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35話

アレクセイを倒し疲れ果て大地に突っ伏すフランとミリオの元に見た事もない女が一歩また一歩と近づいてきた。

「おい、ミリオ。アイツ誰か知ってるか?」

尋ねられて首を横に振るがその場にいる1人だけはその女の正体を知っていたようで

「セントラルの王女様?」

と独り言のように呟くのであった。

そして3人がハッキリとその姿を認識できる距離まで近づいてきた女は言う。

「さて、勇者様はどちらでしょうか?」

その問いにフランが俺たち2人だ!と答えるが目の前の女は首を傾げて暫く考えた後で

「それは有り得ませんわ。勇者は貴方ですもの。もう1人からは神の血の気配を全く感じませんし。」

とフランを指さす。

「俺だけが勇者?じゃあミリオは?コイツは前の勇者の子供だぞ!」

と反論をするが

「ああ、そうですか。」

と興味すらない様子でジッとフランを見つめる。

「貴方、まだ覚醒はしてないようね。これなら問題なく殺せるわ」

と言い放つ顔が恍惚に満ちていてが3人からすると悪魔の微笑みにしか見えなかった。

「では、改めまして勇者様。初めましてご機嫌よう。そしてさようなら。」

というが早いかフランに対して細剣を抜き向かってくる。

それをアレクセイが盾を持って防ぐが細剣が盾を砕きアレクセイの腹を突き破った。

それを見て女は

「ああ、この鍛えた体に空いた穴から滴る赤がとてもとても綺麗よ。」

そう言ってアレクセイに頬擦りして耳元でもっと貴方の魂の声を聞かせてと言い瀕死のアレクセイを痛めつける。

フランもミリオもその光景が余りにも非現実的であり動けづにいたがアレクセイが逃げろとただそれだけを繰り返すのでミリオはフランの手を取り家の中に入っていざという時のための脱出口へと急ごうとするがフランは動こうとせず、身体を怒りに振るわせていた。

次の瞬間には女に向かって斬りかかっていた。

ミリオは1人逃げようとしたがフランを置いて行くのは躊躇われた。

それ程長く付き合いがあったわけではないが苦楽を共にし兄貴分の様に接してくれるフランを見捨てる事は出来なかった。

ミリオも意を決して魔法での援護に入るが2人がかりでも全く歯が立たなかった。

「勇者と言っても覚醒すらしてなければこんなものですわね。」

そう言ってフランに対して殺意を向け細剣を突き立てようとした時始原の魔女の家の扉が開きそこから誰かが出てきたのであった。

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