第三チャラ男王子の謀り事
タイトル名なかなか上手く出てこなかった。
ルビ打ち機能にウェイした結果こうなりました。
その物語はとある学園から始まる
そしてボクの物語は、とある令嬢が朝日射す崖から飛び降り自殺をしたという訃報から始まりを告げる
それはそうとボクには前世の記憶があり、幼少時にそれは目覚めた
ここはどうやら「恋舞い上がる学園」(略:こいまい)を舞台にした世界、らしい
らしい、というのも、前世での妹がはまりにはまり、あれこれ付き回され、それの基礎知識がガッツリ脳に刻まれるぐらいには語られた乙女ゲームだったからだ
なんなら二次創作のBLとか見せられた
現世のボクと懇ろになってるキャラとは出来れば付かず離れずにいたいなぁと思った
話は元に戻す
とある令嬢、シャローナ嬢はボク達の幼馴染みで、レイヒム兄上の婚約者で、彼らは相思相愛だった
サヴート兄上もボクも彼女が好きだった
三人の王子に愛された公爵令嬢で、今世でもゲーム内でも故人であり、レイヒムが病んだ原因である
ゲームの話をしようか
とある隠し子であった男爵令嬢が、学園にやってきて、王子や側近達らと恋をするというもので、サヴート兄上や、ボク、騎士団長令息、宰相令息、大商会子息等の攻略対象が主なメンバー
出来ればそこで終わって欲しかった
因みにルビ打ちはボクからのイメージ含むのでごめんしてねテヘペロ
今世のボクはチャラ男ではなかった
が、前世の生き方があってたので、出来れば其方を目指したい
よし、チャラ男になるか!といろんな茶会や夜会に出ては素敵なレディ達をツマミツマミ、浮き名を流す事にした
レディはいいよー美人さんに可愛い子、いっぱいいるし、王子というだけでレディホイホイだし、選り取りみどりだ
サヴート兄上の婚約者のアルベラ嬢も美人で、騎士団長令息の婚約者カチュア嬢は凛々しく美丈夫だし、宰相令息の婚約者のスフィア嬢は知的で博識だし、大商会子息の婚約者のセティ嬢は愛らしく話上手だ
なんで可愛い婚約者がいるのにただの男爵令嬢と懇ろになっちゃうんだろうね、本当
まぁ、それにはカラクリがあって、男爵令嬢がくれるお菓子にヨロシクナイものが混ざっているというなんちゃらなのは、勿論前世の妹がフルコンプしてて、必須アイテムが手作りお菓子なのである
ありがとう妹よ、じゃないとボクも落ちてたかも
まぁ、それだけでなく皆が抱える問題を彼女が解いていくというのもあるのだが
とにかくキャラ付けの為にハーレムを築きつつ、どうにかシャローナを救いたいと準備を進めていた
ゲーム内では、レイヒムと騎士団長令息の兄ジルドレが隣国との戦場に駆り出されてしまう
軍備が尽きた彼らは辛勝するもジルドレは命を落とす
そして彼らが出掛けた矢先に、シャローナはサヴートに凌辱されてしまうのだ
そして冒頭の通りレイヒムは病み、立太子候補から転落することになる
だからボクは父、陛下に軍備に余剰を持たせてと、願い出た
が、軍備問題には許可は出たもののボクのハーレム問題やら何やらのしでかしがあったので、父にだけ前世の話を切り出した
が、話を信ずるに値する事柄があるまで謹慎となった
結果として兄もジルドレも生きて生還したが、その間の事は防ぐ事は出来ず、シャローナを喪う事になる
シャローナは兄への操を護れなかった事や、信じていたサヴートに裏切られ散らされた事に苦しみ悲しみ、レイヒムとの想い出残る朝日指す崖から飛び降りたのであった
その後レイヒムは病み、その崖から近い別荘にて心を失くしたように幽閉されている
そして今回の事を重く見た父は、ボクの行動を黙殺すると決めたようだ
端からは立太子候補から外され厭きられたように感じただろうか
ボクの奇行は放置された
そして三人の中で残ったサヴートが調子に乗って、俺様王子枠として出来上がる
