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サクリファイス学園 ー最底辺クラスの俺たちは"知識"で盤面を覆し、皆で昇格(プロモーション)するー  作者: 神楽坂遊月
サクリファイス学園入学

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レッツゴーダンジョン!

さて、ダンジョンへ向かうんだけど……準備が必要だ。


ゲームと同様、所持金として10000Pポイント持ってスタートしたが、先日イルマと食事して7000Pになっている。

回復薬を購入してもいいが、素材を持ち込んで作成してもらうのと、素材なしで作成してもらうのではポイントが3倍違う。

そりゃダンジョンから素材を採ってこないと作れないから、その分もポイントがかかるということだ。


しかも、シードがこれだけ敬遠されているということは、高品質なものを作ることがほぼ出来ない。

生産系の職業も自分で用意しないと高品質のものは作れなさそうだ。

生産志望は別の入口から入学だったから知り合いなんていない。


困ったものである。


ダンジョンには各階層ごとにエンカウント上限があり、採集資源も一度採ったら同じ場所からは採れない。

途中で全滅すると所持金が減り、得たものは全て没収されるので慎重な探索が必要だ。


しかもゲームでは一度ダンジョンを出ると夜になり、次の日まで潜れなかった。

リアルでも同じかどうかはわからないが……まずは行ってみるしかない。

そのように考えていると授業が終わっていた。


授業を真面目に聞かなくて大丈夫なのか?

授業は昇級条件を満たせなかったり、探索者にならない選択をした人が社会でも通用するようにする内容が大半だから大丈夫だ。

しかも探索者必修科目以外、テストなんて無いんだぜ。最高だろ。


「何を黄昏てますの? 早くしてほしいですの」


「わりぃ 今から行くわ 忘れ物ない?」


「昨日聞いた通り用意しましたの!」


セシーリアのやる気が限界突破してるな。

装備までもう完璧で、全身から急かされてるのを感じる。

とは言っても、アンダーアーマーの上に布のローブと木の両手杖、腰にはふくろ(小)を落ちないように巻いて終わりなのだが……


「いいじゃん 可愛いじゃん」


「お黙りやがれですの とっととしろですの」


塩対応過ぎません……?

怒られたので急いで準備する。

制服を脱いで、アンダーアーマーを着ると皮の鎧にふくろ(小)を着け、片手剣に小盾を装備する。

ふくろ(小)の中には採集用スコップが入っているのを確認し、ダンジョンへ向かった。


ダンジョンの入口に着くと、大きめの白い扉とその横に台座のような受付がセットになり大量に並んでいた。

生徒が入れる時間はみんな一緒だから、混雑防止の為と聞いている。

どの扉でも行けるダンジョンは全部同じだから、どの扉で受付しても大丈夫だ。


「どのダンジョンに行くんですの?」


「俺たちのレベルだったら"初心者ダンジョン"以外に行ったら即死するから行けないな」


「でも"初心者ダンジョン"は何の得もないと授業で聞いたんですの」


「とりあえず行くぞ」


受付を終わらせ扉を開けると、扉全体に黒い幕のようなものがあり、そこへ無理やりセシーリアを扉へ突っ込む。

リアルでダンジョンへ入ることに鼓動が高鳴り、緊張してくる。

少し深呼吸をして程よく緊張をほぐし、扉に入っていくと一瞬で景色が変わった。


「なんてことするんですの! とてもビックリしましたの!」


腰に手を当てて怒っている風なセシーリアの上目遣いを少し無視して、辺りを見てみる。

降り立った獣道の周囲には、膝丈ほどに短く切り取られた草原が視界いっぱいに広がっており、爽やかな匂いに自然と深呼吸をしてしまう。

ゲームで見たこの光景にどうにもテンションが上がって仕方ない。


「無視するなですの!」


ポカポカと可愛らしく叩かれるが、HPが機能しないので普通に痛い。

ダンジョンに感動したかったのに出来なかったわ!

今日来た理由を説明して手伝ってもらおう。

暴れてるセシーリアの肩を掴んで大人しくさせる。


「セシーリア、手伝って欲しいことがある。採集とレベルアップだ!」


「し……仕方ないですの///」


なぜか顔を赤くしているセシーリアは急に大人しくなったので、詳細な説明をしていく。

"初心者ダンジョン"は"シード"の専用ダンジョンと言っても過言ではない。

シード以外になった人はほぼ経験値が入らないし、一度入ってさっさとクリアして終わりだからな……


今日の目的は戦闘に慣れる事と、採集して回復手段を得ることだ。

草原の中の一本真っすぐに伸びた獣道を歩き出す。


少しすると枝分かれした獣道の先に、広い草原の中にポツンと立っている木を見つける。

枝分かれした方へ歩き、木の根元へ向かう。

木の根元で採集出来る物が回復アイテムになるので採って帰りたい。


「セシーリア、"破れた薬草"は見つかった?」


「ママの仕事で見ていたから簡単ですの。この木の周りは全部採れましたの」


最高かよセシーリア。

ゲームで見た画像じゃ分かりづらいわ……

セシーリアいなかったらかなり時間かかってたな……

たった3つごときに……


「ありがとう! 次行ってみよう!」


「自信満々だったのにこういうことはダメなんですの!?」


「戦闘は任せろ!」


「楽しみにしてますの……」


次の木を探すため獣道を戻り、更にダンジョンの奥へ進んでいく。

すると草むらから青い物体が獣道へ這い出てくる。

待っておりました。初のエンカウントです。


初心者ダンジョンの一階はスライムのみが出現する。


「きゃーですの 早く倒してくださいですの!」


「落ち着けって 亀と同じくらい遅いぜ」


「……ほんとですの」


この世界のスライムは転がりながら移動してくるので飛んだり跳ねたりしない。

HPが0になったら光った後ドロップを残して消えるだけだ。


「セシーリアが倒してみようか」


「私がですの? どのようにするんですの?」


「まずは杖に魔力を込める」


「杖に魔力を……ですの」


杖の先端に白い球が出来ていく。

白は無属性だ。


「ほどよい大きさになったな。この球をスライムに向けて放出させてみよう」


「それ!ですの!」


魔力の球がスライムへ飛んでいく。

スライムに当たり、HPを0にした。

スライムが光ると丸い石を残して消えた。


「やりましたの! 初討伐ですの!」


杖を頭上に掲げ、飛び跳ねて喜ぶセシーリアが凄く可愛らしい。

凶悪な震度4が起こっていたので目線がどうしても追いかけてしまいそうになるが、紳士に目線を上に戻す。


「初ドロップの"魔石(小)"ですの!」


魔石(小)をふくろ(小)にしまう。

その後、交替で4匹のスライムを倒し、破れた薬草を6個回収した。


「セシーリア、今日はここまでだ」


「残念ですの……帰りたくないですの……」


「2階からは相手が攻撃してくるからレベルアップしてから行こう」


残念そうにしているセシーリアを説得し、俺たちはダンジョンを戻る。

降り立った場所に出来ていた扉をくぐり抜けて、ダンジョンを出た。

しかし、リアルではこんなことが出来るのかと思い知らされた。

毎度見ていただいてありがとうございます

もし良ければ感想など教えてください

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