15話
世界樹が焼け落ち自分を祖父に送り届けてくれた父の友人も行方が分からず唯々背後に迫る脅威から逃げるのに精一杯であった。
魔物からも人からも追われ3人はこの世に味方が居なくなってしまった。魔物から追われるのは当然の事だが、人間からは魔王を倒せなかっただけでなく世界樹までも落とされた責任を全て押し付けられ今や2人は世界中からお尋ね者として手配されていた。
唯一存在が知られていなかったフランだけは自由に動き回れたのが不幸中の幸いではあった。
その日街へ買い出しへ行ったフランが妙な噂を耳にしたと言って2人が隠れている洞穴へ帰ってきた。
祖父はフランは追われる身では無いので付いてくる必要はないと何度も言ったが頑なに首を縦に振らず行動を共にしていた。それに助けられている事実もあるので祖父もあまり強くは言えないのであった。
「してフラン、妙な噂とは一体何じゃ?」
「実は世界樹が焼けたあの日から数日して魔物達の動きに変化が出てきたみたいなんです。」
「変化とな?」
「今までは組織だって動いていた魔物達がまるで統率を失ったようになっているとか。もしかしてこれはベネディクトさんが魔王を倒したのではないでしょうか!」
「いや、奴に止めをさせるのは勇者の一撃のみじゃて、それは無いであろう。だが統率が取れていないということは何かが起きているのは間違いないじゃろうて。この機にこの大陸から離れようと思うがお前たちはどう思う?」
「でもどこへ行くっていうの?僕たちは世界中から追われているから受け入れてくれる国なんて何処にもないし・・・」
「ワシの生まれた村へ行こうと思う。あそこなら少なくとも人間達には知られていないはずじゃ」
「爺ちゃんの生まれた村・・・」
「そうじゃ勇者の血族が住う村プリムスならワシらを拒みはせんじゃろうて」




