表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

レッツゴーダンジョン!


セシーリアの気持ちを知った昨日はもう少し踏み込んだ内容の話をして今日ダンジョンに行く約束をした

実際のダンジョンへ行くのに準備が必要ではあるが、元手がない

ゲームと同様、所持金として10000Pポイント持っていたが先日イルマと食事して7000Pになっている


回復薬を購入してもいいが、素材を持ち込んで作成してもらうのと素材無しで作成してもらうのではポイントが3倍違う

そりゃダンジョンから素材採ってこないと作れないからその分もポイントがかかるということだ

しかも、シードがこれだけ敬遠されているということは高品質なものを作ることがほぼ出来ない


生産系の”職業”も自分で用意しないと高品質のものは作れなさそうだ

生産志望は別の入口から入学だったから知り合いなんていない

困ったものである


そのように色々考え事をしていると授業が終わっていた 授業を真面目に聞かなくて大丈夫なのか? 

授業は昇級条件を満たせなかったり、探索者にならない選択をした人が社会でも通用するようにしているものが大半だから大丈夫

しかも、探索者必修科目以外テストなんて無いんだぜ 最高だろ


「何を黄昏てますの? 早くしてほしいですの」


「わりぃ 今から行くわ 忘れ物ない?」


「昨日聞いた通り用意しましたの!」


セシーリアのやる気が限界突破してるな

装備までもう完璧で全身から急かされてるのを感じる

とは言ってもアンダーアーマーの上に布のローブと木の両手杖、腰にはふくろ(小)を落ちないように巻いて終わりなのだが……


「いいじゃん 可愛いじゃん」


「お黙りやがれですの とっととしろですの」


塩対応過ぎません……? 怒られたので急いで準備する

制服を脱いで、アンダーアーマーを着ると皮の鎧にふくろ(小)を着け片手剣に小盾を装備する

ふくろ(小)の中には採集用スコップが入っているのを確認し、ダンジョンへ向かった


ダンジョンの入口に着くと、大きめの白い扉とその横に台座のような受付がセットになり大量に並んでいた

生徒が入れる時間はみんな一緒だから混雑防止の為と聞いている

どの扉でも行けるダンジョンは全部一緒だからどの扉で受付しても大丈夫だ


「どのダンジョンに行くんですの?」


「俺たちのレベルだったら”初心者ダンジョン”以外に行ったら即死するから行けないな」


「でも”初心者ダンジョン”は何の得もないと授業で聞いたんですの」


「とりあえず行くぞ」


受付を終わらせ扉を開けると、扉全体に黒い幕のようなものがあり、そこへ無理やりセシーリアを扉へ突っ込む

リアルでダンジョンへ入ることに鼓動が高鳴り、緊張してくる

少し深呼吸をして、程よく緊張をほぐし扉に入っていくと一瞬で景色が変わった


「なんてことするんですの! とてもビックリしましたの!」


腰に手を当てて怒っている風なセシーリアの上目遣いを少し無視をして、辺りを見てみる

降り立った獣道の周囲には、膝丈ほどに短く切り取られた草原が視界いっぱいに広がっており、爽やかな匂いに自然と深呼吸をしてしまう

ゲームで見たこの光景にどうにもテンションが上がって仕方ない


「無視するなですの!」


ポカポカと可愛らしく叩かれるがHPが機能せず絶妙に痛い

ダンジョンに感動したかったのに出来なかったわ!