いやその素養は元からあったかも知れないけど
そして学園へと舞台は移る
まぁ、サヴートとガヴェインとアヴェルが入学したというか、彼らが卒業時にヒロインが告白して恋人になってエンディングとなるストーリーだ
そして、大商会子息、ボクと同年代としてヒロインは2年からの転入となる
ボクは三人のお姉さまを侍らせ、色んな子と合瀬を楽しみ、色んな伝手を入手した
遣り手ババァのエルベリア夫人とも仲良くなり、情報網も手に入れた
が老獪ながらも彼女は強敵だった
それでも折り合いをつけれたのは幸いで、彼女を辛くも手に入れられたのはやはりシャローナの影が背を押したのかもしれないが、ボクの理想を彼女にも話す
これからの女性の在り方、である
前世では父を早く失いシングルマザーである母や社会で働く姉妹の姿を尊敬していた
今世での女性の立ち位置は辛く、男社会だ
そしてボクのお姉さま達は、実はボクの秘書として、また各種に優れたスキルを持った素晴らしい女性達だ
彼女らのスキルはちゃんと正しく称されるべきだと思う
ボクは女性を介して世界情勢を手に入れた
二心ある臣下や、悪しき情報、誰が正しく誰が悪か、チャラ男という道化を演じつつ、少しづつ盤面を整えていく
キングとなるのはボクではないのだが、それは追々
「こいまい」が始まった
ボクは女の子達と懇ろになりつつ、ヒロインに気づかれないぐらいにはイベントにお付き合いし、食べ物だけは持ち帰ったり、その場で断ったりして証拠品を集めていく
攻略対象の婚約者ズには愚痴を聞かされた折りに、スケジュール確認と証言者把握の証拠をとっておく事をお願いしておき、彼女らの疵とならないようにした
ハーレムちゃん達にも彼女ら護るように、ヒロインと2人きりにさせないように、またヒロインのお菓子を口にしないようにお願いした
婚約者達は悪くないものな
サヴートはヨイショすれば直ぐに落ちる
ガヴェインは兄との確執から解放されて落ちる
アヴェルはスフィアに負ける現状から解放されて落ちる
ツヴァイはセティ嬢の子爵家の出資がなくても商才があるよと絆されて落ちる
ボク?は本当の愛を貴方にあげるといわれて落ちる
そんな彼らの方がどうかしてるよな
逆ハーの時のボク?の気持ちってどうなの
自分?もハーレム持ちだからオッケーなの?
どうなの?
そして一年が終わり、卒業パーティの断罪がはじまるのである
ボク以外の攻略対象らが壇上に上がる
そして、婚約者らが、彼らに呼び出される
「アルベラ、お前と婚約破棄し、マリアと婚約する事にする!」
そしてテンプレ通りヒロインの言い分だけの証拠でもって罪状を読み上げるアヴェル
アヴェルらに対し、アルベラらが集めた証拠を詳細に語るスフィア
ウンウンと彼女らの言葉に肯定し頷く観客者達
そして、ボクは静かに待っている
父、ではない
「そこまでだ!!」
凛々しい声を聞くのは久しぶりだなと思う
待ってたよ、兄上
立ち上がる日を、ずっと
壇上に向かうは第一王子レイヒム
ボクの最愛の兄上で、ボクが唯一仕える王、だ
「レイヒムさまっ!!」
ヒロインはサヴートを押し退けてレイヒムに寄ろうとする
が、レイヒムの前のジルドレに止められる
それでも嬉しそうなのは、攻略対象でなくとも男好きだからか
まぁ今さっきのサヴートの顔面白かったからいっかー
「マリア、君には魅了効果のある劇物所持の疑いと、各令嬢から苦情なども来ている」
それな
「男爵共々、国家転覆の疑いがあるので拘束させていただく」
令息達を睨みあげ更に足を進める
「令嬢達に対する捏造や態度はあまりに酷すぎる!それぞれ沙汰が与えられよう」
攻略対象の令息達も警備兵に連れられ場を後にする
ヒロインはぶつくさと「私がヒロインなのに、逆ハーでやっとレイヒムが出てきたのに……」と正気を失っていく
