24話
どこから取り出したか分からないくらい大きなキャンバスを2人の目の前に置き「ここに2人は何が見える?」と問いかけるカトレアだった。
しばらく2人は目を凝らしてそのキャンバスを見ていたが
「天まで届く塔が見える。」
フランがそう言った。
「ふむ、塔か。ミリオはどうだ?」
話を振られたミリオはその言葉が耳に入らないくらいにキャンバスを見つめるのであった。そして暫くして
「何か果物の木が見える。」
「ほう、果物か。何の果物か分かるかい?」
「これは・・・・イチヂク?」
それを聞いたカトレアの眉がピクリと動き一瞬険しい皺を作るのであった。
「イチヂク・・・か」
これで何が分かるんだよ!とフランは待ちきれない様子で急かしてくる。
君達の適性が分かるのさ
「フランは剣・ミリオは魔法に適性があるようだ。」
そこでカトレアは言葉を止めた。止めたというよりは言うべきか迷ったと言った方が正しかった。
「フランは既に勇者が使える技を使えるようだし剣に適性が出るのはまぁ当然だろう。そこで聞きたいのはフラン君は勇者の魔法は使えるのかな?」
そう聞かれて気まずそうに首を振るフランを見てカトレアは今回の、いや最後の勝負に神は何て事を企むのだと天を仰ぎ憎らしげに見つめるのであった。
「フランが剣・ミリオが魔法。これが指す答えは勇者の剣技はフランに、魔法はミリオにと考えるのが当然だ。」
「ちょっと待ってください。僕は魔法はまだ初級の物しか扱えないのにいきなりそんな事を言われても。他に勇者の魔法が使える人間が居るかもしれないじゃないですか。」
「君は、君の血筋に於いてはそれはあり得ない。何故なら君の一族は神と交わった人間の直系だからだ。だからこそ神々の主は君の一族に呪いをかけた。このゲームから下りることを許さない呪いだ。ネストは剣技をフランが使えたことで今回のゲームの勇者はフランだと思い込んだようだけど・・・あの子もまだまだ浅慮だね。バートが死んだ事が余程ショックだったようだ。」
つまりだ、君達2人で勇者という事は相手もまた同じという事だ。
そう言い放つ目の前の少女を2人が見つめて次に互いを見つめ合う。
「俺たち2人が勇者?ミリオは分かるけど何でオレが?」
そう尋ねるフランにあまり同じ事は言いたくは無いがと小さく洩らしながら
「君の願いが誰よりも強かったからだ」
そう短く答えた。
カトレア自身もこれは予想していなかった事でミリオは今回の戦いには外れたとばかり思っていた。
目の前にいる自身の子孫を哀れむように申し訳なく思うように見つめてから一言切り出す。
「じゃあ腹も膨れただろうからそれぞれの適性に合った稽古をしようか」




