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住民を受け入れようと思う。4

 精一杯、悪ぶった。


 無表情無感情を気取るナビが、ふと笑った気がする。


「マスターはお優しいですね、相変わらず」


「優しくないよ、せいぜいお人好し」


「自分で言ってしまうと、少しアレです」


「だから、アレって何さ」


「マスターは偉大で優秀な反面、おひとりで全てを背負い込みすぎるきらいがあります……使えるものは使うというのならば、ナビのこともご活用ください」


「今日は素直じゃないか、ナビ」


「……。マスターのそういった言動は、本当にアレでアレです」


「ナビも照れたりするんだね」


「……マスター」


「ごめん、揶揄いすぎた」


 いつも言葉を濁す相棒と笑いあって、眠りについた。


 翌日、フラウを通してリィトの畑に花人族を招き入れることを伝えた。


 盛大な宴セカンドシーズンが始まって、リィトは花人族秘蔵のベリー酒をしこたま飲まされることになったのだった。



*****


特報号外:情報ギルド【ペンの翼】


 帝都からスゴ腕の魔導師、下大陸に来たる!?



 謎の魔導師の活躍が話題となっている。


 当ギルドの記者マンマによると、下大陸随一の都市であるギルド自治区ガルトランドにて超スゴ腕の魔導師が目撃されている。


 運送ギルド〈ねずみの隊列〉のメル氏の証言によると、謎の魔導師らしき人物は帝都から単身でギルド自治区に入国したと見られている。


 マンマ記者が決死の潜入取材によって遭遇した魔導師の立ち回りは見事だった。触手のようなものを自在に操り、街の治安を乱した者達を一撃にて沈めた手腕はかなりの手練れであることが窺える。



「わがはいの分析ではぁ、あれはまったく本気出してないかんじだにゃぁ~」



 マンマ記者はこのように証言している。


 深刻化していた赤ベリー不足の解消にも、謎の魔導師が関わっていることを情報ギルドは独自のルートで入手した。



 治癒ポーションの原材料である赤ベリーが歴史的な不作により高騰していた問題について、冒険者大国として知られる上大陸のロマンシア帝国との貿易問題に発展する可能性があったため、ギルド構成員の一部からはこの魔導師を探しだし表彰を行うべきであるという声もあがっている。


******



 徹夜明けの目をこすりこすり、ふわふわ尻尾の猫人族マンマはガルトランドの朝市をぶらついていた。



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