拷問執行
~ヒレイ視点~
この国では刑罰は拷問によって執行される。これによって、裁判は単純化されている。無罪か有罪か。有罪ならば、10までのレベルを言うだけだ。俺は移送されているバスが、第2刑務所に入って行くのを見て終わったな、と思った。第2刑務所は、レベルの高い拷問とレベルは低いが、肉体欠損などの拷問が行なわれる場所だ。逆に第1刑務所はレベルが低い拷問と精神的な拷問が行われる場所だ。
「カゲミヤ、俺たち、専用バスだ。レベルはなんなんだろうな。」
他のバスは、ぎゅうぎゅうづめで乗せられている。専用バスが出るのは、国家の転覆を狙おうとした大罪人。つまり、皇帝に何か危害を加えたりすれば使われる。この場合は問答無用でレベル8以上である。ウシジマに失礼なことをすれば、大量殺人鬼と同じ扱い。
「10だろ。ウシジマに向かって発砲だぞ、しかも狙って。」
そうか。まぁこの狂った国ではこれが正常なんだろうな。
「レベル10の護送を完了しました。シラス様の執行です。拘束具については、18とのご指令です。」
それを聞いた職員が、18?と、驚きつつも、テキパキと行動して行く。俺たちを部屋に連れて行くと、ロープで吊るされた。
「準備は?」
男の声がする。
「終わっています。」
そんな声が聞こえると、扉が開いた。レイトが入ってきて、言った。
「なんでここに?って顔だな。俺は元は拷問士なんだ。んで、レベル10の執行ができるのは俺しかいない。だからここにいるんだ。犯罪者君たち。」
レイトは、コーヒーを飲みながら罪状を見て、コーヒーを吹きそうになっていた。
まじか、ここまですごい奴がいるなんてそう呟くと、言った。
「お前らの罪状。皇帝陛下に対する発砲、及び不法侵入、帝族を人質にとり、国家の機密を聞き出す。それだけでなく、不法入国や、捕虜を脅し我が国のことを調べる。勝手な飛行機の着陸、第一部隊宿舎への不法侵入、発砲。帝国軍の兵士を殺害、など。だってよ。すごいな、驚きの連続だ。余罪がある可能性まであると書かれている。」
レイトは俺たちのさるぐつわを取った。
「てめえ、なにが犯罪だ!お前らの方がキサラギさんを!キサラギさんの人格をぶっ潰したんだろうが!」
カゲミヤは聞くに耐えなかったようで、叫んだ。
「犯罪だよ。お前らのやったことは。キサラギを連れ戻すためだったら、人を殺していいのか?違うだろ。お前たちの方がよっぽどたちが悪い。俺はこれが悪いことだとわかってても、皇帝陛下のために、そんな思いで自分を殺してやってんだよ。だが、お前たちは自分たちが正しいと思っている。自分勝手にやりながら悪いのは俺らだからなにをしてもいい、そんなことを思ってる。」
「違う!お前らがキサラギさんを先に薬でひどい目に合わせたんだ!」
ふざけるな!お前らが悪いことをして、俺は助けるためにやったのに、なんで俺たちが悪いことになってるんだ。俺は叫んだ。
「そういうところを言ってるんだ。俺たちが悪いことをすれば、キサラギを助けるための行動は全て正義だ。そんなこと言うんだったらまず、キサラギと同じ痛みを味わってみようか。ほら、薬だ。原液を一気に打ってやるよ。」
そう言うと、2人にぶち込まれた。そのとたん、周りの声も、何もかも感じられなくなった。そして、自分だけの世界には、ただ、蟲がいた。
「来るな!来るな!嫌だ!」
俺は近づいて来る蟲に対して叫んだ。逃げようとすると、動けない。足元を見れば、小さな蟲が大量にいた。
「うぁーわぁーーーーー!」
驚いて振り払おうとすれば、首筋が蟲に齧られ、激痛がした。傷口からは、小さな蟲が侵入してきた。血管を通って、そいつらは体の隅々まで侵入してきた。
「あッーーーーーーー!来るな!ウガァーーーーーー!」
だが、そんな悲鳴も聞かずそいつらは、俺の、脳を食いあさった。
レベル1・・・軍隊規定違反軽度、非常な迷惑行為。比較的軽度な痛み、または強制労働。を任意に選べる。
レベル2・・・軍隊規定違反、軽度な犯罪行為。比較的軽度な痛み。
レベル3・・・他人のものの、破壊。詐欺。精神的な拷問と比較的軽度な痛み。
レベル4・・・暴行、業務上の過失(重度)。軽度な拷問。
レベル5・・・少年の重度の犯罪、麻薬を売り払う行為、特別な重度の犯罪。精神的な拷問と中度の拷問。
レベル6・・・殺人。拷問、生死は問わない。
レベル7・・・大量の殺人、国家情報について。拷問のすえ、確実に死亡。
レベル8・・・総統への不敬罪。3日の拷問のすえ死亡。
レベル9・・・帝族に対する危害、また、それに準ずる行為。ありとあらゆる拷問をし、死亡。
レベル10・・・総統への危害、国家転覆罪。7日間以上の最大級の拷問。精神的な最大級の拷問。殺さず、生き地獄を与えるか。拷問死。




