スタンピードが発生して、王妃様と一緒に現地に行くことになりました
ここまで読んで頂いてありがとうございました。続きは今夜ですお楽しみに!
「パウリーナさん、いきなりはしたない言葉をあげて飛び上がるなんて何事ですか?」
私は初めて上級ポーションを作れて、とても感激したのだ。思わず雄叫びを上げて飛び上がってしまった所をロッテン先生が見ていたなんて知らなかった。
「す、すみません!」
私は慌てて謝った。
「申し訳ありませんでしょ」
「も、もうちわけありまちぇん!」
慌てた私はものの見事に噛んでしまった。
「もう一度」
「わっはっはっはっは!」
私は叱責するロッテン先生の後から現れた男性に驚いた。
姿絵で見たことのある。
「聖王様!」
「まあ、良いでは無いか、ロッテン! エドガルドが気に入るだけにとても面白い子じゃの」
笑う男性は私でも知っているこの国の聖女様の配偶者である聖王様だった。
私は慌ててカーテシーをした。
「なんだ。ロッテン、ちゃんとカーテシーも出来るでは無いか」
「まだまだでございます」
聖王様の言葉にロッテン先生は首を振ってくれた。
また、延々怒られそうだ。
私がどんよりしていると
「私がカルロだ」
聖王様が私に挨拶してくれた。
「パウリーナでございます」
私も挨拶を返した。
良かった、噛まずに言えた。
「あなた、どうされたのですか? 今は訓練中では?」
「いや、魔物の数が思いのほか少なくての。早めに帰ってきたのじゃ。カサンドラにも会いたかったしの」
聖王様が微笑まれた。
聖マリアンヌ王国はここ王都から100キロ離れたところに第二の王都と呼ばれるクエンカがある。聖王様はその傍の森で騎士団を率いて、大規模な魔物討伐訓練を行われていると王妃様から聞いてた。そこから早めに切り上げて帰ってこられたらしい。
「まあ、よくおっしゃいますわ。私よりもパウリーナさんに会いたかったんでしょう」
少し赤くなられた王妃様の言葉の意味がよく判らないんだけど……
「それもあるかな。何しろあのエドガルドが初めて連れて来た女の子だしな」
聖王様は笑って私とエドガルド様を見比べられた。うーん、なにか絶対に勘違いされていると思う。エドガルド様は王妃様に言われて私を聖女として恥ずかしくないように教育しておられるだけなのだ。
「父上!」
聖王様の言葉にエドガルド様が私を庇うように前に出てくれた。
背の低い私は完全にエドガルド様の陰になって聖王様から隠れたんだけど、まあ、下っ端聖女の私は聖王様にお会いするなんて畏れ多いから丁度良かったと思った時だ。
「ご報告します!」
慌てた近衛騎士が部屋に駆け込んできた。
「何事だ?」
「はっ、クエンカの森で魔物が大発生しました」
「何だと? 魔物はほとんど現れなかったではないか?」
「奥のダンジョンに溜っていたみたいで、そちらに向かっていた中隊が帰ってこないのを不審に思った騎士団長が確認したところ、魔物が大発生しているのが判ったそうです。
現在、騎士団が対応しておりますが、魔物の多くがクエンカを目指しており、騎士団だけでは中々対応は難しいとのことでございます」
「判った、直ちに現地に向かう」
聖王様は部屋を出ようとされた。
「あなた。パウリーナさんが作った中級ポーションがここにありますから持って言ってください」
「聖王様、これは今作った上級ポーションです。こちらも」
「おお、判った。有り難く使わせてもらうよ」
聖王様が私からポーションを受け取って頂けた。私の作りすぎた箱詰めのポーションは騎士さん達が持ってくれる。
「私もすぐに聖女達を連れて参りますから」
「頼む」
そう言うと聖王様は出て行かれた。
「イネス、大聖堂に連絡。成人した現役の聖女に直ちに出動命令を。それとポーションを持てるだけ持って王宮に来るように来るように連絡を」
「判りました」
侍女長が部屋を出て行った。
魔物が大発生したって言うのはスタンピードって言うんだっけ?
これ以上私の世話をするのも大変だろうと私がお暇しようとした時だ。
「パウリーナさん。あんまり未成年のあなたを連れて行きたくないけれど、あなたもいらっしゃい」
「私ですか? 判りました」
現地に行っても魔物討伐に行った事なんて無かったからお荷物にしかならないような気もするけれど。
何しろ私は初級ポーション製造要員でしかなかったから。
「エドガルドはパウリーナさんの護衛をしなさい。それと、その大鍋を持って来なさい」
「素材も持っていきますか?」
指示を終えた侍女長が帰ってきた。
「当然ね。クエンカにはあまりないと思うから」
「アレハンドラさんとセシリアさんはどうされますか?」
今いる未成年の聖女の中ではトップ2だ。
「残った学生聖女は大聖堂でポーション造りをさせれば良いわ。お子ちゃままで見ていられないから」
「その子は連れていかれるので?」
侍女長が私を不審なものを見るように見てきた。
そうだ。アレハンドラ様やセシリアみたいな出来る聖女と違って、私は下っ端聖女だ。戦力になるエドガルド様に守ってもらうなんて、私は当然お荷物だ。私も大聖堂に帰ります、と言おうとした時だ
「なに言っているの? この子の実力見たでしょ。この子は現地でポーションを作ってもらいます」
王妃様に宣言されてしまった。
まあ、ポーションなら、私でも作れるか。
と私はほっとした。
でも、それが間違いだと気付くのは現地に行ってからだった……