今日来た理由を説明して手伝ってもらおう

暴れてるセシーリアの肩を掴んで大人しくさせる


「セシーリア手伝って欲しいことがある。採集とレベルアップだ!」


「し……仕方ないですの///」


なぜか顔を赤くしているセシーリアは急に大人しくなったので詳細な説明をしていく

”初心者ダンジョン”は”シード”の専用ダンジョンと言っても過言ではない

シード以外になった人はほぼ経験値が入らないし、一度入ってさっさとクリアして終わりだからな……


今日の目的は戦闘に慣れる事と採集して回復手段を得ることだ

草原の中の一本真っすぐに伸びた獣道を歩き出す

少しすると枝分かれした獣道の先に広い草原の中にポツンと立っている木を見つけると

枝分かれした方へ歩き木の根元に向かって歩く


木の根元で採集出来る物が回復アイテムになるので採って帰りたい

リアルだと実際に発見して採集しないといけないから難しいな……

ゲームでは光ってる所でスコップ系を所持時にBボタンを押したら勝手に採集出来てたのに


「セシーリア、”破れた薬草”は見つかった?」


「ママの仕事で見ていたから簡単ですの この木の周りは全部採れましたの」


最高かよセシーリア ゲームで見た画像じゃ分かりづらいわ……

セシーリアいなかったらかなり時間かかってたな…… たった3つごときに……


「ありがとう! 次行ってみよう!」


「自信満々だったのにこういうことはダメなんですの!?」


「戦闘は任せろ!」


「楽しみにしてますの……」


次の木を探すため獣道を戻り、更にダンジョンの奥に進んでいくと草むらから青い物体が獣道へ這い出てくる

待っておりました 初のエンカウントです

初心者ダンジョンの一階はスライムのみが出現する


「きゃーですの 早く倒してくださいですの!」


「落ち着けって 亀と同じくらい遅いぜ」


「……ほんとですの」


この世界のスライムは転がりながら移動してくるので飛んだり跳ねたりしない

ダメージ?食らわないよ しかもよくある設定の核を攻撃しないと……なんてのも無い

HPが0になったら光った後ドロップを残して消えるだけだ


「セシーリアが倒してみようか」


「私がですの? どのようにするんですの?」


この世界での攻撃方法は物理か魔法の2種類だ

魔法での攻撃はチャージタイム式になっていて、いわゆる詠唱したり、魔力を込める時間が必要だ

物理での攻撃はほぼノータイムで出せるが、属性攻撃がほぼ出来ない上に、スキル使用時のMPが魔法職と比べると多い

それ以外にもメリット・デメリットがあるが今はこれだけで大丈夫


「まずは杖に魔力を込める 込める時間が長いほど攻撃距離は長くなるし、威力も上がる」


「杖に魔力を……ですの」


セシーリアが持っている両手杖の先端に白い球が出来ていく

色によって属性が変わるが白は無属性だ

属性に関しても説明も今は省くけど……


「ほどよい大きさになったな この球をスライムに向けて放出させてみよう」


「これをスライムに向けて……それ!ですの」


スライムと同程度の大きさに成長した魔力の球がスライムに飛んでいく

女の子が投げたボールのように飛んだ魔力の球は避けようとするスライムへ掠めるように当たり、HPを0にする

スライムが光ると、丸い石を残して消えた


「やりましたの! 初討伐ですの!」


杖を頭上に掲げ、飛び跳ねて喜ぶセシーリアが凄く可愛らしい

凶悪な震度4が起こっていたので目線がどうしても追いかけてしまいそうになるが、紳士に目線を上に戻す


「初ドロップの”魔石(小)”ですの!」


丸い石は魔石(小)であった

色々な使い方をすることが出来るが生産職でないと意味がないので集めるだけ集めていこう

ふくろ(小)の中にしまっておく


「次の獲物にいきますの!」


その後、交替で4匹のスライムを倒し、破れた薬草を6個回収した

1階で採れる物は全部採れたから今日のダンジョンはここで終わりだな


「セシーリアじゃあ1階で採れるものは全部採ったから一度帰ろうか」


「残念ですの…… 帰りたくないですの……」


「2階からは相手が攻撃してくるからレベルアップしてから行こう」


残念そうにしているセシーリアを説得し俺たちはダンジョンを戻り

降り立った所に出来ていた扉をくぐり抜けてダンジョンを出た

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