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23話

「バートの、アルバートの願いはこの因果を断ち切り世界を解放する事だった」

ミリオの呟きに対してカトレアはそう答えた。

「世界を・・・解放?」

「君達2人はこの世界の名前を知っているかい?」

「何言ってんだよ。そんなの当たり前じゃねぇか。『エデン』だろ?」

「そうだね。だが、この世界は正しくは箱庭なんだよ。神にとっての暇を潰すためのね。戯れに作ったこの庭で自分と同じ姿をした者達を作り観察してきたのがこの世界の始まりだ。」

「何だよそれ、そんなの俺達がその神とかいう奴らのおもちゃみたいじゃないか。」

「みたいではなくおもちゃなんだ。自分達の作った庭で生き物を飼うのと同じ事なんだよ。ただ、そこで一つの問題が起きた。自らが作り出したおもちゃに恋をしてしまった神が現れたんだ。そして2人は結ばれてその子孫たちが・・,というより神の血が世界に広がってしまった。」

フランとミリオはそれの何がいけないのか分からないらしく首を傾げる。

それを見てカトレアは更に言葉を続ける。

「人に神の血が混じった事により神々の主人は大そう怒った。完全な存在が自らが作り出したおもちゃたる不完全な者と交わるなど許せることではなかったようだ。それによって起きる問題は2つあった。1つは誰にも負けない位に同じ願いを持つ者が2人揃ってしまうと相手を倒すとその願いが叶ってしまうこと。2つ目はそこを他の神に目をつけられどちらが勝つかというゲームにされてしまったこと。そして勇者と魔王。白と黒に色分けされどちか一方の色が一定値に達するとこの世界は壊れてしまうという事だ。神にとってはおもちゃに与える罰と共に自らの暇を潰せる格好の遊びなわけさ。」

話し終えたカトレアはカップに並々と注がれた温くなった紅茶を流し込む。その間聞いた話をにわかには信じられないという顔を鏡でも見るかのように2人は顔を向き合わせていた。

「じゃあ、じいちゃんが光の中に消えた理由は?」

ミリオが口を開く

「この時計を見てごらん。」

「ほぼ真っ黒で白がほんの少しだけ残ってる」

「そうだね。これが全て黒で染まると世界は終わるのさ。アルバートに勝った魔王が消える事により本来ならこの時計が黒に染まるはずだった。」

「じゃあ何で・・・」

「ミリオ、君の祖父は魔王を倒した勇者だ。だからその命と引き換えて君の父が敗北する前の状態に戻した訳だ。この意味が君に分かるかい?」

「つまり、次に勇者が負ければ世界は終わるって事?」

「なかなか賢いじゃないか。嫌いじゃないよそういう子は。」

「次の勇者は誰になったのか分かる方法はあるんですか?」

フランが聞いた言葉を待っていたとばかりにカトレアは口角を上げるのであった。

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