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あの日の戦場  作者: ヘンテコソースソード
第1章帝国への旅立ち
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アイカワの日記

~アルマ王国軍基地~


「・・・と言うことで報告は以上ですが、何か質問はありますか?」


カゲミヤがツラツラと報告し終わった。


「何もない。いつもすまないな、こんな報告をさせてしまって。」

報告を聞いていた兵士はもう顔なじみだ。


「いえいえ、仕事ですので。ところで、キサラギさんを探してるんです。どこにいるかわかりませんか?」


カゲミヤが聞いたとたん、兵士の顔が暗くなった。


「あぁ、キサラギはいないんだ。」


「えっ?」


2人は揃って声を上げた。


「どこかに行っているということですか?」


俺は慌てて兵士に尋ねる。そう言って欲しかったからだ。


「違う。」


「どういうことですか?」


カゲミヤは恐る恐るきいた。


「キサラギは、帰ってこない。捕虜から解放された後も。健康診査の時に変な音が鳴ったから病気なのかと思ったが、鳴ってないのに帰国後すぐに病気になったやつもいた。シロムネの機械がそんなにポンコツなはずがない。」


「キサラギさんがいない。帰ってこない。」


カゲミヤが崩れるように呟いている。


「俺もショックだったよ。でもシロムネに連れ去られたんだったらどうにもできない。」


兵士は諦めているみたいだった。


「カゲミヤ、キサラギさんを探そう。何かわかるかもしれない。」


俺たちはいろんな人に聞いた。でもキサラギさんのことはわからなかった。


「どうしよう」


本日何回目かもわからないそんなことを言っていた時だった。


「あの・・・キサラギさんのことを探してるんですよね。これ、どうぞ」


おどおどした兵士に、ぶ厚い本を差し出された。


「これは?」


「日記です。キサラギさんの。」


そう言ったときにはもうカゲミヤは読み始めていた。


………………………………………………

日記8月30日

捕虜になったので、もともと書いていた日記はなくなったんだけど、内容を覚えてるので新しい日記に書きまーす。今日は暑かった。現在、シロムネ帝国と戦争中。戦況は最悪。明日は、アルマ海溝に行かなければならない。


日記9月5日

今までのことを書こうと思う。アルマ海溝での戦闘にむかったのだが、その戦闘でウシジマが出てきた。最初はシロムネ帝国の戦闘機が一機しかおらず、不思議に思っていたら瞬く間にウシジマに殲滅させられた。カワッチたちも全員生きているところを見ると、殺さないよう手加減していたんだろう。ウシジマによって殺されなかった俺たち軍人は捕虜になった。現在車に乗せられ、門をくぐっている。これからどんなことになるんだろう?


9月8日

シロムネ帝国は涼しい。捕虜にしては、待遇は最高だった。シロムネの兵士はもっとすごい生活をしてるんだろうか。


9月15日

今日はスープが美味しかった。10月になるまでには帰れるらしい。あんまり詳しく書くのはできないけれど、ここは西の方にあって北に行くと森があるらしい。


9月23日

今日は健康診査があった。変な音なったけど病気なのか?


………………………………………………

「日記はこれで終わりだな。」


カゲミヤは次がないことを確認すると、言った。


「カワムラさんも帰ってないのか?」


「あっ、えっとそのそうですね…。」


兵士は今気づいたように言った。


「ありがとうございました。この日記もらってもいいでしょうか」


とりあえず、この日記だけでも。そんな思いだった。


「はい、わかりました。」


俺は兵士にぺこりと礼をすると、言った。


「シロムネ帝国に行こう。キサラギさんを連れ戻すんだ。」


カゲミヤは、こくりとうなずいて。飛行機にのりこみはじめたのだった。









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