序話 カメラと女の子
あるところに、物語が大好きで非常に好奇心旺盛な少し変わった女の子がいました。
なぜ『少し変わった』という形容詞が付くかというと、その1つ目の理由として彼女がいつも持ち歩いているカメラにありました。
ただカメラを持ち歩いている写真好きの女の子・・・・・・、ならこんな形容詞は付かなかったでしょう。
そう、彼女が持ち歩いているカメラはただのカメラではなく・・・・・・、『いわく付き』のカメラでした。
そのカメラは基本的に普通のカメラと変わりませんでした。いわく付きと言っても、取った写真にいないはずの人が写って心霊写真になったりということはありませんでした。
そのカメラは時々、風景や人等を取ったはずなのに全面真っ白か真っ黒に写ることがあるのです。
もちろんそれだけではなく、その全面真っ白か真っ黒の写真を印刷すると、写したはずのない物が浮かび上がってくるのです。
それは、人だったり、物だったり、風景だったり様々な物を写しました。取ったはずのない様々な物を・・・・・・。
これだけ聞くと、害はなくても少しはゾッとするかもしれません。
しかし、少しも怖がる必要はありません。
なぜなら、あの少し変わった女の子がこのカメラを『上手く』使っているのですから。
というのも、このカメラ、ただただ『思い』を写すカメラだったのです。
ちなみにこのカメラがあの女の子の実家の神社に、いわく付きカメラとして届けられたのは、1990年のこと、そしてそのカメラが害はないと認められ、ただただ思いを写すカメラだと認められたのは、2007年のことでした。
そして、その数年後にあの女の子がこのカメラをあくまで趣味のために使うようになりました。
その時彼女はもう高校生になっていました。
いやぁ。本当に、使い道があることが認められてよかった。
危うくカメラは焼却炉行きになるところでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
こんにちわ。
はじめまして、河咲円です。
はじめての投稿でいたらないところだらけだと思いますが、よろしくお願いします。(*- -)(*_ _)ペコリ