最終手段・強行突破
さて、全員で来たのはよいものの、3階層で詰まっていてはせっかく鍛冶師が加入してくれたのに鍛冶するための素材がなければ意味がない
素材を手に入れるには、初心者ダンジョンの最終層まで到達しないといけない。しかも”アレ”が無いといけないけど……
しかし、4階層は以前話題になったように”毒”が問題だ。そこでセシーリアの出番だ。
「今からすぐ、攻略に行きたい所だが、その前にスキル構成を再確認して今回の目標を伝える」
皆のスキル構成を見ていこう。
キセロ Lv.9 挑発Lv.1 シールドディフェンスLv.1 受け流しLv.1 抗体(毒)Lv.5
セシーリア Lv.9 ヒールLv.2 毒治療Lv.1 麻痺治療Lv.1 魔法弾(光)Lv.1
リンドウ Lv.6 両手突きLv.3 光属性付与Lv.1 2連突きLv.1
カリー Lv.4 脱力Lv.1 正拳突きLv.1 回し蹴りLv.1
このようになっている。
レベルは最大10となっており、レベルが上がると消費MPが減ったり、スキルの倍率が上がったりする
これだけ見てもかなりの数のスキルがあるが、すべて【シード】で覚えることが出来るというのも驚きだろう
一応、正拳突きを俺が覚える。なんてことも出来たりする
「皆、新しいスキルを覚えたところで第4階層の攻略方法について説明する」
「4階層ですの!楽しみですの!」
「ついに4階層か……”毒”は大丈夫なのか?」
本来は解毒薬で”毒”対策し攻略をする予定だったが、解毒薬の入手に時間がかかりそうなので、スキルでゴリ押しすることにした
そのために、俺のスキル構成が徐々に盾役仕様になってしまっているが……
こっちには、エイルが作ってくれたMP回復薬(微)が大量にあるからな
「4階層に関しては、俺とセシーリアがメインで攻略する。リンドウ・カリーはサポートに徹してほしい」
「うちの出番ないのぉ……」
「理由としては敵のミルクフロッグの生態にある」
初心者ダンジョンの流れとして、1階層は移動するだけ、2階層も落ちてくるだけ、3階層から攻撃される。4階層は状態異常、5階層はボス戦で敵が複数出てくる
このように、徐々に難易度が上がっていっているのだが、メンバーによっては4階層の方が辛かったりする
「ミルクフロッグということはカエルか……動き遅そうだが……」
「うち全部避けるからぁ問題なくなぁい?」
「ミルクフロッグは近接戦闘NGなんだ。表面を覆っている体液に毒があって、それに触れると10%の確率で”毒”状態になる。攻撃も体液を飛ばしてくるし……」
そのために抗体(毒)をLv.5まで上げている
抗体系のLv.1だと10%の確率で毒状態をかからなかったことにするというものだレベルが上がるごとに10%増えるというものだ
つまりLv.10になると完全に防ぐことが出来るが、状態異常の抗体をマックスにしていたらそれだけでレベルがいくつあっても足りない
「攻撃するのもダメということか……つまりはセシーの攻撃力を前面にして私達はバックアップをするということだな」
「うちもぉ、攻撃出来ないからぁ大人しくしてるぅ」
「私の出番ですの!楽しみですの!」
チームハウスで話しているのも、時間がもったいないのでダンジョンへ行き進みながら作戦を詳細に伝えた
ビーラント?もちろん連行してるよ。「え?俺も?」なんて言ってたけど、君のために来ていると言っても過言ではないからな
今回は見ているだけではあるが、目的地に着いたらしっかり仕事してもらうのだ
「よし、そろそろミルクフロッグが出てくるぞ!全員準備はいいか?」
後ろの4人はゴソゴソと動き始める……
エンカウント位置に到着する前の最後の確認をするために後ろを振り返る
セシーリアの前にリンドウが構え、槍で攻撃の体液を出来るだけ遠くで撃ち落とし、毒状態へならないようにするためだ
「いつでも行けますの!」
セシーリアが元気にそう言うと、リンドウとカリーは静かに頷く。
絶対にセシーリアを守るという意思を感じるが、自分も大事なことを忘れないで欲しいが……
攻撃を後ろに逸らさない、行かせないと俺自身も気合を入れ、エンカウント位置へ向かった。
ゲコッ!ゲコッ!
喉を大きめの音で鳴らしながら、俺たちと同じ大きさくらいの青白いカエルが出てくる。こいつが、ミルクフロッグだ
ミルクフロッグは跳ねてこず、1歩1歩が大きく威圧しているような感じはするが、これは普通の動きだ。
体格のいいスキンヘッドの人が歩いていると怖く感じるのと同じようなもんだ
『挑発!』
両手を広げ、煽るようなポーズをする。これはスキルの発動に必要なものだ。
そんな俺の方を見たミルクフロッグは、少し目を細くする。
俺に攻撃対象が移ったのを確認する。それを確認し、足に向かって剣を振るう
ゲゴッ!
