97_桜花動乱_カナメ
カナメはそう遠くない未来に訪れるであろう嵐に備えていた。
(今は全ての組織を一つにするのが先決だな)
「天帝陛下、採択を――」
「アイボリーちゃん、あとはうまくやってくれよ?」
「……畏まりました」
「この件は一部の人間にだけ明かしておく、あとはそいつらと頑張れ」
アイボリーは一瞥する。
「では天帝陛下、大変不躾ではありますがこちらへ」
カナメはエイトボールに案内を受ける。
「行き先は?」
「ボロ小屋」
「おいおいエイトボール、ありゃあマジか?」
「はい」
突如現われるオンボロの小屋にエイトボールは案内する。
「こんなんに余が負けると本当に思ってるのか?」
「この小屋は、入るのは簡単ですが、脱出不可能です」
「え、じゃあどうするのよ?」
「別な能力で空間に穴を空けます」
「NNEDってマジでヤバイ代物なんだな」
「我々のは出力を強力にし過ぎた安全性度外視のものですからね」
「それだけ力が欲しかったのか?」
「ええ、まぁ、そりゃあ負けてられないので」
「元公安さんにも面子があるもんな」
「はい、あの二人には負けたくない」
「ふっ、じゃあ乗るか」
「色々説明ありますが」
「いいっていいって、任せる」
「これで天帝か……」
「これでも天帝です」
「まぁいいです。それじゃあエイトボール小隊へようこそ」
「おう、頼むぜ」
獣桜組とシルバーベルの騒動に巻き込まれたカナメはそのまま消息不明となり、シルバーベル内部ではエイトボールがカナメを封殺したという話が広まった。
話は面白いように進み、シルバーベル、獣桜組、君影研究所、椿宮師団は多少のわだかまりが残ったものの、概ね一つになった。
その多くの人間が、裏で何が起ったのかも知らずに。
桜花動乱 完




