17料理コーナーでエドガルド様たちと協力して料理を作って、皆に絶賛してもらいました
次は料理コーナーだった。
ええええ!
料理なんてしたことない貴族の子弟に料理を作らせるって酷じゃ無い?
ここは圧倒的に平民が有利な所だ。
もっとも平民とはいえ大半が大金持ちの子供達だったから出来るかどうかは判らなかったけれど……
作るのはカレーだ。
1時間以内に作らないといけない。
まあ、その点私は前世でカレーは私の得意料理だったから有利だった。
日本のラノベだからかもしれないが、この世界には何故かカレールーが箱詰めにされて市販されていたし……。
「ああああ、ダミアン様。まずタマネギは皮を剥いて下さい」
「えっ、そうなの?」
「そんなの常識です」
私はダミアン様に注意しつつ、今度はクラウス様を見た。
「ああああ、クラウス様。ジャガイモは芽の所を取って下さい」
「えっ、そうなのか?」
「芽は毒を持っている可能性がありますから」
「そうなんだ」
「エドガルド様。そんな持ち方じゃ駄目です」
鉛筆削りの要領でジャガイモを削り出したエドガルドを私は止めた。
「ああ、もう判りました。お三方は玉ねぎと人参を宜しくお願いします」
結局男子にはタマネギとにんじんの皮むきと切るのを依頼した。
にんじんは何故か鉛筆型になっていたけれど、まあ良いだろう。私はジャガイモを剥いていく。
「パウリーナさんはうまいね」
ダミアン様が褒めてくれた。
「ひょっとして、大聖堂でミランダ侯爵令嬢達から虐められて料理を作らせられているとか?」
「それはないですよ。特に冬場は初級ポーション作るのに大変ですから」
心配してエドガルド様が聞いてくれたけど、大聖堂では繁忙期は初級ポーションを作るので精一杯で、私が料理をしている余裕なんて無かった。
それに、さすがに大聖堂ではいくら下っ端とはいえ、聖女に食事を作らせられることはなかった。厨房の皆は親切だったし……ただその厨房から運んでくる大聖堂に雇われている侍女とかが、アレハンドラ様とかのいうことを良く聞いていたというだけで……
一度私の食事を抜きにしてくれたことがあって、その時は全然初級ポーションが作れずに私は倒れてしまったのだ。
その時は、シスター・ベルタまで初級ポーション作りに駆り出されて、大変だったそうだ。
でも、それ以来、私が食事を抜きにされることはなくなった。
まあ、私が倒れて困るのは、他の聖女達だし……
後は男子にお肉を切ってもらって具材を入れて、軽く炒めると、水を足した。
そして、煮込みだした。
私は杖を出したのだ。
「なんなのパウリーナちゃん。その黒い棒は?」
「ポーションを作る時のかき混ぜ棒だろう?」
「そんなのを何に使うんだ?」
三人が聞いてくれた。
「だからこれは私の聖女の杖なんです」
「そうか、パウリーナちゃんの杖も初代聖女様と同じで真っ黒なんだね」
ダミアン様がまじまじと見てくれた。
「えっ、でも他の聖女の見せてもらったけど、皆白かったよ!」
クラウス様が言い出した。
私は周りに知った聖女がいないのを確認して
「どれだけ、初級ポーションを作ったかで色が決まるんです。初級ポーションの素材のなかに杖を黒く染める成分があるので」
私は説明した。
「ふーん。でも、その杖を何に使うの?」
「鍋を混ぜるのに使うんです」
「えっ、でもその棒ってあの少し苦い初級ポーションを作った棒だよね」
「苦くならない?」
ダミアン様とクラウス様が心配して聞いてきた。
「何を言っているんですか! 聖女の杖は浄化魔術がかかっているから、世界で一番きれいなんですよ!」
「えっそうなの?」
「そうです。それにこの杖でかき混ぜると煮込む時間が短くなるんです」
「本当に?」
「お任せください」
私はそう言うとポーション作る要領で、
「早く煮えろ早く煮えろ」
そう呟きながら杖でかき混ぜる。
あっという間に鍋が煮え立ってきた。
「本当なんだな」
「凄いよパウリーナちゃん」
「でしょう」
感心する三人に私は胸を張った。
本来は20分くらいかかるんだけど、1分くらいで火が通るようになったはずだ。
ジャガイモをお玉に取ってスプーンで突いてみると簡単に二つに割れた。
「じゃあ、エドガルド様。ルーを溶かしてください」
エドガルド様がお玉に入れたルーの塊を溶かしてくれる。
そして、最後は私の仕上げだ。
再び杖を中に入れて、
「美味しくなあれ、美味しくなあれ!」
私が祈りながらかき混ぜた。
「そんなので本当に美味しくなるの?」
ダミアン様が不審そうに聞いてきた。
「いやなら別にダミアン様は食べなくて良いですよ」
「そうだ。パウリーナさんに文句があるのならばお前は食わなくて良い!」
「いや、悪かったよ。謝るよ」
エドガルド様にまで指摘されて、慌ててダミアン様は頭を下げてくれた。
でも、私の杖は万能なのだ。外に出て料理を作ることがあって最後の仕上げに使ったらとても美味しくなったのだ。以来最後の仕上げは杖を使うと決めていた。
「な、旨い、なんなのこのカレーは!」
「凄いよパウリーナさん!」
「一流のコックでも通用するんじゃ無い!」
3人はものすごく褒めてくれた。
「本当に凄いわ。パウリーナさん!」
家庭科の先生まで褒めてくれて私は鼻高々だった。
聖女の杖は万能です……
続きをお楽しみに








