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狩り過ぎ?
お久
キルヒアイスは狩る。
ひたすら狩る。
食える魔物をこれでもかと。
オークは勿論、虫系、蛇系、トカゲ系、果てはワイバーンすらも。
食料になるなら、なんでも狩る。
そんな日々が1ヶ月ほど。
魔物を、かなり狩ったので、肉の供給は増え、食料不足は少し落ち着く。
1ヶ月では農作物は実らないが、他国より輸入し、配給する事で、治安も少し回復。
「食える魔物がもう居ない」
呟くキルヒアイス。
狩り過ぎたらしい。
そのおかげで畑が荒らされなくて、農作物は順調に育っており、種類によっては、あと一月もすれば収穫できるであろう。
やることがなくなったキルヒアイスは、店に戻ったのだが、とある噂が聴こえてくる。
曰く、此度の戦争で貴族が足りない。
曰く、活躍した平民に爵位を授けるらしい。
曰く、大量の食料や金を寄付した平民を、城に呼んでるらしい。
「嫌な予感がする」
キルヒアイスは動き出す。




