配してあげた。


「な、何ですって!」

 でも、アレハンドラ様は自分のお父様の事が出てきたので少しいつもに比べてトーンが小さかった。

「私、王宮礼儀作法指南役を務めておりますロッテン・ゴベルナドーラと申します」

 優雅にその女の人は挨拶してくれた。

「王宮礼儀作法指南役って!?」

 アレハンドラ様が目を見開いた。

「その名の通りですよ。王族の方々の礼儀作法を始め、王宮に勤める者の全ての礼儀作法教育は私が行います。当然お妃教育も私が行います」

「えっ!」

 アレハンドラ様は固まってしまった。

「私の眼鏡に適わない者が王太子殿下の隣に立つことは敵いません。あなたのお父様からもビシバシと指導してほしいと頼まれているのですが、何かございますか?」

「いえ、何も……」

 あのアレハンドラ様が固まっていた。


「ロッテン様、どうなされたのですか?」

 そこへシスターベルタが文字通り飛んできた。いや文字とおりに私にはそう見えたのだ。いつもは傲然としているベルタがとても慌てていた。


「ベルタさん、あなた、聖女の教育がなっていないのではなくて!」

「いえ、ロッテン様、そのようなことは」

 ベルタは何をしでかした? と私を睨み付けるようにチラッと見てくれた。

「この子、パウリーナと言うそうだけど、姿勢が全くなっていなかったわよ! この国の未来を背負う聖女がそんなことで良いの?」

「いえ、ロッテン様、この子は聖女と申しても下っ端の聖女で」

「何を言っているのです。聖女は聖女でしょう。あなたがきちんと指導するのが筋でしょう。それが出来ていないということは、あなたの教育をもう一度一からやらないといけないのかしら?」

「いえ、私がもう少しきちんと教えていくようにいたします」

 そんな、これ以上、私の仕事を増やさないで! このままいくと、また、ベルタのお小言二時間コースは確実だ。


「その必要はないわ。幸いなことに私はこの4月から王立学園での講義を持つことが決まっています。この子は学園で私が手ずから教えましょう」

「えっ?」

 私は目が点になった。


「いえ、ロッテン様この子は平民出身で」

「それがどうしたのです。王妃様は全員を学園に入学させるようにとのご指示でしたけれど。あなたは王妃様のご命令に逆らうと言うの?」

「いえ、滅相もございません。ただ、この子は貴族の者の大半が占める学園にいくことは畏れ多いと、辞退したいと申しておるのです」

 ベルタは必死に言い訳してくれた。

 そして私の方を射殺すような視線で睨み付けてくるんだけど……


「はああああ! そんな勝手なことは私が許しません! パウリーナさん、あなたは絶対に学園に来るのです。良いですね!」

「はい!」

 私はそう答えるしか出来なかった。

 ベルタやアレハンドラ様がいくらきつい視線を送ってこようが、こんな怖い女の人に逆らうなんて出来ないから!


「ベルタさん、必ずこの子を学園に寄越すのですよ。もしこの子が来なかった場合はあなたを王宮に召喚して、私の研修を1ヶ月みっちり受けてもらうことになりますからね。判りましたか?」

「はい!」

 ロッテン様の言葉にベルタは頷くことしか出来ないみたいだった。


 えっ!

 やった! 

 これで王立学園に行けるんだ!

 ロッテン先生の授業は大変そうだけど、単純な私はその時はそんなことは考えもせずに感激したのだ。

ロッテン先生のお陰で王立学園に行けることになって喜んでいるリーナ。

次は入学式のイベントです。

お楽しみに!


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作

『母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n8270ll/

前作

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


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■【小説家になろう記載ページ】『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://ncode.syosetu.com/n2191kg/

このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/

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