25話
家を出て目の前に広がる草原に立つ2人に対して
「さて、先ずは剣から始めようか。2人ともそこにある木剣を取るんだ。」
「何言ってんだよ。木剣なんてどこにも・・・」
そう言いかけて魔女の指差す方向に視線を移すと綺麗に並べられた木剣があった。
フランが剣を取りカトレアに向かって歩いて行く中ミリオは思いを口にした。
「僕の適性は魔法の筈なのに何で剣の稽古も受けないといけないんですか。」
その答えはすぐに返ってきた。
「理由は2つ。1つは魔法は近接に弱すぎる。剣だけでなく体術も学んで少しでも生き残り勝つ確率を上げる為だ。2つ目はどちらかが倒れた場合に備えてだ。なのでフランにも魔法は学んでもらう。」
それを聞いて納得したのかミリオも剣を取る。
「じゃあ、始めようか。先ずはこいつに勝てるようになってもらおうか。」
そう言って地面に浮かぶ魔法陣から人が現れた。
「彼はこの国の兵士の中でも上から数えて3番目の男だ。君達の指導、もとい相手としてはこれくらいからが妥当だろう。」
「開祖様。3番目の男とは些か納得しかねる表現です。私にも名前はありますのでそちらの紹介をして頂きたく思います。」
「これは失礼。3番目の男アレクセイだ」
「だから3番目というのは必要ないと思うのですが。」
だがこれ以上の問答は無駄だと悟ったのか大きなため息を吐いてアレクセイは2人に向かって会釈をし
「君達2人を一般兵並みには戦えるようにしろと言われております。時間もありませんし少し厳しくやらせていただきますがよろしくお願いします。」
と言った。
「おい、何が万能なんだよ。てっきり俺はあんたが稽古をつけるものだと思っていたんだが。」
フランが少し苛立たしそうにカトレアに食って掛かる。
「何を言ってるんだい。私は魔法使いだよ?どうやって剣なん教えられるというんだい。それに帝都からここまで転移させるのがどれ程難しいか。万能者たる私でなければ」
そこで諦めたのかフランはあーもう分かったよと手を横に振り剣を構える。
「で、どっちからいけばいいんだ?」
「君達2人がかりでも今のアレクセイには手も足も出ないだろうから思いっきりやっていいよ。」
そう言われてカチンときたのか
「世界最強を目指すんだ山は高い方がいいよな!アレクセイさん!アンタには悪いが俺が最強になる為の踏み台になってもらうぜ!」
と啖呵を切って飛び出していく。
それにつられてミリオも飛びかかるが、フランの下からの振り上げを難なく受け流しそのままミリオの上段からの攻撃を受けてから払い退ける。
「まぁ、こんなものでしょうな。さて、どうしたものか・・・開祖様、このまま続けたとしても短期間での成長は見込めないでしょう。先ずは型を徹底的に身体に教え込むべきかと。」
「君に全て任せるよ。」
そう言われてアレクセイは頷き2人を一刀の元に斬り倒した。基礎の基礎からの訓練が始まりである。




