16オリエンテーションで王太子殿下に迷子になると困るからと手を繋がれてしまいました
結局私のチーム分けはエドガルド様がおっしゃったように私とエドガルド様とカルロス様とダミアン様の4人になった。
「俺はもっと可愛い女の子の中に混じりたい」
と宣ったダミアン様の言葉に私はショックを受けた。
「そうですよね。地味でちびで皆の役立たずの私となんて組みたくないですよね」
私がいじけると、
「痛い!」
ダミアン様は思いっきりエドガルド様に頭を叩かれていた。
「いや、パウリーナちゃん。俺はパウリーナちゃんが悪いと言っている訳ではないよ。ただ、パウリーナちゃんがあと少し大きくなった時にご一緒出来たら良いなと思っただけで」
バシン!
「痛い!」
「お前な、パウリーナさんは俺達と同じ学年だぞ。嫌なら別にミラネス侯爵令嬢のところでもバルトロメーオの所でも行ってくれていいぞ」
「いや、風邪引いた時にパウリーナちゃんのポーションを飲みたいから遠慮しておく」
「風邪薬の代わりに毒を入れてやっても良いんだぞ」
「そういう事言いかねないから嫌なんだよ」
「ふんっ最初から素直に言えば良いんだよ」
不機嫌オーラ満開でエドガルド様が言ってくれたけれど、エドガルド様こそ私と一緒で良いんだろうか?
ヒロインと一緒の方が良いと思うんだけど……
「さあ、行こうか」
時間になったので私達は教室から出た。
「王太子殿下!」
出しなにアレハンドラ様が声をかけて来たれど、エドガルド様は全く無視してくれたんだけど……私を睨むアレハンドラ様の視線が怖かった。
「あっ、エドガルド様! 私達とご一緒しましょう」
そこにバルトロメーオ達三人の男を伴ったヒロインが声をかけてきたんだけど、さすがヒロイン、後の男達もこちらに負けずとも劣らぬ美形揃いだった。
「君たちとは進むコースが違うだろう」
でも、エドガルド様はそのヒロインの言葉を一顧だにせずに断られて、さっさと進んで行かれた。
「おい、エドガルド、パウリーナちゃんが遅れているぞ」
ダミアンさんが私が遅れだした事を教えてくれた。
「ああ、ごめん、パウリーナさん」
エドガルド様が慌てて戻って来た。
「さあ、行くよ」
そう言うと、今度は私の手を掴んでくれたんだけど……
ええええ! 私、エドガルド様と手を繋いでいる。
「キャーーーーー」
「あの子、エドガルド様と手つなぎしているわ」
「嘘、信じられない!」
女達の鋭い視線が私にビンビンに突き刺さってくるんだけど……
「あの、エドガルド様」
手を離してくれと頼もうとしたら
「パウリーナさんが迷子になったら困るからね」
さらりとエドガルド様に言われて私は何も言えなくなった。
ああん、でも私は小さいお子ちゃまじゃない!
背が低いからどうしても歩幅が短くなるのよ。
決して胴長短足だからじゃ無いからね!
私は自分に言い聞かせた。
「エドガルド様はいつ見てもお麗しいわ」
「ダミアン様は優しそう。キャッこちら見られたわ」
「カルロス様はいつ見てもクールよね」
「何言っているのよ! その冷たい視線が良いんじゃ無い」
「でも、彼のエドガルド様に連れられているお子ちゃまって何?」
「どこかの迷子かしら?」
女達の白い視線を受けつつ、私は最初のクイズコーナーに来た。
そこの教室の先生からクイズの紙を受け取る。
「なになに、初代聖女様のペットはって、そんなの知るかよ」
ダミアンさんがボヤいた。
「フェンリルです」
私が答えた。
初代聖女様は真っ白なフェンリルを従えて地上に現れたのだ。
でも、現れたって昔、日本から転移してきたんだろうか?
「さすが、パウリーナちゃん。聖女様なだけはある」
なにげに失礼なことをダミアン様が言ってくれたような気がする。
「じゃあ、初代聖女様の握っていた杖の素材は」
「白樺にユニコーンの角です」
「凄いな。さすが聖女様」
今度はクラウス様の賞賛だった。
「じゃあ、初代聖女様の杖の色は何色って問題は、白樺だから白色なの?」
「いいえ、初代聖女様は皆のためにポーション作りに精を出されたので、いろんな薬草がしみこんで真っ黒になっていたと聞き及んでいます」
「そうなんだ。パウリーナさんがポーション作るときのかき混ぜる棒みたいだね」
エドガルド様が言ってくれたけれど、
「あの、あれは一応杖なんですけど」
「えっ、ポーション作るときの混ぜ棒じゃないの?」
「まあ、そうなんですけど、あれが私の杖なんです……というか、何故エドガルド様が私の杖の色を知っているのですか?」
私は驚いてエドガルド様に聞いていた。
「そうだぞ」
「俺たちはパウリーナちゃんが杖持っているのも初めて聞いたんだからな」
二人が白い視線でエドガルド様を見るが、
「えっ、いやあ……そうだ。母から聞いたんだ」
明後日の方をエドガルド様は答えられた。
「ああ、王妃様は見られましたからね」
私は納得した。
「ふうううん、それだけかな」
「煩い!」
なんかダミアン様と二人で言い合っていた。
「でも、私5代目の聖王様の名前なんて知らないですよ」
「ああ、そこはダミアンだ。俺の名前はそこから取ったんだ」
「女たらしで有名だからな」
「その時の聖女様とは喧嘩が絶えなかったそうだよ。ダミアンと一緒だよね」
「お前らな」
ダミアン様が二人を睨み付けていた。
最初は判らなかったけれど、お三方は結構仲が良いみたいだ。
「パウリーナちゃん、俺は女たらしでは無いよ。五年したら期待しているからね」
「お前はパウリーナさんに近づくな!」
ダミアン様がそう言うと私の前にエドガルド様が出て庇ってくれた。
でも、私は子供じゃ無いって叫びたかった。
背が低いから子供に見られるだけだ。失礼しちゃうわ!
後の難しそうな問題はカルロス様が答えてくれた。
「はい、A組一班満点です」
「うわーーーー」
「さすが王太子殿下は違うわ」
「本当ね」
「あの班は一人だけ幼稚園児が混じっているけれど」
皆から感嘆の声が漏れた。
最後の余計な一言はサラだと思う。
こちらを羨ましそうに見ていたし……
そうそう、良いでしょう!
イケメン三人に幼児が一人って……何よこのグループ、変なの私だけじゃ無い!
自分で考えて自分で落ち込んでいた。
でも、皆、本当に皆凄い。私には全く判らない問題が大半だったのに皆すらすら答えていた。私は余程ちゃんと勉強しないと絶対について行けないと身にしみた時間だった。
私達は満点だったので待機時間なしで次の課題に向かった。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
三人の美形とちびなパウリーナの冒険の始まりです。
お楽しみに!








