18王太子にお姫様抱っこされてしまいました
ここまで読んで頂いてありがとうございます
ついにお姫様抱っこまでされるパウリーナ!
でも、そこに危機が……
次回お楽しみに!
料理コーナーでも、ダントツの点数をもらって私達は早めに出られた。
でも、次の礼儀作法マナーのコーナでは、私が大きく足を引っ張ってしまった。
「パウリーナさん。そんな礼では絶対に通しませんよ!」
ギャーーーー!
ロッテン先生がラスボスになってしまった!
ロッテン先生のお墨付きをもらうまでにものすごく時間がかかってしまったのだ。
去年まではこんなコーナーは無かったとのことで私はロッテン先生を恨んだ!
得点によって次のコーナーの出発時間が決まるのだ。
私はここで1時間以上遅くなってしまった。
結局、ヒロインのセシリアさんも、悪役令嬢のアレハンドラ様にまで追いつかれてしまったのだ。
「まあ、パウリーナさん、そんなに落ちこまないで」
「そうそう、今まで十分に活躍してくれたし」
「ここからが勝負だよ」
私はエドガルド様たちから慰められたけれど、
「まあ、王太子殿下。どうされましたの? 我が大聖堂の下っ端聖女が足を引っ張っておりますの?」
「だから私達とご一緒しましょうってお誘いしましたのに!」
「本当にパウリーナはどうしようもないわね」
私は最後のコーナーの待合室でアレハンドラ様とヒロインにうじうじいじめられた。
「まあ、パウリーナさん。勝負はここからだから」
「そうそう、パウリーナちゃん頑張ろう!」
「まだ十分に逆転できるよ!」
三人はそう言ってくれるけれど、本当だろうか?
まあ、ここからは聖女の本領発揮の採取だ。
今回は特別仕様にした学園の巨大温室を歩いて、ヒカリゴケと赤光石とウォータースライムを採取してくるのだ。いつもはいない魔物も放たれているという事で、エドガルド様たちは帯剣していた。
「王太子殿下。確かに彼女は聖女ですが、レベル10止まりの聖女と20越えの私達上級聖女では、出来ることが全然違いますのよ」
「私達はレベルが高いので普通にグループ全体を守る障壁が張れますが、彼女は下っ端聖女でレベルが低いですから障壁を張るにしてもピンポイントでしか張れませんわ」
「何でしたら私達のグループに入られませんか? 途中交代も出来ると聞いておりますし」
アレハンドラ様が親切ごかしてエドガルド様に提案するが、
「ふんっ、別に他の聖女の助けが無くともここにいる魔物くらい俺達の剣で十分に対応できるさ。それよりも時間だぞ。さっさと行った方が良いのではないか?」
「言われなくとも参りますわ」
プリプリしながらアレハンドラ様が出て行った。
「エドガルド様。何でしたらご一緒いたしましょうか? 私の力は大きいので2グループくらい守れますわよ」
ヒロインがエドガルド様の前に来て言うが、
「申し訳ないが隣国の聖女殿。俺は君に名前呼びを許した覚えはない」
「まあ、エドガルド様は昔気質ですのね。我がポルト王国では王族の皆様は名前で呼んでほしいと言われておりますのに」
全然動じずにヒロインは言ってくれた。
「ポルト王国と我が国は違う」
「そうなのですか? でも、この温室には不穏な気配がしますわ。悪いことは言いませんから一緒にいらっしゃった方がよろしいのではありませんか?」
「こちらは大丈夫だ。それよりもさっさと行った方が良いぞ」
「まあ、残念ですわ。せっかく心配してあげましたのに。危険な目に遭っても知りませんから」
これまた捨て台詞を残してヒロインは出て行った。
私を憎しみの籠もった目で睨み付けていたんだけど……
私達の出発時間が来た。
巨大温室の中に入る。
この温室は世界最大規模といわれていた。巨大なガラス張りの温室は大きな屋内ダンジョンのような形になっていた。熱帯に育つジャングルのような木々がいろんな所に植えられていて壮観だった。
「あっ、あれはタネンソウだ」
私は赤く光る草を指さして言った。
「あっ、あっちは星の雫」
金色に光っている星形の石が見えた。ユニコーンの糞が固まった物だとか言われているが本当のことは知らない。どちらも上級ポーションに必要な素材だ。
作らせてもらったことはないけれど、素材がどれかは知っていた。中々見つからない物で高価だと聞いていたから、こんなに簡単に見つかるなんてひょっとしてここは素材の宝庫なのかも。
迷子になるといけないからと言う理由でそんな私の手をエドガルド様が左手で引いてくれて、私の両端にダミアン様とカルロス様が付いてくれた。
3人とも剣を抜いていた。
「あっ、ヒカリゴケがありました」
私が指さした。
黄色く光っている草があった。
私はそれを一房刈り取った。
「しかし、魔物が出てこないな」
「そうだな。ハーピィくらい出てきてもおかしくないんだが」
ヒカリゴケを採取する間、私を囲んで守ってくれていたエドガルド様たちが話しているのが聞こえた。
「でも、学園の大温室に魔物が出るのは普通はあり得ないのではないですか?」
私が聞くと
「でも、先生が魔物を放っているって言っていただろう」
「簡単な魔物なら良いけれど、学園には研究の為も含めていろんな魔物を飼っているからね。時たまゴーレムなんてとんでもないのを操作している可能性もあるから。注意が必要なんだ」
カルロス様が教えてくれた。
そうか、ゴーレムは危険だ。私はいつでも杖が取り出せるようにした。
赤光石も何故かすぐに拾えて、私はラッキーだと喜んでいたところで
「「「キャーーーー」」」
女の子達の悲鳴が聞こえた。
「何事だ? 行くぞ」
私の手を引いてエドガルド様が駆け出してくれるんだけど、待って!
私歩幅が短いから!
「きゃっ」
転けそうになった私を慌ててエドガルド様が抱きしめてくれた。
「どうする?」
ダミアン様が聞いてきた。
「お前らは先に行ってくれ」
「俺はパウリーナさんを抱えていく!」
ええええ! ちょっと待って!
私が止める間もなく、なんと私はエドガルド様にお姫様抱っこされてしまったのだ。
いくら急いでいるからと言ってそんな……
「俺が先に行く」
ダミアン様が叫んで駆けていき、その後をエドガルド様が私をお姫様抱っこして駆けてくれるんだけど……
嘘!
本当にヒロインみたいにお姫様抱っこされてしまった。
でも、小説でもアニメでもオリエンテーションでこんな場面なかったんだけど、何で?
私は真っ赤になってしまったのだ。








