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108_決裂流出_ナガト

 

 

 休憩が終わり、会議が再開する。

 

 

「では後半戦を始めます!」

 

 

 ミノはメンバーを確認する。

 

「む、クラマ殿が見当たらないでありますな」

「あー、あれならどっかにふらふら散歩に行きよったさかい無視してええで」

「了解であります」

 

 

 ミノはホログラフィックの映像を展開する。

 

「次の議題の方が少々厄介でありますな。天帝が不在になった瞬間、諸外国の不法入国が倍々に増えているであります。海はまだ手が回っているのですが、空路から攻められると厳しい状況であります。現にアメリカ国籍とおぼしき人物が数名上陸している記録もあります」

 

 ミノは水筒の水を一口飲む。

 

「そこで今一度、戦力の再配置を行いたいであります。これには各所属に関係無く、能力適性で判断するであります」

 

 

「戦力の再配置には賛成だが、君影研究所は専門家集団だ。こちらのチームを解体されるとウイルスの研究に支障をきたす」

 

 アンナは顎を撫でながら色々と考えているようだ。

 

「君影研究所は人数が少ないでありますからな、増員という形になると思いますのでご安心を」

「それなら結構、なんならユネとヒラを呼び戻していいだろうか?」

「あの二人は船医と軍医で、医療スタッフの乏しい椿宮師団と獣桜組にそれぞれ配属されていましたね」

「シュミットトリガ社のビーグルをいくつか提供があったからな京都から東京でも患者を運ぶことが出来る。医療設備についても椿宮師団の病棟が現状一番良い設備を保有している。病気の早期発見から治療まで直ぐにできる」

 

『ティルトローター機になるけど航空路を自動設定できるから無人航行も可能よ。ただし日本は台風や地震などの災害が多いから使え無い時もあるわ。もちろん簡単な怪我であれば医療用アンドロイドを配置して現場での応急処置も可能にしてあるわ』

 

「というわけで医療スタッフを回収したいということさ」

「ひとまずシュミットトリガ社の設備を導入した後に運用をチェック、問題がなければその計画で進めるのが良いと思います」

「問題ない。それで進めて欲しい」

「了解であります」

 

 

「医者の関係はええけど、うちのところは身内で固めとるんよ。情報漏洩とかもあるしなぁ」

「既に身内に内通者がいる可能性が高い今の獣桜組に情報漏洩も何もないであります」

 

(うわぁ……ミノさんマジかよ)

 

「言うなぁ、椿宮師団の鮮魚は生きがええなぁ」

「元気な事は良いことでありますな!」

 

(この人メンタル無敵過ぎない?)

 

「はぁ……ほんと喋ってるだけで暑苦しいわぁ」

「ハッハッハ! では獣桜組の沿岸警備として海底東京から何人か派遣を出します。その代わり獣桜組からは猿組を出して下さい」

「猿組ね。ええよ。でも海なら羊組もおるしそこまで人材を派遣することもないとちゃうん?」

「羊組は火力の面では申し分ないですが機動力に欠けます。今回から領海侵犯は即殲滅、生きて帰れる航路を渡すつもりはないであります」

「ふーん、じゃあそっちからは誰を出すの?」

「蒼龍を配備するであります」

 

(蒼龍……って何!?)

 

「本当に蒼龍を出すんか?」

「ええ、本気です。天帝陛下不在の今、この国を守るのは我々だけです」

「ふーん、それならこっちは文句なしや。それならこっちは兎組を出すさかい。好きに使うとええ」

 

「了解であります。兎組は斥候部隊として優秀と聞きます。楽しみでありますな!」

 

 

 

(兎組か……確かヤマトはノラとアナがNNEDの一件に関わっているって言っていたな。てことはエマさん、わざと動きやすくして泳がせているのか……)

 

 ナガトは手で口を覆う。

 

(だが、椿宮師団には親であるアンナ先生とトモエ殿下がいる。そこへ接触を許せばもし黒だったとき大変なことになる……)

 

「まぁ、兎組なんて大したことない。東京には愛国者がおるからな」

「む、愛国者ですか。小職もいつかお会いしてみたいですな」

「ふふふ、せやなぁ」

 

(愛国者?)

 

「さて、一応議題は片付いたでありますが、他に何かある人はいらっしゃいますか?」

 

 全員が沈黙を返す。

 

「では、少々アクシデントがありましたが、これで会議を終るであります!」

 

 

 

(やっと終った……)

 

 ホッとするナガトだった。


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