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30_鼓動継承_AT_セレネ

 

 

 セレネは自宅兼工房兼秘密基地で優雅にティータイムを過ごしていた。

 

 

 深煎りのコーヒー豆を手動のミルで砕いて、ドリッパーにフィルターを噛ませ、コーヒーを入れ、熱々の湯をポッドに入れて少しだけ湯を注ぐ。それからしばらくコーヒーを蒸らし、いよいよ本格的にコーヒーを淹れる行程がスタートする。

 

 クルクルと湯をのの字を描くように注ぐ。ぷっくりと膨らむコーヒーが心地よい香りが立ち上る。

 

 ちょっとだけ埃っぽく古臭い建物がより一層コーヒーに雰囲気を与える。

 一人分のコーヒーを淹れ終えると、同じテーブルにあるバームクーヘンを豪快に手でかぶりつく。

 バターのコクのある甘い濃厚な味わいが広がる。奥からブランデーが現われ風味をより一層味に深みを与える。

 その甘さをコーヒーで流し込むとバウムクーヘンとコーヒーのマリアージュがなんとも心地よい。

 穏やかな午後のティータイム、セレネは至福の余韻に浸る。

 

「あれ……私、なんだか除け者にされている気がするわ……」

 

 セレネはバウムクーヘンをマジマジと見つめる。

 

「まぁ、美味しいから、いいわよね?」

 

 誰もいない自宅、外はまだ寒さが強い。それがなんだということも無いのだが、どこかで寂しさをセレネは感じていた。

 

今週投稿が不安定になります。来週から復活すると思います。

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