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 眠たくてぼんやりする頭が、自転車のペダルを漕ぐたびに少しずつクリアになる。

 流れて行く景色が早くなり、風をふわりと顔に受けるからだろうか。

 駅までの緩やかな坂道を下りながら、そんなことを感じていたら、遠い視界の駅に、乗るはずの赤い電車がもう停まっている。

 特急とのすれ違いのために、ホームに待機している赤い車両が目印の普通電車。


 地元にはこの赤い車両が目印の私鉄しか通っていない()田舎。

 自宅から駅までの道にあるのは、水をはる前の味気ない田んぼしかない。

 そう、こんな()田舎の駅に停まる電車の本数はとても少ない。

 これを逃したら、いくら通勤時のために多い本数の電車が走っていようが、20分後。

 遅刻確定だ。もう少し早起きをし、1本早い電車に乗れば良いが、それはできないっ!


 必死にペダルを漕ぎ、鮮やかなカーブをキメて自転車置き場に滑り込んだ。

 キギッーと中学時代からの自転車(相棒)のブレーキ音が悲鳴に聞こえるが、気にしない。


 カチャン、小さな自転車の鍵を回して、抜き取る。そのまま真新しい制服のポケットへ無造作に突っ込んだ。

 鍵に付いたばあちゃんから押し付けられた(貰った)老人会の北海道旅行土産の木彫りのくまキーホルダーがポケットの中でチャリンと鈴を鳴らす。

 いつも外そう外そうと思うけど、ばあちゃんが自転車に付いていると喜ぶから外せない……。

 今度のお土産はマシなのにしてくれよ。


「おはようさん。ちゃんとそこ、停めてなぁー。いってらっしゃい」

「ん。じいちゃんも頑張って〜」


 自転車置き場の地蔵もとい、シルバーなんちゃらのじいちゃんが、日影になっているところで、地面に座りたばこをふかしながら言う。

 そんな自由な馴染みのじいちゃんにひらりと手を振り、改札目指して駆け出した。


 間に合ってくれよ!!

 それだけで今日一日が最高に過ごせるんだからっ!!

「面白かった」

「続きが読みたい!」

「今後どうなるの?!」


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