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31話

パニスタの王宮に避難した人間たちにこの惨状を生み出した人間が頭の中に声を届ける。

その内容は至極簡単なものだった。

「そこから生きて出られるのは1名のみとする。そこにいる全員で殺し合って犯しあって最後まで生きていた人間のみだ。まぁせいぜい頑張って己の悪に身を委ねてくれ。」

そう言って頭に響く声は鳴り止んだ。

そこからは地獄だった。

白亜の宮殿内部は血で赤く染まり女の悲鳴と男の笑い声が響いていた。

あるものは精神を病み自ら命を絶った。

あるものは神に祈りを捧げながら殺された。

あるものは今まで虐げられてきた腹いせにと自分が為せる悪虐の限りを尽くしていた。

そしてその対象は王族にも及ぼうとしていた。

国1番の美貌を持つと言われる第一王女メアリーは立て篭っていた部屋のドアがもう少しで破られそうなのを必死で抑える護衛と侍女を見ながら辱めを受けるくらいならいっその事王族として女として純血のままこの命を終わらせたいと護身用のナイフを喉に突き立てていた。

ドーンという激しい音と共に部屋のドアが破られ男たちが入ってくる。

次々と殺され犯される護衛や侍女を目の当たりにしながらメアリー本人もまた悪漢達の手によってナイフを奪われ辱めを受けていた、

この時メアリーの中で何かが音を立てて壊れていった。

王族として恥ずかしくないように女といえど護身術や剣術など一通りのことは学んでいたので人間の壊し方は知っていた。

知ってはいたが実行には移していなかった。

だが、彼女は心の奥底では本人も気づかないような気持ちがあった。

学んだ技で人を壊したい。

自らの身体を穢している男に抱きつきねだるような声を出したかと思うと次の瞬間男の首は上下が逆になっていた。

初めて自分の手で人を殺めた事実は罪悪感よりも快感の方が優った。

メアリーの中に巣食っていた悪がこの日目を覚ました。

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