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109_決裂流出_アイボリー


 

 椿宮師団、シルバーベル執務室。

 

 アイボリーとクラウンはいくつかの書類に目を通しながら感染者組織とのルールや各種取り決め、二次感染予防策などの検討を行っていた。

 

 

 

「クラウン」

「はいはい」

「この書類、獣桜組からのだけど突っぱねておいて」

「またですか、隙あらば我々に不利な取り決めにサインさせようとしますね」

「まったく……逆恨みもいいところよ」

「ハッハッハ、流石にこれ以上やるなら少し脅しをかけますか?」

 

「頼める?」

「ええ、もちろん」

 

 

 クラウンは右手をパチンと鳴らす。

 

 

「はい、これでいいですか?」

 

 アイボリーはタブレット端末を覗き込む。

 先ほどの法外な書類は見る影もなく、そこにはいくらかの資金を無償で提供する書類とエマのサインが記されていた。

 

「うん、上々、あなたのNNED能力は本当に便利ね」

「多用するとあっという間に限界迎えるのでほどほどに」

「日に15分しか使え無いのだけは本当に厄介ね」

「こっちは3分ですよ。今の30秒、あと5回がせいぜいですね」

「それもちょっと書類を書き換えるだけ。もっと大きな事に使えばもっと限界は速い」

「ええ、でもまぁ、たまに使ってやらないと感覚が鈍るような気もするので」

「そうね」

 

「さて、この書類をあの牛女にちらつかせて来ますか」

「あ、私も行く。吠え面見たいわ」

「お、じゃあ行きましょう」

 

 

 

 椿宮師団、獣桜組支店。

 

 

「なぁにこの書類……」

 

 しっかりと自分のサインが書かれている書類にエマは苦い顔をしている。

 

「見ての通り、資金提供してくれるみたいだからお礼を言いに来たの」

「こんな書類にサインした覚えはないんやけど? 手の込んだ偽装書類やねえ」

「でも私たちにはそっちから送られてきたのだけど、送信履歴もあるし」

 

 エマは携帯端末を確認して更に苦い顔をした。

 

「……まぁ、このくらい泡銭や。何したか知らんけど今回は大目に見るわぁ」

「あら、それはどうも、では遠慮無く」

 

 アイボリーは立ち上がると足早にエマの部屋を出る。

 

「ちょいまちー」

「何かしら?」

「イタズラ、ほどほどに」

「それはそちらも」

 

 エマは目尻を一瞬ピクつかせる。

 

 

 

(ふっ、ざまぁ)

 


23話と24話に感想ありがとうございます!!

そしてゴメン、このカス女まだ生きてるんだ…………。

更新が不定期になってしまい申し訳ございません。仕事の方が立て込んでおり中々家に帰れない始末でございます。終電を逃し今週は毎日朝帰りです……労働フ○ックですわ~~~!!

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