14王太子殿下を巡ってヒロインと悪役令嬢が争っている前で王太子殿下に抱き寄せられたんだけど!
「パウリーナさん。基本の姿勢がなっていません。立つときは背筋を伸ばす。猫背にならない! 何回言えば良いのですか!」
私は礼儀作法の授業中ロッテン先生から集中攻撃を受けたのだった……
授業が終わった時はもう死んでいた……
「もうだめ!」
私が机に突っ伏していたら、
「まあ、パウリーナさん。最初は皆あんな感じでロッテン先生からはやられるから、気を落とさないで」
エドガルド様からも慰められる始末だった。
「心配してもらって有難うございます」
エドガルド様は見た目だけでなくて心も優しい!
それにエドガルド様からわざわざ声をかけてもらえるなんて、この学園に来て本当に良かった!
私がそう喜んでいたらアレハンドラ様達から睨まれてしまった。
いかんいかん心を切り替えよう。あまりアレハンドラ様に睨まれたら私は大聖堂で生きていけない!
私は首を振った。
次は授業じゃ無くて、オリエンテーションだ。小説の中では入学式の翌日は朝からオリエンテーションのはずだったのに、1時間だけ授業があったなんて知らなかった。
このオリエンテーションではヒロインはエドガルド様と一緒のグループになって仲を深めるイベントだ。
あれっ? でもヒロインは別のクラスなんだけど、どうなるんだろう?
考え込んでいる私の視界の中にアレハンドラ様が決死の様相でこちらに向かってずんずん歩いてくるのが映ったんだけど……
ええええ! これはエトドガルド様の前で私がつるし上げをくらう場面なの?
でも、相手はヒロインじゃなかったっけ?
私がぎょっとしたときだった。
アレハンドラ様は固まった私を無視して通り過ぎた。
「あのう、エドガ……」
そして、アレハンドラ様がエドガルド様に声をかけようとしたときだ。
ガラッ!
と大きな音を立てて扉が開いた。
「エドガルド様。オリエンテーションは私と組んで下さい!」
そこにヒロインのセシリアさんが飛び込んできたのだ。
いきなりのことに教室にいた全員がセシリアさんを見た。
「ちょっと、そこのあなた! 隣国の聖女か何か知らないけれど、となりクラスのあなたがいきなり殿下に何を言い出すのよ」
我を取り戻したアレハンドラ様が眉をつり上げてセシリアさんを睨み付けた。
「げっ、悪役令嬢」
私ははっきりとセシリアさんが口に出すのを聞いていた。
ええええ! この子アレハンドラ様の事を悪役令嬢って今言ったよね?
この子も転生者なの?
「だ、誰が悪役令嬢なのよ! 平民の分際で聖マリアンネ王国の聖女筆頭候補の私に喧嘩を売るわけ」
アレハンドラ様は激怒していた。
「何言っているのよ。あなたでしょう。私のクラスをBクラスにしたのは! 本来、私はエドガルド様と同じこのAクラスだったはずなのに、余計な手を回して隣のクラスにしてくれたのは! それが悪役令嬢でなくてなんなのよ!」
「はああああ! 隣国の聖女か何か知らないけれど、平民の分際でAクラスになろうというのがそもそも間違いなのよ。ポルト王国の国王陛下の後ろ盾があるかどうかは知らないけれど、本来Dクラスがお似合いなのをBクラスにしてあげたのよ。感謝しなさい」
「何言っているのよ。その子も平民だけど、Aクラスにいるじゃない! 自分の部下か何か知らないけれど、ひいきはいけないわ」
いきなり私に振らないで!
私が何故Aに居るかなんてアレハンドラ様の前で言わないで!
私の必死の心の叫びは二人に無視された。
「はああああ! パウリーナが何故Aにいるかは知らないわよ。この子に聞きなさいよ」
二人の怒りの視線が私に向かってくるんだけど……
「何であなたがAなのよ」
「絶対にDだと思っていたのに」
ちょっと待って! 私は知らないって!
詰め寄られた私は思わずのけぞりそうになった。
その2人の前にエドガルド様が出てくれた。
私は2人の圧力が無くなってほっとした。
「「エドガルド様!」」
2人はエドガルド様を見てぽっと赤くなってくれた。
「エドガルド様、オリエンテーション私と組んで下さい」
「ちょっと隣のクラスのあなたが組むのなんて元々無理でしょ」
「私はマルガリータ先生の許可は取ってあるわ」
「はああああ! あの担任何をしてくれるのよ。王太子殿下。是非ともこの国の筆頭聖女候補の私をお選びください」
「エドガルド様。私のグループには隣国の王子様のバルトロメーオ様もいらっしゃるんです。国際チームにしましょうよ」
セシリアの後ろにはいつの間にか緑髪の貴公子が立っていた。
小説の中でもヒロインの相手をエドガルド様と取り合うコルドバ王国の王子様だ。
凄い、エドガルド様とバルトロメーオ様と2人イケメンが並んだ様も絵になる!
私が2人を見て感激していた時だ。
「悪いな。俺はパウリーナさんと組むことにしているんだ」
私はエドガルド様の声に固まってしまった。
ええええ! ヒロインじゃ無くて私と組むの?
いつの間にかエドガルド様は私の肩に手を置いてくれているし、近い! 近いんですけど!
私は真っ赤になってしまった。
「「な、何ですって」」
悪役令嬢とヒロインの声が重なってしまった。
いや、ちょっと待ってそう言いたいのは私なんですけど……
「じゃあ、その子も一緒で良いじゃ無いか。良いよね、パウリーナさん」
何とバルトロメーオ様が私の前にかがんでくれて私の瞳を覗き込んでくれたのだ。
ええええ! イケメンが近い!
前世も含めてこんなことされた記憶が無い私は、もう茹で上ってしまっていた。
でも次の瞬間だ。
ぐいっとエドガルド様に引かれて抱き寄せられていたんだけど……
「悪いな! 俺達のグループはパウリーナさんにカルロスとダミアンの4人だともう決めているんだ」
エドガルド様が何か言っているのが聞こえたけれど……
私はエドガルド様に抱き寄せられて、もう死んでもいいと天にも昇る気分だったのだ。
ここまで読んでありがとうございます。
ヒロインに成り代わってオリエンテーションに出ることになったパウリーナでした。
続きをお楽しみに!








