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6話

今回は色々と説教くさいので人によっては受け付けられないかもしれません。

翌朝まだ燻る焚き火を囲み目が覚めると出来ていた朝食を食べていると昨日から考え込んでいたベネディクトが口を開く

「ミリオ、お前は父親から魔法についてどこまで教えてもらっている?」

唐突な質問に加えて何も習っていないと言えない恥ずかしさが相まってあっ、あの・・・などと吃っていると

「魔法について教える必要があると以前から考えていたのだが昨夜の襲撃で急ぐ必要があると判断した。なのでお前の魔法の理解についてどこまでなのかを知っておきたいんだ。」

と言われて昨日の光景が目に浮かぶ。

自分一人でいた時にあんな風に襲われたとして今目の前にいる2人特にベネディクトの様な対処の仕方ができるかと言われれば自分にはできない。

「父さんからは俺が平和な時代を作る。だからお前には戦うだけではない普通の幸せな人生を送って欲しいって言われてて何も教わっていない・・・」

己の無力さを言葉にするというのがこんなにも胸に刺さるものだと思い知った。

「ふむ、では魔法とは何だと思う?」

想像もしてない言葉が返ってきたので今の自分が思う事をそのまま言葉にする。

「魔法っていうのは自分の身体の中にある魔力を使って火や水や雷とかを起こすもの・・・だと思う」

「普通の人ならばそう考えるだろうな。魔法とは己の魔力を依り代にこの世界に溢れるマナに干渉をして起こすものだ。だから呪文というのはその補助でしかなく慣れた者であるならそれを必要とはしない。これを理解せずに魔法を使うと取り返しのつかない事故が起こることがある。」

そう聞くと急に魔法というものが怖く感じた。身近にあるのが当たり前だと思っていたものが実は危険な物だと教えられると身体が震えた。

「怖いか?だがそれでいい。正しい使い方を知らず怪我をするよりは正しい認識と使い方を学べば魔法はお前の敵ではなく味方なのだから」

「じゃあ僕に魔法の正しい使い方を教えてよ!僕は・・・もう誰も何も失いたくない」

自分自身の決意を言葉にしておかないとこの先何かあった時に逃げ出してしまうと思った。

「ああ、勿論そのつもりだが一つ言っておく。力を得てそれをどう使うか考えておきなさい。その力で何をするのか。誰も失いたくないと言ったがその言葉の意味を理解しているのかきちんと己と向き合い答えを出す必要がある。魔王を倒す、その為に力が欲しいのなら魔王を倒したその後はお前の力はどこに向かうのか。返答次第ではいくらバートの願いとはいえお前に魔法を教える訳にはいかないからな。力に魅入られた者の末路ほど悲惨なものはないんだ・・・」

そう言って席を外し御者と今日の予定について話しを始めているベネディクトの背中を見て復讐の為に力を欲していた自分を恥じた。


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