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18話

任せろと言われたのでフードを被って出発しようとすると

「あーフードは被らないでいいぞ。すこーしだけバレないように魔法を使うからな。」

そんなことができるなら最初から使っておけばいいじゃないですか!と毒を吐くフランに対して

「これは長時間使うのはジジイには少し辛くての」

そう言われるともう何も言えなくなり仕方なくフードを取る。

「じゃあワシのローブを掴んで決して離すでないぞ。」

そう言われたのでそれぞれ左右に分かれてロープを掴む。

では、行くか!

そういう言ったと思うと目の前にいたはずの祖父の存在が急に薄くなるのを感じた。それはフランも同じようで

「師匠が消えた!?」

と思わず大きな声を出してしまうほどであった。

「バカタレ!大きな声を出すでない!周りの認識からワシという存在を限りなく薄くしただけじゃ!お前たちにも同じ様に魔法をかけるから決してワシのローブを離すでないぞ。」

そう説明されてローブを握る手により力が入った。

「では行くか。」

そう言って握り締めたローブが進み出したので慌ててその後をついて行く。

大通りには人が溢れていてぶつからない様に慎重に進んで行く。先程フランが歩いた道を自分も今度はフードを外して歩いているのだと思うと少し嬉しくなった。

大通りを抜けてまた裏道に入り端で寝転んでいる人や座ったまま酒を飲む人などを横目に進んでいき海の見える道へと出た。

そこを更に街の外れの方へ進んでいくと何やら大きな屋敷が見えてきた。その屋敷の前へと到着すると3人の魔法が解かれたのかお互いの存在がハッキリと認識できた。

屋敷の門番は急に目の前に現れた3人に対して驚いた様だったがすぐさま手に持った槍をこちらに向けてくる。それを気にもせず祖父が一言

「カトレアは屋敷におるかの?古い友人が会いに来たと伝えてくれんかの?」

と言うと門番は如何にも怪しい奴だと言わんばかりにこちらの事をマジマジと見つめ懐から何やら取り出し

「オイ!この顔」

と相方に肘で合図を送ると

「手配犯が我が主人に何用か。」

と問答が始まった。

やれやれと頭を掻く祖父を見て自分達はここで捕まってしまうのではないかと不安に押し潰されそうになるミリオを横目にフランは屋敷と海を交互に見てスゲー!デケェ!と言うのを繰り返していた。

「ここの主人はカトレア・ノーマンヒルで間違いはないのかの?」

と確認をしようとしていたら門の奥の方から淑女という言葉がピッタリな程の気品に満ちた少女が

「ネスト!貴方まだ生きていたのね!あぁ、本当に良かった。」

そう言って祖父の首に手を回し熱い抱擁を交わしているが祖父はどこか気まずい表情をしていた。

「こら、やめんか。子供達が見ておるじゃろうが」

そう言われてカトレアは2人の方へ視線を向ける。

「あら、この2人は貴方のお孫さん・・・なのかしら?」

「ワシの孫はこっちのミリオだけじゃ。もう1人は押し掛け弟子みたいなもんじゃ。」

「あれだけ人にモノを教えるのを嫌っていた貴方が・・・フフフ、お互い歳は取りたくないわね。」

「何を言う。カトレア、君は今でも十分に魅力的じゃないか」

「お世辞が上手くなったわね。フフフ」

そんなやり取りを見てフランが

「こんな美人が何で師匠と・・・お互い歳はってこの人全然若いじゃなですか。」

「ワシたちにも色々込み入った事情があるんじゃよ。」

「フフフ、込み入った事情・・・ね。まぁ立ち話もなんだし屋敷へどうぞ」

そう言うと門番達がおやめ下さい。この者達は指名手配されているのをお忘れですか?と諫めるが

「私が友人に会うのに何の問題がありまして?手配書は見ましたがネストとは似ても似つかない絵でしたし名前もたまたま同じだけできっと別人なのでしょう。ですのでこの事は他言無用ですよ。」

そう言うと門番の2人は畏まりましたと女主人に言い元の仕事に戻るのであった。

3人は屋敷に入り祖父がどこか申し訳なさそうに一言

「何か食べるものを分けてはくれんかの?」

と言うと玄関ホールに笑い声が響いた。

「それだけの為にわざわざ昔の女の所へ?ネスト、貴方相当追い込まれているのね。」

そう言われて男は幾つになっても女には勝てないもんだと祖父は小さく呟いた。

祖父の脇にべったりとくっ付いた少女を伴い屋敷の執事に食堂へと通された。

そして暫くして二人が食べたことがないような如何にも高級という言葉がぴったりな料理が出てきた。

「師匠!こんな料理見たことないけど・・・どうやって食べるんだ・・・」

「フフフ、テーブルマナーなんて気にすることはないわ」

そう言われて皿の上のものを手掴みで腹に収めるのであった。

その様子を見てカトレアは

「あなたの若い頃にそっくりね。2人共本当は貴方のお孫さんなんじゃないの?」

そう言って祖父を見て少し意地悪そうな笑みを浮かべるのであった。

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