よし、この調子だ。
『挑発!』
再度、挑発を入れてよりターゲットを俺に向けさせる。
ミルクフロッグはこちらに攻撃しようと、口の下にある袋を膨らませる
盾を構え、防御準備をする。攻撃が来ると身構えた瞬間に右後ろから魔法弾が飛んでくる
「まだまだ行きますの!」
セシーリアの攻撃タイミングが、かなり良くミルクフロッグは攻撃がキャンセルされている
攻撃を再開される前に再度、剣を振るう。
セシーリアに注意が行きそうになるのを、俺に再度注意を向けさせる。
ゲゴッ!ゲゴッ!
ダメージが蓄積するたび、ミルクフロッグは怒ったように喉を鳴らす。
しかし、攻撃しようとすると、セシーリアの攻撃がベストなタイミングで飛んでくる
一応、攻撃のタイミングは伝えておいたが、ベストすぎないか?
ゲ……ゲコォ……
攻撃されることもなく、俺自体も毒になることなく無事に戦闘を終了した。
ミルクフロッグが光になったのを確認し、一息つくと
「全然余裕ですの!」
ダンジョン狂……もといセシーリアが両手を腰にあて、余裕そうにしていた。
リンドウとカリーは少し安心したような顔していたけど……
「余裕なのはわかったけど、この階層では最少戦闘回数で行くぞ!あと1回だな」
「正直助かる……心臓が持たない」
「うちもぉ。はやくぅ次にぃ」
この階層では採集もほぼせずに最短距離で駆け抜けた。そうして5階層への門が目の前に現れる……
ここが最後のエンカウント地点だ。それを全員に伝え、準備をする
ゲコォ!
ミルクフロッグとエンカウントし、皆の緊張感が高まる。
先ほどと同じように挑発のスキルを使い、ターゲットをこちらに向けるのは良かった
そして、攻撃をしてこようとするミルクフロッグのギリギリのタイミングまで攻撃をする
「袋が限界だ!まだか?」
「遅くなりましたの!」
セシーリアが魔法弾の魔力を溜めるのに時間をかけていたせいか、攻撃が遅くなる。
ゲゴォ!
ミルクフロッグが”毒”の体液を吐き出す。
攻撃をキャンセルされることが出来なかったうえに、魔法弾で体液が広範囲に散る……
俺はとっさに盾で防ごうとするが、装備している盾では全部を防ぐことが出来なかった。
「しまった!”毒”だ。セシーリア頼む!」
「ちょっと待って欲しいですの!」
いざというときの為に、エイルに作ってもらっていたHP回復薬(微)を飲む。
HPが0になるのを防ぐためだ。作ってもらっておいて良かった。
『毒治療ですの!』
後ろからスキルの発動した声が聞こえた。ターゲットがセシーリアに向かないように俺も挑発を使う
ゲゴォ!……ゲコッ?
毒治療を当てられたミルクフロッグが攻撃を受けたように喉を鳴らす……頭に?マークついてる
俺が”毒”状態なんですが!?セシーリアの方を見ると、カリーはめっちゃ笑いをこらえており、リンドウは目を真ん丸にしてる
セシーリア?カリーの後ろに隠れて見えなかったよ
「再度頼む!」
「わ……わかり……ましたの!プッ……」
笑う所じゃないから!終わったら反省会必須だな
俺もミルクフロッグと自分のHPに気を配りながら、戦闘に集中し直す
すぐに体液を飛ばしてきたが、今回は回避し、攻撃態勢を作る
『毒治療ですの!』
今回はちゃんと俺にかけてくれた。”毒”状態がなくなったのでHP回復薬(微)を飲み攻撃に戻る
その後は何も問題なくミルクフロッグを倒すことが出来た。
今回の戦闘で驚いたのは、剣で攻撃した時に”毒をレジストしました”と言われたことだな。リンドウを前線に出すか迷ったが安全を取っておいて良かった
「さて、セシーリア申し開きは?」
「キセロが逃げたんですの!私悪くありませんの!」
「私からも言わせてくれ。キセロはギリギリまで動いていなかったのに当たる直前で動いて逃げたように見えたぞ」
「うちもぉ。急にぃキセロが避けたからぁ。驚いてぇ、笑うしか出来んかったぁ」
俺が悪いの!?しかもそのままの勢いで正座させられたのだが!?解せぬ……
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