そしてラスト
レイヒムがサヴートに詰め寄りシャローナについての罪状を突きつけていた
レイヒムは言葉荒く激怒して、そして、剣に手をかけかけた
ボクはそっと止める
「シャローナは喜ばないよ、兄上も彼女の笑みを曇らせたくないでしょ?」
ボクは兄上を抱き締めた
サヴートはジルドレに連れていかれた
「シャローナが見たかった世界を、ボクらで作ろう?」
「そうだな……彼女の為に……」
そして「こいまい」は終わる
王太子はレイヒムになった
ボクは臣下として降り、彼のサポートをした
アルベラ嬢はレイヒムを支え、彼の婚約者になった
自他共に厳しい人ではあるが、そういった方が王妃として相応しいのだろう
お姉さまの一人が彼女についた
カチュア嬢はジルドレの部下となった
ガヴェインについては彼の頑張りがあれば元サヤになっても……という所だがジルドレに口説かれてるともハーレムちゃん達から聞いた
頑張れガヴェイン……
スフィア嬢は、お姉さまの一人と師弟となり一緒に文官となった
セティ嬢はエルベリア夫人の弟子兼侍女となり、彼女のスキルを受け継ぎ、ボクを支えてくれるらしい
ボクのお姉さまは一人になってしまった
今の立ち位置でいい、ということだけども、ボクは彼女と婚約した
後は彼女が主だって女性達のバックアップをこなしてくれるらしい
出来れば男性女性関係なく社会に貢献できる情勢になればいいなと思ってる
それはそうとレイヒムについてだけども、前世であったヒアリングCDよろしく、シャローナの兄のナルサシスに勉強内容を語らせ聞かせて聞かせて刺激して、また、ボクらも慰問したり、シャローナとの想い出を語ったり、揺さぶれる何かを探し続けた
サヴートの罪を暴くべく情報収集に余すことなく突き止めて、やっとレイヒムを目覚めさせる事が出来た
サヴートは罰せられ死罪とされた
といっても裏で、とある機関のモルモットとされ、何度も刻まれ苦しみ、直されては、また身体を弄られ苦痛に叫んだんだとか
ヒロインについては、色んなバッドエンドがあるのでお好みに想像してくれていいと思う
攻略対象子息らも、だけど
婚約者と真摯に向きあえば問題は解消されていたと思う
それだけの気持ちや優しさ、慈しみが彼女達にあったのだから
ボクはやっとひとごこちついている
ゆっくりと部屋の掃除を始めた
前世では色んな仕事をしたのち、専業主夫となっていて、家事の仕事が楽しくてしょうがない
ただ、神様に1つ恨むとしたら、シャローナの死についてだ
隠し攻略対象のレイヒムのトラウマの為に、シャローナは死ぬ事になった
結局彼女を救えなかったのは心苦しい
ヒロインの為に死ぬ命、ボクはそれを減らしたかったし、護りたかった
だからボクはチャラ男の仮面を被り道化となった
その後悪政をひくサヴートを廃し、賢王となるレイヒムに王の座を渡せたのは本当に良かった
「レイヒムが作る世の中を私も一緒に見てみたいわ」
ね、リュークも思うでしょ?
そう微笑む彼女が好きだった
朝日指す崖から、彼女が好きだった白百合の花束を放り投げた
緩くに結ばれたリボンはほどけて、花束は1つ1つ舞っていく
そしてボク、第3王子リュークの物語は終わる
そして、女性達が明るく働ける世界を作っていく
シャローナも望んだ、その世界を
一気書きだと、情報を何処で小出しするか悩みますね。
あと、何処まで読み手に(想像を)任せて良いのかにも悩みます。
ルビ打ち大目で読みにくいのに最後まで読んでいただきありがとうございました。
直されて、は治されだと人っぽい扱いなので、あえて直されて、と表記してます。
年代?は
レイヒム、ジルドレ、ナルサシス、お姉さまズ
シャローナ、サヴート、ガヴェイン、アヴェル、各婚約者令嬢
リューク、ツヴァイ、ヒロイン
とわかれてます。