表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/127

自由研究にいそしもうと思う4

 蒸したカブの素材の味を存分に味わいながら、リィトはひとまず目の前の食事を楽しむことにした。



 ***



 農作業というのは、朝一番から昼過ぎまでが一番忙しい。


 昼食後に昼寝と日光浴(たぶん、光合成的なのをしている)をする花人族にならって、リィトもベッドに横になろうと自室にもどっていた。


 フラウは仲間と一緒に、畑のそばにコロンと横になって昼寝中だ。


 花人族はみんなピンク色や緑色のファンタジーな髪色で、さらには体のどこかから植物を生やしている。


 集団で寝転がっているのを遠目に見ると、花畑ができているようで綺麗だ。


 なかでも、フラウは髪色も頭に咲いている花も、かなり美しいほうだ。


 窓の外に見える、花人族の集団昼寝を眺めていると自然にあくびが出てきた。


「Hey、ナビ! 一時間後に起こして」


「一時間後のアラームをセットしました……。質問。マスター、こういったご用件の際だけノリがアレなのはなぜなのでしょうか」


「いや、癖というか、なんとなく落ち着くというか……」


 スマホ世代の最古参なもので。


 ベッドに体を預けたリィトは、ふとあることに気がついた。


「あっ!」


 思わず、飛び起きる。


「見てくれ、ナビ!」


「どうしましたか、マスター」


「芽が出てる!」


 ベッドサイド、日当たりのよい場所に置いていた鉢植え。


 宮廷魔導師団の物置から発掘した、謎の種子X。


 植物魔導に人生を捧げてきたリィトでさえも、なんの種子だかわからない青く光る種子を植えて置いた鉢植えに小さな目が出ていた。


 ぴょこんと土から顔を出している、一枚の葉っぱ。


(謎の種X、単子葉植物だったんだ……)


 まず思ったのが、それ。


 まじまじと観察をしてみる。


 若緑色の葉から、ほんのりの青い光が放たれている。


 いや、よく見てみると、青から紫に、赤から橙色に……少しずつ光の色合いを変えながら美しく輝いている。


 魔力の光だ。


 発芽した葉をよく観察してみるけれど、今まで目にしたどんな植物とも似ていない……でも、とても美しい。


 そっと、芽に触れてみる。


 毎日じっと様子を見て、手塩にかけて世話をしていたのが報われた。


 ちょん、と葉に指先で触れる。


「か、か、可愛い……っ」


 これこれ、この感じ。


 リィトは悶えた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ゲ、ゲーミングカラー...
2022/03/12 10:46 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